天愛元年

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新元号『天愛』元年にスタート

パリティ回復接近

2022-10-26 16:04:16 | 日記

 ロイターの記事で興味深いのがあった。英国のEU離脱とトラス政権の超短命は、栄光の大英帝国と現在の地位低下との折り合いが付けられていない象徴であると言うのである。ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた栄光時代を忘れられず、中国、韓国に対し強硬姿勢を貫く一方、金融緩和の一本槍で停滞経済を立て直そうとした安倍長期政権の帰結が、今の構造的円安を招いたのと鏡写しに見える。政治と経済を遮断するわけにいかず、政冷経熱の特殊関係は長くは続かないし、国際協調なくして国際経済機構に組み込まれた一国の経済繁栄を図れないことが、ここ数十年の経験で身に染みて分かったはずである。全くこの理屈を解していない者が、ロシアの侵略戦争のような愚劣に突き進んでしまう。商人間のネットワークのみではエゴに傾いて、国際協調が順調に図れない。それぞれの国のリーダーが我が身の事でなく、国の行く末を熟慮し、決断しなければならない。
 もう一つロイター記事によると、イタリアで新政権を発足させたメローニ首相が議会初演説で、ファシズムを否定し反民主主義政権に与しない姿勢を示すとともに、プーチンによる資源脅迫に屈せず、ロシアの侵略に徹底抗戦するウクライナ支援を続ける立場を表明し、無難な滑り出しを見せた。市場にも一定の安心感を与えたのか、7月に20年ぶりにパリティ(等価)割れしたユーロの対ドル相場が9月下旬以来のパリティ回復を窺う状況となっている。為替相場は貿易収支や金利差といった経済的ファンダメンタルズだけでなく、政治への信頼も大きく関わっていることを、為政者諸氏は肝に銘じなければならない。