天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

撤回

2019-07-31 15:40:05 | 日記
プライム・ビデオで『シャーロットのおくりもの』を観た。牧場の小さな女の子ファーンが、母乳からあぶれた子豚のウィルバーを救って育てるストーリである。11つ子だったけれど母豚の乳が10個しかないため、ファーンの父に間引きされそうになったためである。しかし、大きくなるにつれ食用にされる危機が訪れる。それを救ったのが家畜小屋に住み着いた蜘蛛のシャーロット。捕らえようと牧童が来る小屋の入り口に、蜘蛛の糸で "some pig" (大したブタ)と文字を書いて、殺すのを躊躇わせることに成功した。2度目、3度目の危機にも、"radiant"(輝く)、"humble"(控えめな)と糸文字で命を救った。ずうっと女の子と子豚の友情物語とみていたけれど、春に生まれた豚はクリスマスに食われて雪を見ることができないという言い伝えを破って、ウィルバーが初めて雪を見た後にエンドロールに「Charlotte's web」とタイトルが出て、クモが主人公だったことに初めて気付いた。映画の最後の方で、シャーロットが生んだ500匹を超える赤ちゃんクモがそれぞれ繰り出した糸を風になびかせて、青空遠く飛び分かれていくシーンが印象的だった。CGによる創作かな、とみていた。そこで、『糸を出すすごい虫たち』(大崎茂芳著、ちくまプリマ―新書)を読み始めた。そこには、「東北地方では、秋になると『雪迎え』という現象が知られている。秋の小春日に、子グモが糸を出し、糸を浮力にして上昇気流に乗って空高く舞い上がるクモの飛行現象のことで、しばしば目撃されている」とある。ああ、事実を描いていたのだなと、無知を思い知らされた。
中国が対米通商交渉で、真冬に垂れ下がった熟柿がボトリと落ちるように、大統領交代の持久作戦を取っていることに、トランプ大統領はイラついているようである。その不安から白人票とユダヤ票に縋り付いて、品性卑しく人種差別丸出しの悪口雑言を繰り返していると、その戦闘的姿勢に酔っていたいパックス・アメリカーナに自信を無くしたヤンキーも、自分の道徳的品性までが貶めらることに気が付き、嫌気が差して、振り子が180度傾いて史上最左派のバーニー・サンダースに大統領のお鉢が回ってくることが予想される。父ブッシュのように1期で退任し、韓国元大統領のような末路を味わいたくないトランプ大統領の選択は、年内の対イラン攻撃と北朝鮮和平であると推測できる。そのためには南北共同作戦のような日本列島に向けられた北のミサイル発射実験は、夏祭の花火のように米国民にも注目を浴び、トランプ大統領のサプライズ外交には「タマヤ―」的に好都合なのであろう。こうした恫喝に対して米国の仲介で対韓ホワイト国除外8月2日決定の延期をすれば、安倍外交の失敗と糾弾されるのは必至である。吉本興業ではないのだから、撤回の撤回の撤回なんてことにならないよう、政府は毅然とした対応を示してほしい。外務、経産の役人がとろいのか、基本的に英語の交渉ができないのか、慰安婦像の建立にしろ何でも負けてしまう。

