天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

赤かがち

2021-06-28 16:27:21 | 日記

 新型コロナ感染者が日本で「さざ波」(首相官邸筋見解)程度に比較的少ないにもかかわらず、発生初期から油断ならないと警戒させられたのは、ダイヤモンド・プリンセス号で露わになった日本の医療検疫体制の脆弱性に対する不信とか、頼りにすべき保健所・病院一般がイの一番に発熱患者を徹底的に遠避けた不作為姿勢も勿論あるけれど、俺はコロナ感染者だと名乗る男と同席した女性従業員が感染死した実例の報道によってである。罹れば実際に死ぬことは著名コメディアンの突然死により恐怖を実感していたけれど、人から人への感染経路がはっきり示されたことで、外に出歩くのも容易ならざることと身に染みた。
 海外からは、感染者にわざと唾を引っ掛けられた飲食店の女性従業員が亡くなった事件も伝わった。飛沫感染の両事件は、元の感染者自体が死亡したので訴追の仕様がなかったけれど、生きていれば刑事責任が問えるはずである。
 事件から時間が経ち、新型コロナウイルスは変異を繰り返し、ますます耐性を強め、威力を増してきた。そして、東京五輪代表選手が順次、入国しつつある。中には陽性の選手も混じっている。これからは出入国時の検査が強化され、陽性者は見逃さない建前である。しかし、PCR検査はリトマス紙ほどは確実ではなく、実際に陽性選手をスルーしてしまっている。試合前に毎日検査をしても漏れるケースは出てくるに違いない。
 もし、すり抜けた選手が汗を飛び散らせ息を切ってレスリングなり、柔道で組み合えば、試合相手は濃厚接触者どころか、同じ息を吸い合った兄弟姉妹か、同衾した夫婦のようなものであり、感染確率は100%に高まろう。
 本人に自覚症状がなければ、わざと唾を引っ掛けた殺人犯と同列に非難はできないにしても、主催者の管理責任は問われ、賠償責任を負うのではないだろうか。
 日本政府と五輪組織委は安心安全を請け負い、五輪開催の成果を以って国民と世界からの拍手喝采を期待している。バラ色の祭典挙行の成果と、国家破綻に近い重い結果責任との、どちらの目が出るかは、神のみぞ知る。
 散歩道の生垣には、こんもり繁った葉陰から、赤い実が可憐な姿をのぞかせていた。茱萸(グミ)の木であった。小さい頃、郷里に成っていて、少し渋みの混じる湿潤な甘さが好きであった。それ以降、いろんな所を渡り歩いたけれど、食用にしているのを見たり聞いたりすることはなくなった。

赤かがち
ほほづきの如き
茱萸の実は
八岐大蛇
襲ひにか来む






3着

2021-06-27 16:37:56 | 日記

 コロナのワクチン初回接種はチクリとしただけで5時間経っても何の副作用もなく、気が抜けるほど楽勝と思っていたら、夜中に刺し口に痛み、しこりが起き、寝付けずに参った。中身が食塩水でなかったのは確かである。我慢して晩酌を断ったので助かった。この上、体内発酵熱が出ていれば、のたうち回ったことだろう。歩いていて、4年前に傷めた変形性膝関節症の右膝にまた違和感が襲ってきた。あの悪夢の再発だけは避けたい。2回目の接種には、運を天に任せて、余っぽど気合いを入れるしかない。
 宝塚記念競馬は喜入アナウンサーに乗っ掛かったレイパパレは3着止まり。気合いの鞭を入れても、一番人気のクロノジェネシスには及ばなかった。何事も脳内で描いた絵の通りには行かない。
 歩いていると、脳内を刺激する薫りが漂ってきた。ムッとむせ返る。ネズミモチの花が満開となっていた。大汗をかいて遣り終えた後の匂いと同じである。人類がねずみ算式に繁殖していくのも、この薫りを満腔に吸って刺激を受けるお陰と言えよう。

ねずみもち
鼻にしみ込む
花の香は
汗にまみれて
子を残す種





ナオミ Come back to me

2021-06-26 17:26:26 | 日記

 東京五輪開幕式まであと27日と4週間を切った。開会セレモニーの主役、渡辺直美さんが米ニューヨークから久しぶりに帰ってくるのが楽しみ。インスタグラムにスケートボードを操る写真を公開しているので、ビートのあるソウルミュージックに乗せてスケボーに乗っての登場を予告しているのかもしれない。ひょっとして、バスケットボールを持って、ジャンピングシュート、ターンアラウンドシュート、バンクシュート、フックシュート、スカイフックを五輪五色のゴールに次々と決める演出が凝らされていそうである。
 ぼつぼつ各国の代表選手団を始め関係者がザルチェックを抜けて入国しだし、アルファやベータ、ガンマなど各種の変異株にさらされることになるので、急ぎ今日、第1回目のワクチン接種を行った。まさかのことがあるので、すべての金融口座とパスワードをメモにして遺族宛てに残した。接種後15分待機したけれど、別にまだ体に異変は生じていない。テレビで見ると、注射針を腕にグサッと刺している感じだったので、死ぬ覚悟で身構えて警戒していたけれど、名医に当たったのかチクッと感じただけで済んだ。

