【追録その2 2019-08-23】

私は(長坂~八千穂)という区間設定について当初から「長坂」が気になっていました。ふと思い出して過日の記事を確認して自分が疑問に感じた元が確認できました。
山梨県内のチェーン規制区間の2か所 須玉IC~長坂IC は規制区間なのです。
災害にも備える意義がある中部横断自動車道ですから、今回の山梨県内区間は計画を白紙に戻したほうが良いと存じます。須玉IC から141号線と重なる区間を首都高速のように高架橋にした後は現行計画のルートになる。
【追録 2019-08-23】
全くのシロウト考えですが、国土交通省と環境省のやり取りから考えると、
今回の方法書及び説明会そのものが無効ではないか と私は感じました。
◇ 2014年12月26日 中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書(国土交通省) 【検討書 とは 環境影響評価制度の配慮書】
◇ 2015年03月05日 中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書に対する環境大臣意見(環境省)
◇ 方法書の 「第4章 都市計画対象道路事業の目的及び内容(事業特性)」 に以下の記載があります。
4-6-2. 計画段階環境配慮書以降環境影響評価方法書までの経緯
関東地方小委員会等におけるこれまでの検討結果を踏まえ作成した「中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響に関する検討書」(平成26年12月発行)を、環境影響評価法第3条の3 第1項の計画段階環境配慮書とみなされる書類として作成し、平成27年3月26日の国土交通大臣意見をもって、配慮書の手続きを完了しました。
その後、平成27年4月に対応方針が決定しました。
検討書は上記リンクのように確認できましたが、「平成27年3月26日の国土交通大臣意見」 は国土交通省サイトでは探し出せませんでした。この項には対応方針の決定後、長野県区間では住民を交えた行政活動が行なわれ1km ルート帯が決定した事が記録されています。山梨県区間についての記載はありません。
この手順に基づいた今回の方法書で、リニア中央新幹線事業と同様だと初めて知りました。公開中の方法書については環境大臣意見も参照して内容を確認するべきです。方法書を説明できるのは山梨県や長野県の職員では無く国土交通省の担当者だけだと思います。山梨県庁の公式ページ 中部横断自動車道(山梨県県土整備部高速道路推進課)には環境影響評価に関する情報は記載されていないと思います。
即ち、この方法書は国土交通省の名前で作成・公開され、説明も国土交通省によるものであるべき。検討書はタイトルの通りであり都市計画道路指定に関する記述は無い。それに対して意見を述べた環境大臣がこの「都市計画道路」としての方法書をどのように判断するか、山梨県、長野県は直接確認して県民に報告すべきです。(方法書タイトル参照)
◇ 環境影響評価法(電子政府の総合窓口)
自治体が都市計画道路と指定したことで当該道路事業の環境影響評価の全ては地方自治体に移行し、地方自治体が行なう環境影響評価については配慮書、方法書、準備書のようなステップにおいて環境大臣の意見は不要なのかも知れない。
これにより環境影響調査は事業者では無く都市計画道路指定した自治体が実施するなら、今回の方法書は国土交通省が自治体支援の為に作成し提供したものとして有効なのかも知れないが、国土交通省の配慮書(検討書)はどんな意味を持っていたのか。地方自治体は自分達が熟慮して作成したのではない方法書をベースに地域に即した真っ当な環境影響調査を行なう事は可能なのだろうか。
2019年8月17日の集会報告・中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会
以下は住民の会サイトに掲載された記事の引用です。引用者が年月日、改行など一部を編集しています。
山梨県庁の中部横断自動車道の環境影響評価方法書の公表強行を受け、(2019年)8月17日北杜市大泉町のいずみ活性化施設で緊急報告会を開催しました。報告会には北杜市議会議員等はじめ山梨県内各地から約90名の参加があり、山梨県が進めようとしている中部横断自動車道の環境影響評価の手続きの即時中止を確認しました。
報告会では、はじめに議員の皆さんからの挨拶を受け、続いて沿線住民の会から現況報告を行いました。
現況報告では、中部横断自動車道(長坂~八千穂)の建設計画の寝耳に水の発表以来、住民の側からの八ヶ岳南麓の自然・景観・生活環境などへの深刻な影響への指摘や建設計画や道路事業の手続きに関わる様々な問題点について、事業責任者である国交省が何ら妥当性・正当性のある説明や回答をできない状況に追い込まれる中、建設計画を進めることができないでいたことを具体的な図や説明資料で明らかにしました。
そして建設計画の早期整備を目論んでいた山梨県庁が唐突に都市計画を持ち出し、事業者の国交省の代わりに環境影響評価の手続きを強引に進めようとしている現況の問題点が報告されました。
しかも山梨県・長崎自民党知事は、この建設計画による建設予定地の八ヶ岳南麓の環境や地域への深刻な影響等の問題や様々な不利益・被害を被る住民や別荘所有者等への言及は全く無いまま、参議院選挙の最中、県の広報だとして県費(税金)を使って山梨日日新聞に「中部横断自動車道 大きく前進」と全面広告を出し(
編注)、自民党県知事としての「成果」を誇示するなど中部横断自動車道(長坂~八千穂)の建設計画を「政治の道具」として利用するかのような言動を行っていることを強く批判しました。
参加者から方法書の公表・閲覧へ非難の声が続出!
