コロナ禍のなかでソーシャル・ディスタンスを保ちながら選挙の投開票を行おうとすると、郵送による投票を採用せざるを得なくなり、今年の米大統領選も多くの地域でそれが取り入れられる見通し。CBSがフィラデルフィアで100人を無作為抽出して路上に私設メールボックスを置いて模擬郵送投票を実施したところ、届かなかったり、開票期限に間に合わなかったりして3%に不具合が生じたようである。誤差脱漏の範囲内どころではなく、前回のトランプ・ヒラリー両候補のような接戦になると勝敗を左右する票数である。負けた方が裁判で無効を争えば泥沼に陥る可能性がある。そもそもCBSが市民にアンケート調査したところ、同国の郵便サービス自体を信用していないとの声が聞かれた。日本の郵便(6178)はたまに年賀状が行方不明になることもあるけれど、グループの保険や投信と異なり、着実で信用が高い。大統領選に限定して制度を輸出し、請け負ってはどうだろうか。次回G7の折に安倍・トランプ会談の議題になってもよいと思われる。
今朝は電車の混み具合から見て、昨日より人出が多い感じがした。海を閉鎖する処がある一方、スポーツ観戦は条件付きながら門戸開放されているからかもしれない。腰に薄手のカーディガンを結び付ける女性の姿が見られ、向かう先が想像された。
うーん、わが家の東京五輪カウンターが「365」を指した。ということは、ちょうど1年後に東京オリンピック開幕が迫ったという事か。コロナ延期で1年多く待たされたけれど、焦らされた分だけ楽しみが倍加した。何かウキウキ、鼻歌が口を衝いて出てきそうである。期待に胸を膨らませて待つ気分を素直に表すには、『お正月』のメロディーが最適かな。
巡る盃影さして
老いては子に従えという諺があるけれど、老いても古老に従え、もまた真理である。コロナ自粛ですっかり運動不足が板について、最近は寝ると必ずこむら返りが起きて、七転八倒していた。アルバイト先の先輩に、寝るのが怖いと愚痴をこぼしたら、放っておくと脳梗塞になるかもしれないので、気を付けた方がいいと諭された。まず、水分を摂ることを勧められた。聞くと、水5リットルを日課としている人もあるそうである。災害及び夜の水分補給用に買い置いている500ミリリットルのペットボトルを10本も飲むとは驚きである。しかも、腎臓を患っているとかでなく、健康の維持のためとか。野村克也のシンキング・ベースボールではないけれど、シンキング・ライフを実践している人にはとても付いていけない。
それでも、頻尿と夜尿の心配を振り払って、いつもより多めに水を飲むことにした。失敗しても布団など乾かせば済むことである。お陰でこの2日、足が攣らなくなった。水足りて体健やかとは、人間の体は意外にシンプルで素直にできていると感動した。
大相撲7月場所をテレビ観戦していて、どういうカメラマンのサービス精神だったのか、仕切りの合間に女性観客の胸が大写しになり、張り具合と言いすごく形が良かったのに目を奪われたのと、匹敵する感動であった。やはり、素直に他人の言葉に耳を傾け、美しいものに目を向けることは、幸せを呼び込むことに結びつくと気が付いた。人の体の特徴をあげつらうのは名誉棄損に当たるとクレームを付けてきても、厚かましい人違いと撥ねつけるつもりである。
こう暑くて蒸し蒸しする日が続くと、2年前に喪った愛猫に逢いたい気持ちは衰えないけれど、エアコンをめったにつけない夏の過酷な環境の中で呻吟していた姿を思い起こすと、この時ばかりはそっちの方が快適やろ、とわずかに慰められる。今日始まった Go To キャンペーンを利用して逢いに行きたいけれど、海外旅行から帰国する数日前に姿を消したあと、住所も知らせてくれない。
一期一会は言葉の知識を納得しても大した意味を持たず、体感してやっと骨身に染みるけれど、その時はもう無用であった。母親に先立たれ、みゃー太ちゃんに先立たれても、コロナを生き延び、思い出の中に命を引き継ぎ、断ち得ぬ繋がりの報告書を天に届ける役目を全うするだけである。
