天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

大和心

2022-06-04 15:55:45 | 日記

 6月4日は誰に聞かなくても語呂で分かる「虫の日」。天気不順で干した布団が濡れたり、こちらは虫の居所が悪い。戦争と平和など語る資格のないロシアの阿漕な侵略戦争や、9・11同時多発テロより犠牲者が上回るのではないかと思われる銃乱射事件が相次いでも銃規制に消極的な米国社会の不健全性など、腹の虫が治まらないことがいっぱいある。国内に目を向けても、国権の最高機関トップの色情的な振舞いの噂や、高級公務員による持続化給付金詐取など、蒸し暑い梅雨時の鯛のように頭から腐ってきている。こんな日本に未来はないと、出生数が昨年は81万人と、6年連続で減少したという。これでは平均寿命が90歳に延びたとしても、90年後の22世紀には日本人口が7200万人に縮小する計算になる。第1回東京五輪後の高度成長期の1960年代後半に1億人台に乗せ、2008年に1億2800万人のピークを付けた後は概ね減少傾向にあるけれど、これと比べて5千万人もが行方不明となり、総人口7千万人に萎むと国家体制が江戸時代並みに激変しているだろう。
 山梨県の少女行方不明事件については、気楽に言及して関係者から訴えられるのは避けたいけれど、本人が居ないのに、山中から出てきた何かの骨の成分と照合して一致したとか、錬金術師みたいなDNA科学は全く信用ならない。NHKの趣味どきっ!番組の『Mr.マリックの誰でもマジック』でも、巧みな指さばきで視聴者を不可思議驚異の世界に引きずり込んだけれど、ポカーンとしたままには終わらせず最終回には、きちんと種明かしをしてくれた。衣類なのか毛髪なのか爪なのか美咲さんの何と、落ちていた骨の成分とが分析一致したのか、誰でも分かり易く説明するのが警察と報道機関の責務ではないのか。小説のタイトルの『桐島、部活やめるってよ』みたいに、軽く結論を出して伝聞のまま放置していてよいのか。それでは、続編が「警察、捜索やめるってよ」に終わってしまうことになる。54年前の東京都府中市の3億円強奪事件なら、もしどこかで3億円が発見され、盗まれた物と照合して札ナンバーが一致したなら、一件落着と言ってよい。しかし、DNAにお札の番号が書いてあるのか? そんなに自信があるなら、その”番号”を公開して説明すべきである。
 四方を見て、世の中は不信感の種ばかりであるけれど、『開運!なんでも鑑定団』の録画を見て、ラジオ深夜便の誕生日の花「睡蓮」の花言葉「清純な心」も生きているものだと感銘した。皇女和宮(かずのみや)の降嫁の話だった。幕末の孝明天皇の妹和宮は6歳の時、皇族名家の有栖川宮熾仁(たるひと)親王17歳と婚約した。しかし、幕末動乱の政治的配慮により公武合体の証として、14代将軍徳川家茂と14歳の時に結婚し、江戸城の人となった。この辺りは最後に見たNHK大河ドラマ『篤姫』で堀北真希が演じていて可愛かった。お宝は、許嫁を横取りされた熾仁親王が和宮に宛てた手紙が残っていたという、心揺さぶられる新発見である。出品者は京都の女性で、祖父の遺品を整理していたら見付かったという。有栖川宮家に仕えていた人から、祖父が貰ったものだそうである。手紙は、「夢の心地して、嬉しくもまた恥づかしくも、思ひ続けて」との詞書のあと、5首の和歌が綴られていた。内容は、「にしひがし みやこはいかに 隔つれど 隔てぬものは 思ひなりけり」と、すべて恋慕を詠ったものであり、ラブレターであった。その送り主が、「#宮さん宮さんお馬の前にヒラヒラするのは何じゃいな。♪ #あれは朝敵征伐せよとの錦の御旗じゃ知らないか♪」と歌われた、江戸進軍の東征大総督(明治新政府総裁)だったとは皮肉。「ただならぬ 身とは知れども 梓弓 ひき返したき ありし昔に」とは、正にドラマであり、『篤姫』制作時にこれらの和歌が知られていれば、絶対に挿話に入れたかっただろう。世間は強欲と権謀の巷ばかりでなく、乱に居て愛を忘れない大和心の神髄を見たような気がした。