天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

東雲

2019-10-27 09:11:50 | 日記
 今朝の朝焼けは雨雲を懲らしめるかのように、穏やかな朱に染まって見事であった。早起きの薄謝としてゆっくり楽しむつもりで、寝覚めの体操を始め、俯向いているうちに、色が淡いピンクに薄まってゆき、すぐ消えた。水が満ち溢れたかと思うと、たちまち引いていくように、天然の成せる業は奔放で、次の一手は押し測りにくい。
 またけさも、浅見和彦成蹊大学名誉教授によるNHK古典講読『「方丈記」と鴨長明の人生』の名調子を聴き入ってしまった。ラジオでのんびり時間を掛けて人の話を聞くのは広沢虎造以来である。この時間のリスナーの年代層に向けて、割と込み入った深いテーマなのに、ゆっくり分かりやすく話してもらえるのがいい。また、朗読の加賀美幸子語りが締まる。好き者でなく、数寄の道といって、能因の「すき給へ。すきぬれば秀歌は詠む」、西行の「歌はすき心なり」の引用に、思わず点頭した。
 東京五輪マラソンの札幌開催に納得がいかず午前3時とか1時スタートを提案する都知事は、数寄と真逆の未練、執着と言える。政治家でも歌人でも、燃えたぎる執念を持たなければ大を成せないから、常人と異なるスタンダードを持つのは仕方ない。愉快にもレース時の札幌の気温が30数℃となれば、笑ってやればイイさ。そのリスクを避けるため、私は前から網走を提案していた。これを言っちゃーお終いだけれど、瀬古が走るマラソンならメイン・イベントはぜひ開催地の東京でとなろうが、優勝期待ゼロなら何処でもいいやという気になってしまう。

東雲の 朱に色差すは 須臾にして
あしたの誓ひ 夕べに忘る





棚田

2019-10-26 18:02:21 | 日記
 秋の紅葉は清津峡と古来言い習わされており、遊覧した。落石等の事故が相次ぎ、今では坑道に守られ歩き、処々のビューポイントから渓谷美の景観を眺める。秋の清冽で流麗な水の勢いは爽やかで、長方形に整然と切り立った岩山が眼上に迫り、赤と黄に色付き始めた木々が目の保養となった。水、木、石が最も美しく映える季節の姿を箱庭でなく、自然のボリュームで迫力を味わえた。
 星峠の棚田にも寄った。最近は雨が多かったので、とうに刈り取りが終わった稲田に切り株は見えず、田毎に水が波なみと満ちていた。長野県姨捨山では田毎の月と言われるけれど、こちらは差し詰め田毎の星といったところか。こんなに苦労して日本一の米を作る伝統は、田ごとに灯を絶やさずに守り伝えて行ってほしいものである。

刈り取りし 棚田の水に 星映す
いち思ふ人の 瞳重なり









八海山

2019-10-25 14:11:23 | 日記
 八海山の紅葉が見頃という情報が入り、急いで来た。時折の雨交じりだったけれど、麓に辿り着いた頃には止み、雲海を伴う絶景が望めた。即位礼正殿の儀の日も雨勝ちだったけれど、いざという際には青空が見え、虹が祝意を示した。私も光源氏の系統なので、天も歓迎の意を示してくれたのだろう。八海山ロープウェイが四合目までは連れて行ってくれた。着くと、辺りは木々が色付き、朱に染まっていた。