こう暑いと下界のことに何の興味も起きないけれど、大リーグ・レッズに移籍の秋山翔吾がタイガースとのオープン戦で3ラン・ホームランを打ったというニュースは嬉しいな。イチローを彷彿させるくらいの活躍を期待したい。
酒ばかり
命の水と
思ひしに
からだに効くは
真水なりけり
近隣農家の野菜直販もいよいよ今週限り。スーパーで買う枝豆より、やはり採れたての生産直売品は味にぐっとコクがあって香りもして、全然旨みが違う。トマトのもぎたての破裂感は言うに及ばず、トウモロコシの歯応え感も堪能させてもらった。早い畑ではキビ畑がもう刈り取られているところもある。そこの零れた実をついばみに山鳩や雀、鴉が下りてくる姿は、何事も無駄にしない自然の循環を感じる。あとは鋤き込むのか、焼き畑にするのか、煙が漂ってくるような気がする。
というわけで、今日の英単1日1語は、「煙でいぶす」意味の《 fumigate 》にした。使ったのは米民主党議員のナンシー・ペロシ下院議長。米下院議長と言えば、大統領が職務不能となれば、副大統領に次いで大統領権限を継承する超重要ポスト。党派的に当然であるけれど、トランプ大統領に極めて厳しい姿勢を取るところは男勝り。毎年恒例の議会で行う大統領一般教書演説で今年、トランプ大統領が読み上げた後、渡されていた教書コピーを下らないと破り捨てた武勇伝を持つ。トランプ氏が再選を目指す今秋の大統領選で、コロナ騒動を受け感染防止のため、各州によって郵送による投票を採用する動きがある。これに対しトランプ大統領は、投票場で本人確認して投票しなければ不正が起きる恐れがあると反対している。このためメディアの気の早い関心は、11月3日投票の大統領選でトランプ氏が敗北した場合、結果を受け入れるかどうかが焦点となっていて、拒否して居座るのではないかとの憶測もある。そんなややこしい事態になればどうなるのか、ペロシ議長はきっぱり;
There is a process. It has nothing to do with if the certain occupant of the White House doesn't feel like moving and has to be fumigated out of there because the presidency is the presidency.
---米ニュース専門放送局MSNBCのインタビューに、このように答えている。「粛々と進む。ホワイトハウスの現住者が引っ越したくないと思っても関係ない。任期は任期なのだから、そこから燻り出すしかない」とニベも無く、辛辣な物言いである。「 fumigate 」なんて初めてお目に掛かった英単語なのでニュアンスは分からないけれど、辞書によると、ゴキブリ駆除のため燻蒸消毒する際などに用いるとあるので、「立ち退く」「引き払う」といった一般的な意味の《 vacate 》より、お邪魔虫感が強いと思われる。
「 fumigate 」に似た単語に「 fugitive 」がある。米テレビドラマ『逃亡者』の原題、『 The Fugitive 』として覚えている。妻殺しの疑いを掛けられた医師キンブルが真犯人を求め、執拗な刑事ジェラードの追跡から逃れながら、真相を追究する人気番組だった。主演のデビッド・ジャンセンがいつも内向きに困ったような顔をして渋かった。映画も見たけれど、こちらはハリソン・フォード主演に、刑事役がトミー・リー・ジョーンズと、日本ファンにもお馴染みの顔触れだった。同じ困った顔でも、きりりと引き締まったハリソン・フォードだと結局はうまく切り抜けられるだろうという安心感が漂う一方、伏し目がちのデビッド・ジャンセンはあんなに弱っているのだから見逃してやってよというハラハラ感が強く、ジャンセンに軍配を上げたい。
そんな「逃亡者」のようなハラハラ感が再現されるのか、、秋の米大統領選の結果がドラマ並みに日本においても楽しみである。
刈り取りし
夏の畑の
おこぼれを
鳥がついばむ
糧を分け合ひ