チーム4問題については、何度か取り上げたけど、基本つまみ食いの消化不良に陥ってたように思う。それだけ難しいというか、AKBGの根幹に関わる問題が絡んでると思うんだけど、ちょっと前にNMB関連について書いてて、あれ、これってチーム4と似てる、そう感じたことがいくつかあったんで、そっちの切り口で書いてみようと思う。
NMBの問題点とは、ぶっちゃけ山本さんと渡辺さんが突出してること、「非選抜アイドル」が示唆するようなレベルでの共同体化に至っていないこと、ここに帰結するように思う。
もう少し噛み砕くと、AKBの場合、それぞれのチームはもちろんのこと、チームを超えてAKBとして共同体化してる、共同体意識を共有してると考えられる。だから例えば、困難に当たる場合の強靱さが違う。何事に付け個人ではなく共同体として、組織的に当たれるので、個々人が孤立することがない。一人一人はか弱い女の子であっても、それがしっかりスクラムを組むなら、無敵にすらなり得るし、実際そうなってると言えると思う。
けれども、NMBはその域には達していない。山本さん、渡辺さんの二人について行くのに精一杯で、それははっきり能力差であり、上下関係であって、それ以上ではない。そこには明確な共同体意識の共有はない。そうなるとグループとして、組織として問題に対処するということはなくなり、個々人として様々な現実に立ち向かうことになり、脆弱性を孕んでしまうことになる。事実、NMBは安定性を欠いているという現状理解で間違ってないと思う。
これを地方と中央という枠組みで捉えてる向きもあるようだけど、そしてそういう側面を否定するものでもないけど、卒業者の状況や理由付けを眺めるだけでも、AKBとの違いは際立ってるんじゃないかと思う。個別の話は避けるけど、これを外仕事の多寡とかだけで考えるのは、片手落ちだと思う。
同様の問題はSKEでも相似形なわけで、ただSKEの場合には、隠されてもいないだろうAKBへのライバル意識、さらに言うなら「アンチAKB」の気概があって、それが裏返しの共同体意識のようなもの、紛い物なんだけど、それでも仲間意識の裏付けのように機能して、これが一定の安定性に寄与していたんじゃないか。
けれども、こういうアンチの意識というのは、モチベーションとしてはこれまた脆弱というか、持続が難しいものであり、そういう意味では、今回の「紅白単独出場」という達成感の後が怖いと言うか。この辺り、決して予言とか予想とかではないんで、物騒な話に立ち入る前に、SKEの話はここまで。
チーム4問題に話を戻す。9期生以降だけでチームを組むことにした、その最大の理由は、シンプルにSKEやNMBなんかと同様のスタートラインでの、7期生までのAKBとは独立した、新AKBを立ち上げる、そんなことを目論んだんだろう。モーニング娘。が格好の前例になるけど、言わずもがなの世代交代問題が目の前に突きつけられていた訳で、インサイダー的な世代交代の困難さを目の当たりにして、7期生までの第一期AKBに対し、1からスタートする第二期AKB、新生AKBを立ち上げる、そんなアウトサイダー的な方法論を試してみた、そういうことなんだろう。
けれども、そこには運営サイドの勘違いがあったんじゃないか。「第一期AKB」は確かに成功したけど、それは結果論であって、実際にはいくつもの運を掴み取って、奇跡を成し遂げた、その果ての結果だった。確かに9期生は才能に恵まれた粒ぞろいだったし、初期AKBを見てきた目からすれば、素材は遙かに優れてるんだから、同等以上に育ってくれるはずと目論んだ。けれどもそうはならなかった。
たぶん、運営としてはできる限りのことをしたんだろう。黎明期から苦楽を供にして来たんだし、「第一期AKB」のすべてを知り尽くして来たはずなんだし、試行錯誤の連続だった「一回目」に比べれば、その運営の手際は遥かに優れていたに違いない。けれども、チーム4と言う名の「第二期AKB」は、思い通りには育ってくれなかった。能力的により優れた人材を集め、より洗練された指導を行い、より恵まれた環境に置いてやっても、うまく花は咲かなかった。
なぜか。答えは最初から分かってたはず。秋元康が繰り返し言うように、いかに才能に恵まれていようと、いかに努力を尽くしても、運がなければ成功できない。そしてそんな運を掴み取るために、もっとも重要なことが「試行錯誤」、もっと言うなら「失敗」そのものだったということ。
