◇ 台風18号の影響で延期されましたが 現地調査と技術委員会は9月23日(土)開催(2017年9月20日)
(2017.09.13 追記)この件はリニア新幹線事業との関連で関心を持ったので別記事、福井の新幹線トンネル工事で地上のグラウンドが深さ8m陥没 で継続しています。ポイントは地域行政の対応と情報公開・共有のスタンスです。
◇ 福井県あわら市 | 新着情報
◇ 福井県 | 報道発表資料
リニア新幹線事業への教訓として、地元紙からの報道と地域行政の対応を確認してみました。
◇ 福井新聞
◇ 中日新聞・日刊県民福井
鉄道整備・運輸施設整備支援機構によると、油圧ショベル3台、10トンダンプ4台と作業員14人体制で、午前11時20分から作業を開始。穴に落ちた側溝などの残骸を重機で取り除いた後、トンネル掘削土の仮置き場の土砂約1500立方メートルを使って埋め戻していった。作業は夜間も続け、10日夕方には終える予定。
トンネル工事では坑内と地上を一日数回、レーザーによる計測システムなどで沈下などがないかチェックしてきた。機構では、事故後に新たな数値の変化はなく、9日朝の時点でも崩落箇所以外の坑内の吹き付けコンクリートに、剥落やひび割れなどの異常も確認できないことから「崩落箇所以外の安全は確保されている」と判断している。
また、柿原トンネルの工期(2020年3月完成予定)への影響に関しては「早急に復旧、原因究明し再開したい」とするにとどめながらも、2023年春ごろを見込む金沢-敦賀間の開業スケジュールに「現時点で影響はないと考えている」とした。
埋め戻し後は、再発防止策や原因究明へ学識経験者らに意見を求め、検討を進めていく方針。(中田誠司)
福井県あわら市柿原で建設中の北陸新幹線柿原トンネルで8日に崩落が起きたのはちょうど、夜勤の作業員が現場から引き上げる時間帯だった。建設会社の担当者は表情をこわばらせ、「作業中だったら生き埋めになっていた」。直径約15メートルにわたって陥没した柿原グラウンドは、野球の小中学生チームが日常的に使っており、保護者ら住民は「一歩間違えれば大惨事になっていた」と声を震わせた。
グラウンドは、野球のバックネット付近から三塁側にかけての地面がぽっかりと口を開け、異様な光景を見せた。陥没部から北東側十数メートルにある鉄棒に向けてもトンネルに沿って地面がくぼみ、グラウンド全体が立ち入り禁止になった。「詳しい原因は伝わっていない」と堅く口を結ぶ見張りの作業員。規制線手前にある高台の駐車場からも、穴の底は全く見えず、陥没規模の大きさをうかがわせた。
工事関係者によると、トンネルの掘削作業は、建設会社3社の共同企業体(JV)が、午後7時~翌日午前5時と午前8時~午後5時の2交代制で行っていた。崩落したのは、作業の中心となるトンネルの先端部付近。作業員は避難して無事だったが、午前5時45分ごろの発生時刻がずれていれば、死傷者が出ていた恐れもあった。現場付近は6月にあわら市細呂木小の児童が見学で訪れ、7月にも住民向け見学会が行われていた場所だという。
午前6時40分ごろに現場所長から報告を受けた柿原区の酒井敏雄区長(68)は驚いた様子で「早急に原因と対応策を住民に説明してほしい」。近くに住む男性(76)は「陥没時は大きな音はなく気づかなかった。穴が思った以上に大きくて驚いた」と怖がっていた。
柿原グラウンドでは週末の10日、金津地区の少年野球チームが練習試合を予定していた。このチームに小学6年の選手がいる母親は「普段使っているグラウンドが使えず、代わりに予約していた。もしそのときに重なっていたらと思うと…」と言葉を詰まらせた。
柿原トンネルでは、JVと嶺北あわら消防署が1日に事故対応訓練を行ったばかりだった。安全管理の徹底を訓示した現場所長は、この日、終始無言を貫いた。訓練を見守った同署の土田照章署長は「工事はしっかりしているとの印象だっただけに残念極まりない。1日も早く原因を究明してほしい」と話した。(2017年9月)8日午前5時45分ごろ、あわら市柿原の北陸新幹線柿原トンネルの工事現場で、土砂崩落が発生し、トンネル上部にある柿原グラウンドが直径15メートルにわたって陥没した。内部には作業員5人がいたが、事前に上部のひび割れに気付いて避難し、無事だった。
