ロシアがウクライナへの侵略戦争を始めてもう1カ月半も経つ。襲撃、惨殺された犠牲者の霊はいくら弔っても浮かばれる筈もなく、侵略、襲撃地の惨状は目を背けざるを得ない酷さである。こんな狂気の蛮行は人間の平衡感覚があるなら、すぐに浄化作用が働いて、1カ月もすれば独裁専制者を弑する動きがあることを期待していたけれど、前線一兵卒に至るまで狂気が伝染し切っており、国民全般も正邪を見る目を失い、暴君を盲信して圧倒的に支持してるとは、憔悴、落胆の極みである。民族全体が人類の害虫に見えてくる。この人類の危機を泳ぎ回って、自らの利権に結びつけようとする民族、国家は他にもいるけれど、取り敢えずはロシアの暴虐をどう封じ込めるかが喫緊の仕事である。盗人にも三分の理とは言うけれど、今は人間の生き方の土台が揺らいでいる時なので、そんな屁理屈に構っていられない。警察も法律もない正味力勝負の世の中にしてくれるなら、又と無い大きなチャンスなので有り難いけれど、勝負に出た途端に逮捕というなら、鵺のような独仏やNATOなどに頼らないで、国際社会は筋の通った裁きに邁進すべきである。
山野跋渉の道先で、二輪草自生地の囲いに出遭った。もう1カ月以上楽しみに歩いているけれど、雑草ばかりで一向に兆しが表れない。呼び名の音ばかり可憐で、まだ見ぬ人を待ち侘びる古えの恋をしている気分である。
寄り添ふて
ひそと咲くてふ
二輪草
かたかた鳴りき
風呂帰る道