大空に 糸きらめかせ 渡りゆく
幸あれははの 願ひを乗せて






The King of Kings

2019-07-29 17:16:58 | 日記
瀬戸大也が水泳世界選手権の個人メドレーで200メートルに続いて得意の400メートルでも金メダルを獲得したことは、つらつら考えてみると、凄いことやなあ。正真正銘の The King of Kings の尊称を奉って大袈裟にならないわ。例えてみれば、カール・ルイス、ガトリン、ウサイン・ボルトを従えて桐生祥秀が100メートル走を9.5秒で優勝したようなもんや。もうちょっと現実的な希望を言えば、木原美悠が2020東京五輪卓球で陳夢、朱雨玲、劉詩雯、丁寧、王曼昱の無敵中国勢をすべて撃破して金メダルを獲得するくらいの値打ちがある。スポーツ紙はどうなのか、読売新聞しか見ていないけれど、1面トップに掲載していないのは疑問や。恐らく開催都市が問題なんやろな。韓国・光州のニュースを1面なんかに持って行ったら、官邸が機嫌を悪くすると忖度したに違いない。戦争は外交の延長と言われるけれど、スポーツは政治の延長であることは、かつてのモスクワ・オリンピックのボイコットでも示されている。とことん嘆かわしい世の中やわ。トランプ米大統領のボルチモア糞溜め発言も、動画が添付されているから全くのフェイクでもなさそうやけれど、自分が君臨する国の都市をそうあからさまに侮蔑することは、京のお公家さんか?とよく言われる私にはとても出来ない相談や。
できない相談はまだあって、孫から最近LINEで送られてくる『にゃんこ防衛軍』―「ゲームのお時間にゃ」「今すぐプレイにゃ!」にはどう対応したらいいのだろう。IT落伍者には住み辛い世の中になってきた。住み辛さが高じると、詩が生まれて、画が出来る、と言ったのは夏目漱石だけれど、そういうアナログ技術の方がもっと難しい。そこで安易にテレビ、映画、ジャーナルで寛ぎたいけれど、こいつらがバカなのか、こっちが世間とズレてしまっているのか、一つも面白くない。世間がバーチャル三昧なら、こちらも仮想のラグジュアリー養護老人施設に入居して、自炊しながら温泉に浸かるのが極楽かなあ。何だかんだ言いながら、昼はそばか素麺を湯掻いて、夕方を待ち切れずにビールを抜いて、井村屋のあずきバーをうとろウトロしながら嘗め、股にしずくが零れた頃にハッと目が覚め、シャワーを浴びて寝直すのを繰り返していれば、冥途の道は楽なもんや。自分を高めよう、人に認めてもらおう、と世故いことを考えるから、精神的におかしくなる。もっとも、おかしいと言われようが、それで大金を稼ぎ、立身出世すれば、人生の勝ち組になれる。仮想極楽を選ぶか、勝ち組を選ぶか、どちらが高尚なのか長考しているうちに、ピッピ、ピッピと腕時計に体操マークが現れた。ちょうど、尻が痛くなってきたので、ピンポンの壁打ちでもしよう。
こう暑いと涼しくなる歌でも探すか。ワンパターンやなあ。ホトトギスか卯の花ばっかりや。万葉集1479番は
隠(こも)りのみ 居ればいぶせみ 慰むと
いで立ち聞けば 来鳴くひぐらし
―カナカナ、カナカナと蜩では、やっぱり暑いままや。
古今集・夏哥
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
雲のいづくに 月宿るらん(百人一首・ふかやぶ)
―そんな早く明けたらエエわ。一晩中寝苦しいで。
新古今集・夏哥262番
道の辺に 清水流るる 柳かげ
しばしとてこそ 立ち止まりつれ(西行)
―ちょっと涼しい気分になるな。
もう一つ西行で山家集・夏歌
むすぶ手に 涼しき影を 添ふるかな
清水に宿る 夏の夜の月
―涼しげで、かつ風流や。
枕草子36段
七月ばかり、いみじう暑ければ、よろづの所開けながら夜も明かすに、月の頃は寝おどろきて見いだすに、いとをかし。(月の出ない)闇も又をかし。
―目が覚めて観る月に風情があっても、結局は寝苦しくて熟睡できなかったんやろな。

昼餉には 冷やし蕎麦食ひ 夕されば
ビールに涼む 夏を過ごさむ

マイアミビーチ

炎暑

2019-07-28 11:34:54 | 日記
 台風6号が去って日本列島は概ね夏本番が到来か。鬱陶しい梅雨空も嫌やったけれど、ガンガン照りの炎暑はもっと辛いやろな。選挙報道は軽減税率適用の消費増税問題を始め新聞各紙は大政翼賛に徹して無気力やったけれど、日照不足による野菜、果物の不作にも関心を持たないレッセフェール主義を貫いているなあ。今年は手頃な桃が出回らず、まだ2-3個しか当たってなくて機嫌が悪いんや。
 その点、トランプ米大統領は真逆の干渉主義やな。他国には政府の保護主義政策を糾弾しながら、やることは同じ関税政策と恫喝外交やないか。お得意の伝統的ダブルスタンダード政治がいつまでも通用するやろか。世界ユーザーの個人情報を吸い上げて米国安全保障政策に反映させるGAFAの事業活動に課税しようというフランス、EUの理屈は真っ当と思えるけどなあ。非戦闘施設の空爆は躊躇なくても、急所に触れられると鶏冠がカリフォルニアの赤ワインみたいに真っ赤になっとる。よう言わんわ。
 これだけカッカしていると、夏本番に気を付けることは、まず第1に湿っ気た後の高温で食あたりにならんことや。第2はイランの開戦決意かな。石油寸断で電気自動車しか動かないようになり、ちょっと危なくても原発全面再稼働に向かうかも。第3は日本政府要人が隣国の英雄志願者から災難を受けることやろ。第4に太陽が落ちてくることまで心配していたら、余計暑くなるので、カキ氷か冷たいビールに頼って頭だけはクールに処していきたい。