トンネル工事を設計・発注した鉄道建設・運輸施設整備支援機構の大阪支社によると、崩落したのは同市柿原-高塚間の工区全長2530メートルのうち、金沢側坑口予定地から730メートル地点。8月25~29日に掘削し、断面に鋼材を埋め込んでコンクリートを吹き付けていた。崩落現場付近で金沢に向かって掘削していた作業員らが、後方30メートルのトンネル上部でひび割れを見つけ、退避した直後の事故だった。前日まではコンクリートのひび割れなどはなかったという。トンネルは楕円(だえん)形で横9・5メートル、高さ8・4メートル。崩落地点のトンネル上部から地表までは12メートルで、グラウンドには深さ8メートルの穴が残っており、1500立方メートルの土砂が崩れたとみている。
付近にはトンネル上部から地表までが3・5メートルの地点もあり、そうした地面の薄い部分は地盤改良をしていた。崩落場所は十分な厚みがある点やボーリング調査の結果から改良の必要はないと判断されていた。トンネルやグラウンドは、施工する前田・植木・西村JV(共同企業体)が立ち入り禁止とした。
同支社によると、これまでに同機構の発注工事で発生したトンネル事故は、北陸新幹線の飯山トンネル(22・2キロ)で2003年9月と2006年4月、東北新幹線牛鍵トンネル(2キロ)で2005年5月の計3回。いずれも施工中の崩落で負傷者が出た。大阪支社管内では初めてで、担当者は「早急に原因を究明し、復旧と再発防止に務めたい」と話した。近く学識経験者を交えた調査に乗り出す。
工事は昨2016年6月に始まり現在2百メートルを掘削、2020年3月の完成を目指していた。今後の工程への影響は現時点で判断できないという。橋本達也あわら市長は8日夕、安全対策と地元住民の安全確保、北陸新幹線の2022年度開業を同支社に電話で要請した。(北原愛)
北陸新幹線の飯山トンネルは長野県中野市での地盤沈下問題が生じている所です。住民の安全を重んじるなら「工期が延びても何よりも安全を」と要請するだけでよい。この市長コメントについては、朝日新聞は『あわら市の橋本達也市長は事故を受けて「たいへん遺憾だ。早急に原因を究明し、安全対策を精査するよう求める」とのコメントを発表した。』と報じました。さて、あわら市ホームページでは市長から市民に向けてどのようなメッセージが掲載されるでしょうか。マスコミが報じて公式発信がないとマスコミ情報だけが一人歩きする・・・
他都市の事例を教訓にリニア中央新幹線事業を進行させたい・・・ということで、政治・社会のカテゴリー記事。
この件はリニア新幹線情報ブログで詳報を整理します。
安全・環境を審査する自治体と工事に金を出す側が別のリニア中央新幹線の方がまだチェックが機能しているのではと思えます。
私は整備新幹線について全く無関心なので、40年前の全幹法から決められて来た事業計画が、実施検討段階でどのような審議がされ、環境影響評価がされたかも全く知りません。
地域自治体は受け身の立場に過ぎないたろうという事くらいは想像していますが、長野県発信情報を見ていて騒音問題や地盤沈下問題などについて、地域選出の国会議員がどの程度理解しているか。
彼等が全国目線に立った上で、自分達を選出してくれた地域が抱えている問題について、全幹法などに関わる法制、事業システムの改善を国会の場で提起してきたかどうか。
また、地域住民の立場に立つべき自治体がどのように可能な限りの対応をして来たか、
そういう問題の参考ケースとして今回のトンネル工事事案をリニア中央新幹線事業の参考にしたいと思ったのです。
人のふり見て我がふり直せ、自戒をこめていつも考えている事なのです。
>彼等が全国目線に立った上で、自分達を選出してくれた地域が抱えている問題について、全幹法などに関わる法制、事業システムの改善を国会の場で提起してきたかどうか。
出てきても個人の意見で終わるでしょう。なぜなら改善するにはこの条件じゃなければやらないといえるJRに採算性も安全性も無視してやらせることが可能な法整備と中央政府の強権が必要です。そして、改憲も当然必要でしょうし、下手すれば国家総動員法復活です。
だから、私は整備新幹線はリニア新幹線事業の参考にならないと思っています。それどころか、リニアに懐疑を抱くものは通常の整備新幹線については言及しないことが必要だと思っています。
ご意見の趣旨は理解できますが、新幹線騒音基準の70、75デシベルを許容せねばならない人々がいるなら、新幹線でメリットを得る全ての人々は、その我慢に対する応分の償いを負担する事も必要だろうと思っています。
それが新幹線建設段階で投入される国家財政負担か、運賃になるか、補助金を得て自治体負担の防音・防災になるか、分かりませんが、とにかく形にする事が政府、地域行政や議会議員の仕事だろうと思っています。