呑んでよし 登ってなほ良し 八海山
僅か四合で 朱に染まりけり











居場所

2019-10-24 18:16:26 | 日記
 卓球を始めれば幹事長の無理無体に付いていけず脱落、お茶教室も短期間で挫折するなど、組織と宥和的に活動できない根本的欠陥が自分にありそうなことに遅まきながら気づいた。ぴったしを求めても永遠に出遭うはずがないのだから妥協する必要があるのに、気質的に釈然としない。棺桶も入れるのは1人なのだから、現世はそのウォーミングアップ程度に考えておくしか仕方がない。
 しかし、小人閑居して不善を為すというように、放っておいても良いけれど、放って置くと、何をするか分からない不安もある。社会はそうしていろいろ工夫する。
 中には非常に真面目な取り組みも見られる。学校や教育、教員・教諭といえば、神戸市東須磨小を始め、最近目立つのは不祥事のオンパレードだけれども、そうした社会的ストレスを解放しようとする事業活動として、『学校に居場所カフェをつくろう!』(発行者・大江道雅、発行所・明石書店)という、私の呆けなす耳にとっては斬新な運動があることに気付いた。
 イジメや、貧困家庭、家庭内暴力などで教室や家庭に居づらい生徒に、校内かその他近くの適当な施設に誰でもが立ち寄れるカフェを設け、悩みを聞いたり、相談を受けたり、あるいは独りで寛げる場を提供しているそうである。
 教職者も教育委員会も聖職という全くのでっち上げられたイメージを隠れ蓑に、あたかも正常な教育運営がなされているかのように装うけれど、公教育制度によって待遇は保証され、外部の目が届きにくい密室性があり、不祥事隠蔽、責任逃れ体質が蔓延しがちであり、児童生徒に逃げ場所を提供するのは社会の安全弁でもある。熱心に教育に打ち込んでいる先生もたくさんいるだろうに、学校の内外にかかわらず世の法則は朱に交われば赤くなる、腐った一つのトマトがすべてを腐らせる傾向にある。水も道徳も倫理も低きに流れやすい。
 地震や台風、洪水被害で長期に学校を休まざるを得ない時もあるのだから、一度全国の教職員を一斉に解雇して、適性を再点検して篩に掛けた上で、まともな方々を再雇用する改革が断行できないものだろうか。「居場所カフェ」がどうしようもなく居場所を失った児童生徒だけでなく、全体にもうまく機能するなら、教育の資質も兼ね備えた民間の「居場所カフェ」担当者に、漸次学校の機能を移していくのも教育改革に成り得るのではないか。それで不要となった教職員はどんどん減員して行けばよい。
 松下村塾の伝統を良く知る安倍晋三首相なら、憲法改正より喫緊の課題であるこうした教育改革にまず着手してほしい。

居場所無き 児童生徒の 惨さかな
淫ら教師と 苛め匡すべし


御室

2019-10-23 18:31:42 | 日記
 来年3月に釜山で開催される世界卓球選手権の団体戦日本代表第1次選考会に木原美悠さんを応援に行ったら、きのうは3連勝で調子良かったのに、今日は2連敗して、足を引っ張る原因となったので、貧乏神になってはいけないと途中退席した。12月の最終選考会に残れるんやろか。縁起の悪い人間が言うのも何やけれど、プレースタイルが淡白に見えるので、平野早矢香さん張りに鬼の闘志を持ってほしいな。そうは言っても出澤杏佳さんは不思議やな。肩とかどこにも力が入らないような自然体で居て、途中押されていても終盤にはポイントを上げ、最後には勝ってしまう。将棋の大山康晴十五世名人とまではいかないまでも、受けと読みが凄いんやろな。
 広瀬章人竜王と豊島将之名人が相対する竜王戦第2局が京都は御室仁和寺で始まった。
 皇嗣秋篠宮家長女の真子内親王が28歳の誕生日を迎えられた。結婚適齢期のど真ん中なので、何とか意中の人と添い遂げられるよう障害を取り除いてあげるのが周りの大人の責任やろ。イギリスのEU離脱=Brexit 政局みたいに混迷させるばかりでは見苦しいで。
 プロ野球日本シリーズかて、菅野智之投手の踏ん張りで福岡決戦まで持つようにしないと、呆気なさ過ぎるで。年寄りの楽しみの相撲は来月まで待たんとあかん。それまで間を持たせて、どんな分野でも好勝負、好取組、好縁組を期待したいわ。

秋の篠 吹く風こよひ 険しとも
さらさら流し 御室の月見む

★本歌:
秋の月 篠に宿借る 影たけて
  をざきが原に 霧降りにけり
   源家長(新古今和歌集425番)
<元久元年八月十五日夜、和歌所にて田家見月といふことを>

恋ひ死なば またも此の世に めぐりきて
  ふたたび君を よそにだに見む
   覚性法親王・仁和寺第6世法主(正治百首歌)