意見交換では、山梨県による環境影響評価の方法書公表の強行への批判、県からの情報提供(お知らせ)が別荘所有者などへ徹底されていないこと、方法書縦覧の体制の不備、説明会の開催の仕方・回数が少ないこと、公平中立な進行がされるのか等々について問題を指摘する発言が相次ぎました。
別荘所有者の方からはそもそも方法書の公示・閲覧の情報が来ていないという発言があり、340ページにも及ぶ方法書の閲覧が一部の限られた施設でしか出来ず、しかもコピーも制限されている現状で、住民や別荘所有者、二地域居住者などはどうやって方法書の情報を得、その内容を知ることができるのかという意見には、多くの参加者が「そうだ!」と怒りの共感の声を上げました。そして国交省が責任を回避し、形ばかりの手続きを強行することで早期整備に突き進むことは許されないことを確認しました。
山梨県庁は中部横断自動車道の環境アセスの手続きの即時中止を
国交省は環境影響評価を山梨県庁・長野県庁に丸投げして責任逃れをするのではなく、事業主体として責任をもって、住民の質問に答える必要があります。建設計画の必要性・正当性・妥当性を問うている質問に答えることができなければ、中部横断自動車道の建設計画は白紙に戻すべきです。
山梨県庁には、中部横断自動車道(長坂~八千穂)の建設計画を進めるための方便として、都市計画地域でない北杜市に建設予定の中部横断自動車道を都市計画決定すること自体無理があるのは明白であり、それ故、中部横断自動車道の環境影響評価の手続きを即刻中止することを求めます。
下記の日程で、8月21日(水)に甲斐市双葉公民館での説明会に参加された方からメーリング・リストで配信されたメッセージの部分引用です。
甲斐市双葉公民館で行われた説明会で、最初に沿線住民の会の人が「そもそも県はこの説明会を開く資格がありのか?」という疑問を投げかけてくれて問題の本質に迫る思考を投げかけられ、この説明会の意図が浮き彫りになったと思います。
県の都市計画課の課長補佐は、「県が都市計画の決定権者であることは都市計画法第15条にもとづいている」と発言していましたが、都市計画法には、区市町村が決定できると書いてあります。
県ではないのです。違法な方法で、アセスを進めようとしていることが、ますます浮き彫りになってきました。
パワーポイントでの説明も、パワーポイントで示される資料が手元には用意されず、機械音で説明するだけなので、私たちにももちろんですが、そこに参加していた県や国交省の役人にもちんぷんかんぷんだったのではないでしょうか? それが証拠に、山梨県の説明会なのに長坂~八千穂間の長野県側も含んだ説明も含まれ分かりにくいという意見が出ました。
元々都市計画は、市町村が行うもので、北杜市には都市計画そのものがないし、甲斐市や韮崎市でも、都市計画に必要な公聴会などを開いたという形跡もありません。(以下略)
編注・
【参照資料】中部横断自動車道の山梨県庁広報、新聞広告と県庁広報の「ふれあい特集号」で掲載された内容の共通点を確認した記録です。
環境影響評価方法書 説明会
8月21日(水) 19:00~ 甲斐市双葉公民館(定員200名)
8月22日(木) 19:00~ 韮崎市市民交流センターニコリ(定員150名)
8月23日(金) 19:00~ 北杜市八ヶ岳やまびこホール(定員415名)
8月25日(日) 15:00~ 北杜市須玉ふれあい館ホール(定員400名)
◇ 2019.08.13
中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会ニュース No43(PDFファイル)(2019年8月10日発行)が公開されました。環境影響評価方法書と都市計画に関する問題点が詳細に書かれています。
◇ 2019.07.15
【参考文書】方法書送付に関する国交省への抗議・要請文【掲載記事】
意見書提出に向けて勉強会を開催します
■日時 2019年8月28日(水)13:30~(施設閉館は 17時)
■場所 大泉総合会館 2階会議室4(山梨県北杜市大泉町谷戸3025)
■講師 辻村 千尋(つじむら ちひろ)さん
公益財団法人日本自然保護協会保護室長【編注・Facebook と Twitter で発信しておられます】