それぞれに
田植ゑ終へしや
半夏生
この夏日照り
野分に怯ゆ


連鎖

2021-06-25 23:47:51 | 日記

 あり得ない事故と言うものは、あり得ないように連鎖するものである。米フロリダ州のマイアミ近くの12階建てマンションが見るも無残に倒壊した。ガス爆発と他からの衝撃があったわけではなく、原因不明で相当部分が壊れ、数人が亡くなり、百数十人が行方不明になっているとかで、早急な救出が待たれている。大阪西成区でも住宅2棟が崩れた。これら深刻な事態に胸を痛めるのは当然であるけれど、不謹慎ながら余計なことに関心が向いてしまった。英語表現である。フロリダ倒壊建物が位置するサーフサイド市のバーケット市長が「 Buildings like this don't fall down in America.」という言い方をなさった事に、理解が付いていかなかった。建物の専門家である同市長によると、同建物は1980年代に建てられた物件で、決して老朽化しているわけでなく、むしろ新築に近いそうである。だから、倒壊は「あってはならない」ことなのだけれど、「 should not be 」とか「 must not be 」とか仰々しく言うでなく、ネイティブなら「 don't 」とサラッと言う方が、あり得なさを強調することになるのかと想像した。日本語に直訳すると、筋が通らないので、そう思うしかない。
 陸上日本選手権100m決勝は多田修平が10秒15で初優勝し、東京五輪代表に内定となった。山県亮太、桐生祥秀、小池祐貴の10秒突破組が勢揃いした激走の予想で、TBSの喜入友浩アナウンサーが朝のラジオ番組『森本毅郎・スタンバイ!』で多田修平に太鼓判を押していたのがズバリ当たった。同時に27日開催の競馬宝塚記念について2枠2番の「レイパパレ』の勝利を絶対視していた。当たり屋予想に乗れの鉄則があるので、レイパパレの1点買いで勝負しようと思う。

いにしへゆ
人と馬とは
ひとつ身と
言ひしばかりに
レイパパレ買ふ





新解釈

2021-06-24 17:14:55 | 日記

 引退の勢関、現年寄・春日山はゴルファーとの婚約を解消していたことが公けになった。人情紙風船、浮遊して何処に落ちるか分からない。何処に向かうか分からないけれど、365日の紙飛行機のように、願いを乗せて飛んで行くしかない。
 高校時代はズレていたのか、論語、孟子を熱心に自習した。信、義、礼、智の徳目を実践していた。花の東京に進学したら、坂東武者の礼儀知らずや、蝦夷、熊襲の末裔の野蛮人ばかりの素行に気を失いそうになり、孔孟の学を捨てた。世の中は理屈通りに動いてないことを知った。以降、飯のために自分を偽りはしたものの、世の中に合わせようなどと思わなくなった。
 コロナ下でじっとしていると、晩酌だけが楽しみである。論語を読み返して、新解釈に至った。巻2「為政」の有名な「三十にして立つ」の個所は難しい話でなかった。
 1)吾、十五歳にして学に志す。―は、受験勉強があるから現代も変わらない。
 2)三十にして立つ。―は、大学受験に合格してからというもの、20代は放蕩三昧、飲んだくれてきてしまったのをハッと反省し、「立つ」というのは酒を「断つ」という意味であった。
 3)四十にして惑わず。―は、仕事上のお付き合いでまた飲み始めたけれど、若い時のように前後不覚にはならなくなったのである。
 4)五十にして天命を知る。―とは、量さえ飲めれば満足というのではなく、天狗舞大吟醸のような天下一品の酒に出遭った喜びを表している。
 5)六十にして耳順う。―というのは、酒は日本酒に限るとか頑固一徹にならず、飲む相手によって芋焼酎とか、泡盛、ビール、ウイスキー、ブランデー、ワイン、カクテルと、TOPを弁え、何でも調子を合わせて楽しめることができるようになった満足感を示している。
 6)七十にして心の欲する所に従い矩(のり)を超えず。―とは、肝臓に悪くないかなとか心配しなくても、好きなだけ飲んで度を過ごすことのない境地に至った自慢である。
 こう読むと論語も、親しみやすく、奥が深いことが改めて分かった。きょうは先生の言葉に得心が行ったので、いつもより1ランク上の「Teacher's」 SELECTにしようと思う。

学べども
処に合わず
時を得ず
ななそぢ過ぎて
時にへべれけ