「試し」ということを何度か書いたし、これはどうしてもプロテスタント的な概念になってしまうけど、ここで言う「運」が正に予定律的なものなんで、そこは避けようがない。試さなければ1ミリ先の未来には辿り着けない。けれども試しが漆黒の闇の一歩先を探る行為である以上、そこには無数の失敗が積み上がることになる。実際に「第一期AKB」はそんな歴史を辿った。そんな中、前田さん、高橋さんという「運」を持ったメンバーが立ち現れた。
試行錯誤の末に成功を勝ち取った、後付けで見ればそういう説明に陥りがちだけど、実際に起こったことはたぶん違う。予定律的に「運」を持って生まれたものが、まさにその「運」を掴み取って見せた。前田さんという類い希な突破者と、高橋さんというやはり類い希な結節点が、たまたま同じグループに集った、そんな奇跡の連続が、AKBという成功を成し遂げたんだと思う。だから当然のことなんだけど、そんな奇跡は二度と起こらない。チーム4がいかに優れていようと、恵まれていようとも、花咲くことはない。予定律とは、「運」とはとことん残酷にできてる。
「運」は因果律の世界ではない。だから再現性がない。この事実を、けれども人はどうしても受け入れられない。だから、ちょっと勇み足になるけど、秋元康の如く「チャンスの順番」という表現で噛み砕こうとする。夢よもう一度とばかり、「第一期AKB」の再現を目論んで、チーム4という形で試してみる。そういうことなんだと思う。けれども現実はいかんともしがたい。そんな「運」を持った人間が都合良く排出するわけもなく、ただ冷酷な現実を突きつけられるのみ。そして、チーム4のみならず、SKEもNMBもまた、同様の状況に追い遣られて行く。
最高レベルの才能に恵まれた山本さんや渡辺美優紀さんが、AKB選抜に入っても埋もれてしまうというのも、理由はここにあるんだろうと思う。AKB共同体の精華である選抜にあって、支店メンバーの階梯はどうしても下位にならざるを得ない。能力とかに関係なく、その共同体意識は、それぞれの背後に控えるSKE、NMBとの絡みがあるため、どうしても不完全なものとなってしまう。必然的に下位に置かれてしまう。
チーム4が解体された理由も正にこれだろう。結局、第一期AKBに起こった奇跡は、前田さん、高橋さんという個人が担った「運」だったのであり、それが一度切りのものである以上、その事実を認めて、あらためて仕切り直しでその「運」の元に加わるしか道はない。その前田さんがファーストラビットとして、さらなる高みに放たれる時、だからこそ高橋さんは総監督となった、そういうことなんだと思う。
長くなったんでこれはこれにて。
NMBの問題点とは、ぶっちゃけ山本さんと渡辺さんが突出してること、「非選抜アイドル」が示唆するようなレベルでの共同体化に至っていないこと、ここに帰結するように思う。
もう少し噛み砕くと、AKBの場合、それぞれのチームはもちろんのこと、チームを超えてAKBとして共同体化してる、共同体意識を共有してると考えられる。だから例えば、困難に当たる場合の強靱さが違う。何事に付け個人ではなく共同体として、組織的に当たれるので、個々人が孤立することがない。一人一人はか弱い女の子であっても、それがしっかりスクラムを組むなら、無敵にすらなり得るし、実際そうなってると言えると思う。
けれども、NMBはその域には達していない。山本さん、渡辺さんの二人について行くのに精一杯で、それははっきり能力差であり、上下関係であって、それ以上ではない。そこには明確な共同体意識の共有はない。そうなるとグループとして、組織として問題に対処するということはなくなり、個々人として様々な現実に立ち向かうことになり、脆弱性を孕んでしまうことになる。事実、NMBは安定性を欠いているという現状理解で間違ってないと思う。
これを地方と中央という枠組みで捉えてる向きもあるようだけど、そしてそういう側面を否定するものでもないけど、卒業者の状況や理由付けを眺めるだけでも、AKBとの違いは際立ってるんじゃないかと思う。個別の話は避けるけど、これを外仕事の多寡とかだけで考えるのは、片手落ちだと思う。
同様の問題はSKEでも相似形なわけで、ただSKEの場合には、隠されてもいないだろうAKBへのライバル意識、さらに言うなら「アンチAKB」の気概があって、それが裏返しの共同体意識のようなもの、紛い物なんだけど、それでも仲間意識の裏付けのように機能して、これが一定の安定性に寄与していたんじゃないか。
けれども、こういうアンチの意識というのは、モチベーションとしてはこれまた脆弱というか、持続が難しいものであり、そういう意味では、今回の「紅白単独出場」という達成感の後が怖いと言うか。この辺り、決して予言とか予想とかではないんで、物騒な話に立ち入る前に、SKEの話はここまで。