■主催 中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会
中部横断自動車道八ヶ岳南麓新ルート沿線住民の会からの今回の発信で、八ヶ岳山麓地域の別荘所有者の方々に情報が届いていないことを初めて知りました。
今回の都市計画道路指定は国土交通省によると私が理解していたことは間違えていました。着信したメーリング・リスト配信メッセージでそれを知りました。
別記事に書きましたが都市計画についは全く不勉強なので今後の課題ですが、今回の都市計画道路決定と環境影響評価事案としての中部横断自動車道(長坂~八千穂)の関連は興味深いです。
1.山梨県が決定した都市計画道路 「(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号双葉・韮崎・清里幹線」 の環境影響評価に係る方法書であるなら、それは山梨県政が作成すべきものです。
2.同時に、都市計画道路決定に関する経過報告は、方法書説明会が広報される以前に、県庁サイトから紙面文書やネット記事として全ての県民に報告されているはずです。
3.環境影響評価方法書が国土交通省から届いたと山梨県政サイトには記載されていました。私はこの点から都市計画道路指定は長野県も同じく国土交通省によるものと理解したのです。対象となる道路の事業者は国土交通省だからです。従って説明会の主役は国土交通省であり、山梨県政はそれを補佐するために陪席するだろうと理解していました。
4.国土交通省はどのような理由で山梨県・長野県が決めた都市計画道路の環境影響評価方法書を作成し、それを両県に送付し、両県はそのまま都市計画道路の環境影響評価方法書としての説明会を開催するに至ったのか、それを主管庁として明確に国民に説明すべきです。国民の全てに公務員レベルの法制知識は無いからです。
5.そして環境影響調査を実施するのは山梨・長野の両県政か、国土交通省か、それを方法書の冒頭に明確に記載すべきと思います。
常識的に考えれば方法書を作成した国土交通省ですが。それは都市計画道路の為では無く、中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響調査です。しかし方法書のタイトル通りなら都市計画道路の環境影響調査であり、この都市計画指定は国土交通省によると理解できるものでしょう? ところが国土交通省の名前は無く、山梨県・長野県の名前による方法書なのです。私は混乱しました。
山梨県北杜市の広報・中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響評価方法書の公表と説明会について・・・『山梨県では、中部横断自動車道(長坂~八千穂)((仮称)韮崎都市計画道路1・4・1 号双葉・韮崎・清里幹線、(仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線)に係る環境影響評価方法書の公表、説明会を次のとおり行います。』
(共に中部横断自動車道(長坂~八千穂)に関する説明会と広報しています)
長野県南牧村役場の広報・中部横断自動車道(長坂~八千穂)((仮称)佐久都市計画道路1・4・1号南牧佐久線)に関する「環境影響評価方法書」を公表し説明会を開催します・・・『中部横断自動車道(長坂~八千穂)の環境影響評価の手続きについて、都市計画道路として定める長野県が方法書を公表し、方法書の記載事項について説明会を開催します。』
【現時点での私の結論】 この高速自動車国道を地域として都市計画道路と決定した県庁・地域自治体を合わせた決定プロセスについて、国民が明確に理解できるような情報発信をすること。方法書説明会はその後に開催すること。
都市計画道路とするメリット、デメリットについても学習したいと考えていますが、上記のような私の考え方は法制度の理解として間違えているかも知れません。山梨県庁サイトで今回のプロセスが法制度に即している事を明示なさる記事が掲載される事を期待しています。
中部横断自動車道は北区間が完成してこそ有効だと私は思っています、事業を否定するものではありません。全ての人々がそこに至るプロセスにも納得してこそ地域活性化に役立つと思うのです。その為の正当な情報共有を大切にしたいのです。