AKB48の旅

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「to be continued」「1ミリ先の未来」ブルーレイ

2013年06月23日 | AKB
「to be continued」と「1ミリ先の未来」は、AKBにのめり込むきっかけの一つになった作品なわけで、だから当然、これを最初に見た時は、AKBについて何も知らなかった。なので、たくさんの勘違いや理解不足、誤解を積み残してしまい、その後再見する度に、新たな発見と間違いの修正の山を築くことになった。

今回はそれに加えて、SD画質からHD画質という違いがあり、もちろん私のAKB理解も多少は進歩してるはずであり、その両方からの見え方の違いがあるはずだと思って見たけど、実際、予想通りというか、むしろ予想外の感想を新たに持つこととなった。

まず思ったのが、ああ、みんな若いな、初々しいな、あたり。別人とまでは言わないけど、まるで違うみたいな。ここに流れる映像はほぼ2010年のものであり、わずか3年前なんだけど、すごく昔のように感じられた。

けれども、見続けてくうちに、いつの間にかまったく逆の感想に変わっていった。ああ、みんな今と同じだな、人というのは変わらないものなんだな、そういう感じ。なんか、根本的なところ、変な表現になるけど、「魂」のようなものの揺るぎなさとでも表現すれば良いのか。

表面的には、たぶん物理的な時間としての3年分以上に齢を重ねた、確かに年を取った。けれどもその内面からにじみ出るものは変わらない。とりわけ「to be continued」でフィーチャーされているメンバー、つまりは選抜メンバーには、変わらない揺るがない「魂」の輝きがある。

もちろん、監督の意図がそれをこそ表現したかったから、というのは理解してるつもり。HD画質で見ることで、そんな監督の編集意図がよく分かったような気がする。けれども、監督がそういう意図を持ったのは、正にこの「魂」の存在を目の当たりにしたからだろうとも思う。

一例、横山さんがなぜ飛び出してきたのかが、この作品中で存分に描かれている。横山さんが上位メンバーと同じ「魂」を持っており、それをメンバーみんなが感じてる。横山さん本人には、この時点でまだその自覚はないけど、2013年現在の横山さんに、その自覚があるのは明らか。

敢えて説明を放棄して「魂」というカッコ付きの言葉での表現にこだわるけど、この「魂」を持つ者と持たない者がいる。揺るぎなく持つ者だけが、上位へと上がってくる。AKBファンは意識してか、それとも無意識的になのか、この「魂」を見つめていることになる。

本作品中では、さっしーがまだ空気なんだけど、それでも「1ミリ先の未来」のほんのワンシーンに、さっしーが自らの「魂」の片鱗を窺わせるシーンがある。一方で、「to be continued」の方では、ほとんど田舎の不良女子高生のような表現になっていて、監督の目からは、さっしーには「魂」はないように描かれてる。

この辺りが面白いというか、この「魂」は獲得され得るものなのか、それとも生まれつき決まっているものなのか。AKBの実情を見る限りは、生来のもののように思われるし、さっしーの「歴史」を振り返るなら、それは隠されているけど、ふさわしい環境に置かれることで、花開く才能のようなものなのかもしれないとも思う。

そして話は変わるけど、もう一つ。HD画質になることで、前田さんの美しさが際立つ。決して美人顔ではないと思うし、実際、世評もそうなんだけど、それでもとにかく見入ってしまう。どうしても、美しいという以外の表現を思いつけない。やはり一人だけ異質な何か、それこそ「絶対的スター属性」を一人だけ持ってることを再確認した感じ。

今回、HD画質で見たことと、それなりに私のAKB理解が進んだこともあってか、「to be continued」の評価を大きく変えることになった。これまで作られた「DOCUMENTARY OF AKB48」の中で、この「to be continued」が、AKBという存在の本質をもっとも真摯に描き切っており、3作の中でぶっちぎりでよいできだと思う。