チーム4問題に話を戻す。9期生以降だけでチームを組むことにした、その最大の理由は、シンプルにSKEやNMBなんかと同様のスタートラインでの、7期生までのAKBとは独立した、新AKBを立ち上げる、そんなことを目論んだんだろう。モーニング娘。が格好の前例になるけど、言わずもがなの世代交代問題が目の前に突きつけられていた訳で、インサイダー的な世代交代の困難さを目の当たりにして、7期生までの第一期AKBに対し、1からスタートする第二期AKB、新生AKBを立ち上げる、そんなアウトサイダー的な方法論を試してみた、そういうことなんだろう。
けれども、そこには運営サイドの勘違いがあったんじゃないか。「第一期AKB」は確かに成功したけど、それは結果論であって、実際にはいくつもの運を掴み取って、奇跡を成し遂げた、その果ての結果だった。確かに9期生は才能に恵まれた粒ぞろいだったし、初期AKBを見てきた目からすれば、素材は遙かに優れてるんだから、同等以上に育ってくれるはずと目論んだ。けれどもそうはならなかった。
たぶん、運営としてはできる限りのことをしたんだろう。黎明期から苦楽を供にして来たんだし、「第一期AKB」のすべてを知り尽くして来たはずなんだし、試行錯誤の連続だった「一回目」に比べれば、その運営の手際は遥かに優れていたに違いない。けれども、チーム4と言う名の「第二期AKB」は、思い通りには育ってくれなかった。能力的により優れた人材を集め、より洗練された指導を行い、より恵まれた環境に置いてやっても、うまく花は咲かなかった。
なぜか。答えは最初から分かってたはず。秋元康が繰り返し言うように、いかに才能に恵まれていようと、いかに努力を尽くしても、運がなければ成功できない。そしてそんな運を掴み取るために、もっとも重要なことが「試行錯誤」、もっと言うなら「失敗」そのものだったということ。
「試し」ということを何度か書いたし、これはどうしてもプロテスタント的な概念になってしまうけど、ここで言う「運」が正に予定律的なものなんで、そこは避けようがない。試さなければ1ミリ先の未来には辿り着けない。けれども試しが漆黒の闇の一歩先を探る行為である以上、そこには無数の失敗が積み上がることになる。実際に「第一期AKB」はそんな歴史を辿った。そんな中、前田さん、高橋さんという「運」を持ったメンバーが立ち現れた。
試行錯誤の末に成功を勝ち取った、後付けで見ればそういう説明に陥りがちだけど、実際に起こったことはたぶん違う。予定律的に「運」を持って生まれたものが、まさにその「運」を掴み取って見せた。前田さんという類い希な突破者と、高橋さんというやはり類い希な結節点が、たまたま同じグループに集った、そんな奇跡の連続が、AKBという成功を成し遂げたんだと思う。だから当然のことなんだけど、そんな奇跡は二度と起こらない。チーム4がいかに優れていようと、恵まれていようとも、花咲くことはない。予定律とは、「運」とはとことん残酷にできてる。
「運」は因果律の世界ではない。だから再現性がない。この事実を、けれども人はどうしても受け入れられない。だから、ちょっと勇み足になるけど、秋元康の如く「チャンスの順番」という表現で噛み砕こうとする。夢よもう一度とばかり、「第一期AKB」の再現を目論んで、チーム4という形で試してみる。そういうことなんだと思う。けれども現実はいかんともしがたい。そんな「運」を持った人間が都合良く排出するわけもなく、ただ冷酷な現実を突きつけられるのみ。そして、チーム4のみならず、SKEもNMBもまた、同様の状況に追い遣られて行く。
最高レベルの才能に恵まれた山本さんや渡辺美優紀さんが、AKB選抜に入っても埋もれてしまうというのも、理由はここにあるんだろうと思う。AKB共同体の精華である選抜にあって、支店メンバーの階梯はどうしても下位にならざるを得ない。能力とかに関係なく、その共同体意識は、それぞれの背後に控えるSKE、NMBとの絡みがあるため、どうしても不完全なものとなってしまう。必然的に下位に置かれてしまう。
チーム4が解体された理由も正にこれだろう。結局、第一期AKBに起こった奇跡は、前田さん、高橋さんという個人が担った「運」だったのであり、それが一度切りのものである以上、その事実を認めて、あらためて仕切り直しでその「運」の元に加わるしか道はない。その前田さんがファーストラビットとして、さらなる高みに放たれる時、だからこそ高橋さんは総監督となった、そういうことなんだと思う。
長くなったんでこれはこれにて。