きょうは花まつり・灌仏会で何かと春の盛りを祝いたい気分になる日。孫の高校入学式でもあったし、沖縄ではシーミー(清明)祭の季節で亀甲墓に参って親戚一同賑やかに顔を合わせているのだろう。棺桶に片足突っ込んだ自分には、今年も忘れずに異界の友が訪ねてくれた。もう何年経つか、4年前に亡くなった愛猫ミャー太がまだ元気な頃、散歩に連れて出ると、姿の鮮やかな雉に出くわした。抱いているミャー太が興奮して大喜びした。それ以来、大体毎春のこの時季になると、場所は変わっても見掛けるようになった。ここ1週間、去年見掛けた畑を注意深く見回していたら、やっぱり姿を現してくれた。番いでくる年もあったけれど、今年は1羽きりであった。さすが、我が国の天空を支配する王者の鳥だけあって、こちらがゴソゴソ近寄っても動じず、畑の餌を啄んでいた。美しくかつ風格があった。
満足して歩いていると、今度は林の中の二輪草自生地で開花が始まった。冬からずうっと気にしていて、昨日も一向にその気配がなかったのに、雉とともに花姿を現してくれた。甘茶でかっぽれ、みたいな佳き日であった。
待ちをりし
雉の訪れ
今年また
出逢ふ喜び
赤頬青羽
幼な女が
髪を靡かせ
遊ぶごと
清げに笑まふ
二輪草花