いやはや困ったものである、金木犀。散歩道がぐじゃぐじゃになってしまった。良い香りが漂う方に誘われると、いつもの散歩コースを踏み外し、迷子になりそうになった。花期は短く、束の間の至福のチャンスである。躊躇することがあろうか。「たんたん狸の金たま」という歌を思い出した。「風に揺られてぶーらぶら」と歩みを進めと、方向感を失った。そもそも金木犀が誕生花に指定されているのは10月6日であるのに、当日は1輪も開花を確認できなかった。地球温暖化のせいなのか、今年は秋に入っても夏の暑さだったので、咲きそびれたのだろうか。ところが昨日夕方の散歩で、出足から鼻にぷーんとご近所の金木犀がお目見えの挨拶をしてくれた。すると彼らの兄弟姉妹、叔父叔母、両親、祖父母、親戚、赤の他人らが一斉に顔を綻ばせたものだから、散歩が忙しくて仕方なくなった。あっちからプンプン、こっちからプンプンし、そのたびに脇道に入ったり、小高い丘を登ったりするものだから、早くも腕時計から1万歩達成のチャイムが鳴った。
こんな詰まらない日誌でも、著名人の目に留まることがある。東京五輪のマラソンで死者を出さないため、熱暑の東京でなんて走らせないで、激走の連想から北海道は網走に開催地を変更したらどうかとだいぶ前に提唱したら、IOCが札幌開催の検討を昨日発表した。また、老人性乾皮症で指がカサカサになって尖ったものが摘まめないくせに、スマホ画面だけは指の脂で汚れてフリックし辛くなると昨日訴えたら、グーグルがすぐ反応して、手をかざして操作できるスマホ新製品(「Pixel4」と「Pixel4 XL」)をきのう発表した。
神戸市東須磨小の教員室は一体どうなっているのだ。富士山のように監視カメラを付けて常時ネット中継した方が良いのではないか。報道によると、同僚教師の男女に性行為を強要し、その写真を送って見せろとはどういう了見なのだろうか。トンボのとか、犬猫のはたまたま出くわすことはあるけれど、人間の他人様のそうした行為など見たことがないぞ。どんなだろう。想像するだに卑しい。ただ、私だって弱い人間だから、強要されれば仕方なくか進んでか、やってしまうかもしれない。その場でその局面に立たされた時、どういう勇気ある態度を保てるか自信が無いので、安易に他者を非難することは慎みたいと思う。
これより酷いのが、千曲川をはじめとした全国河川の堤防決壊被災地域の惨状である。天を恨んでも仕方ないとは、口が裂けても言えない。菅原道真や崇徳上皇の怨霊を畏れた迷信時代の政府でも、加持祈祷以外に民生安寧のために真剣に取り組んだと歴史の勉強で学んだ。今は社会保障費に負けるかもしれないけれど、近世以降、政府が軍備と並んで最大の予算を注ぎ込んだ土建行政に微塵の進歩も見られないのが悲しい。税金を吸い上げて無知で非効率な行政に仕事を委託しなくても、国民が自主的に生活防衛した方が効率的でパフォーマンスが高いのではないかと思われる。
ダム大事 下流にながす 向かふみず
泥にまみるる 民草憐れ