暑ければ 諍いの種 西瓜並み
井戸で冷やさば かくも美味きに



ボウシ

2019-07-27 15:28:00 | 日記
最近は東京五輪でメダルに近い種目と思っていた卓球の成績が冴えないので、自分だけでもと昨日は張り切り過ぎ、釣り竿猫じゃらしに飛びつく子猫のようにラリーに熱中したら、肩が炎症を起こしたのか、夜中に発熱と苦痛に目が覚め、なかなか寝付けなかった。シルバー・ピンポン同好会なので馬龍ほどの迫力はないけれど、厭らしさだけはプロ並みで、1球1球ひねくれ球を返してくる人がいる。バウンドするや90度くらいカーブするものだから、肩が外れるくらい腕を伸ばして打たなければならない。これだけ人をカラかっておきながら休憩時間にまで、被っているキャップを指差して、これは何の帽子だと思う、とクイズで攻めて来る。額部分に赤い星マークが付いていて、さぞ高級ブランドかと考えあぐねていると、ボケ防止だよ、なんて頭に来た。爺ィは憎たらしいものである。
こんな処で揉まれているより、私にはお茶の世界の方が合っているのかもしれない。次回の茶道練習が待ち遠しく、DVD茶道教室のモデルさんを上回る美貌の先輩弟子に、俗塵を払い、心をすすいで茶席に上るという現代社会での究極の難事に挑みたいと思いますと、メールを出しておいた。気味悪がっているかもしれない。夏は気温の上昇とともに事件が増えるはずである。
タリフ・マン(関税亡者)の本領発揮で、トランプ米大統領は今度はフランスのワインに報復関税を掛ける腹積もりらしい。ここらで世界は一度、関税と国境の壁を外から見えないくらい高くして、1-2年は自給自足で暮らしてみてはどうか。それぞれの国内業者であっても、保護主義が最良でなく、外国貿易と門戸開放の有り難さをしみじみ味わってみるのも、頭を冷やすうえで良い機会になろう。
水泳にちょっと期待が持てるようになってきたので、今度はバドミントン中継に目を移してみるかな。

茶の道は 人里離る 隠れ家へ
心をすすぐ 茶筅もがもな


タリフ・マン

2019-07-26 11:15:24 | 日記
タリフ・マン(関税亡者)のトランプ米大統領が自縄自縛の農業補助金にのたうち回っているとか。報道によると、中国との貿易戦争で損害を受けた米南部を中心とした農民に来月から160億ドル(約1兆7280億円)の損失補填金を支払うそうである。関税収入が年間1000億ドルくらい増えるかもしれないけれど、関税貿易戦争被害者は農業従事者だけと限らず、その他の損失を補填していくと間尺に合うのか、短慮の素人がやることは心許無いものである。木を見て森を見ずの類で、事は米中の貿易縮小だけにとどまらず、世界経済全体に滞りをもたらし、破壊しかねないことである。自給自足経済が成り立たないことは国際経済の初歩である。トランプ大統領は不動産事業だけで世界を推し測らず、18世紀のアダム・スミスから勉強し直すことを私は勧告する。腹立たしいのは、作物で被害を受けているのがトウモロコシや大豆、小麦、綿花などの主要29品目だけでなく、その他特別作物10品に私の大好物のピスタチオが入っていることである。米国のピスタチオ農家が困っているなら、魚沼産コメの産直のように私が引き取ってあげるので、ぜひ連絡先を教えてほしい。こういう際だから大幅な割引でお願いしたい。
国営放送NHKの北朝鮮ミサイル発射報道が笑えた。飛距離430キロと690キロの2発を図示する矢印が元山の入江にポトッと落ちたかのように異様に短く描かれていた。政府の意向を忖度して日本には全く影響はありませんよ、と強調したかったのであろう。が、690キロと言えば平壌からソウルまでの2倍以上あり、日本海沿岸原発施設の喉元まであと少しである。ソウルまでなら大砲で火の海にすることができ、短距離核ミサイル開発は日本向けであることに国民の目を逸らすべきではない。
くそ暑いので清涼剤にホキ美術館で購入した画集を楽しもうとしたのに、断捨離整理しているうちに行方が分からなくなっていた。仕方ないので、図書館で『写実画のすごい世界 限りなく「本物」な女性たち』を借りてきて悦に入っている。売れれば何でもありの低劣な週刊誌のピンナップ写真より、リアルさが濃厚でマックスに催淫される。いくら微粒にしてもドットで表す写真は何か他人行儀でバーチャル感に遮られ没頭できない。モデルを視姦してアナログ絵筆の妖艶細密なタッチで情感をぶちまけた鬼才の絵画には魂が籠っていて、あたかも情交できそうな気になる。うだる夏は、これに冷えた濃いめのカルピスに限る。

賤が家の 田夫の知恵か 庭囲ひ
柑子を守り 出るに出られず

 
≪注≫徒然草第11段
 神無月の頃、栗栖野といふ所を過ぎて、ある山里にたづね入ること侍りしに、遥なる苔の細道を踏みわけて、心細く住みなしたる庵あり。(中略)
 あはれに見るほどに、かなたの庭に、大きなる柑子(かうじ)の木の、枝もたわわになりたるが、まはりをきびしくかこひたりしこそ、すこしことさめて、この木なからましかばと覚えしか。