2023年11月23日
富士登山鉄道構想 北麓6市町村で唯一、反対意見が大きい富士吉田市で住民説明会 出席者からは懸念の声も 山梨県(YBS 19:44)
県が進める富士山登山鉄道構想について、23日、富士吉田市で地元説明会が開かれました。北麓6市町村で唯一、反対意見が大きい富士吉田市での開催で、出席者からは懸念する声も上がりました。
21日の山中湖村での説明会に続き、今回も長崎知事が登壇。県の構想に一環して反対する堀内茂市長を前に、富士山の来訪者管理や環境保全での優位性を強調して、鉄道の必要性を説明した一方、出席者からは懸念を示す意見も上がりました。
県の富士山登山鉄道構想を巡り、富士吉田市は広報誌で反対意見を掲載。堀内茂市長が強く反対を訴えるほか、市議会も反対決議を採択するなど構想への反発姿勢が鮮明で、県との溝に深まりを見せていました。
説明会では賛意を示しながら「地元のコンセンサスを得ながら計画を進めてほしい」とした意見もありましたが、堀内市長は説明会後の取材に「より反対論が強まった」としました。
富士吉田市 堀内茂市長・「災害などに対する保安対策がしっかり表示されていない。建設資金の1400億円に対する根拠の甘さ。これらに対しては一抹の不安を感じた」
富士山登山鉄道構想の説明会は、12月に忍野村、鳴沢村、西桂町、2024年1月に富士河口湖町で開かれる予定です。
2023年11月23日
富士山登山鉄道、山梨県が初の県民向け説明会 収支見通し示さず(朝日新聞 10時45分)
山梨県が富士山で実現をめざす登山鉄道構想の県民向け説明会が21日夜、山中湖村からスタートした。長崎幸太郎知事が説明し、構想の意義や必要性を訴えた。収支見通しや整備費の詳細は示されず、県はこれらについて来年3月までに中間報告する方針だ。
説明会は村公民館で午後7時から約1時間半あり、村民ら約180人が集まった。長崎知事は約40分にわたって説明し、特に登山鉄道を必要とする理由について時間を割いた。
富士山5合目の来訪者がコロナ前の2019年に506万人に達し、世界文化遺産登録前の12年(231万人)の2倍以上に増えていることを紹介。オーバーツーリズム(観光公害)が深刻化しているとして、来訪者数の管理や、自動車の排ガス規制などの課題を示した。
そのうえで長崎知事は「富士スバルライン上に線路を敷き、基本的に車は通さないことで来訪者のコントロールにつなげたい」などと述べた。
構想に反対している富士吉田市が現実的と考えている電気バス(EVバス)の導入については、座席数の少なさをデータで指摘。「すし詰め状態でつり革につかまって立って上れというのは、ちょっと大変」と話し、快適性の面からも鉄道の優位性を主張した。一方で「反対論も賛成論もあること自体が素晴らしい。みんなで真剣に議論を始めようという段階にある」と語った。
参加者からは「山中湖まで鉄道が引けたら最高だ」など構想を歓迎する意見が目立った。長崎知事は終了後、「もっと反対論が出てくるかなと思い、心の準備はしていた。ベストは尽くした」と話した。
登山鉄道の整備費について長崎知事は説明の中で「1400億円」と触れたが、整備費の算出根拠や収支見通しは明らかにしなかった。県は21年2月にまとめた構想に「往復運賃1万円で約300万人」との試算も記したが、説明会で長崎知事は触れず、資料にも示さなかった。
県富士山登山鉄道推進グループは取材に対し、整備費や収支見通しについて「専門家と詳細の検討を進めている」と説明し、今年度中に公表するという。
運賃については「構想の数字が一人歩きして誤解を招いた部分があったので、説明会では出さなかった」としている。ネットニュースのコメント欄で「高すぎる」「金持ちしか上らせないのか」などの批判があふれ、県にも否定的な意見が寄せられたことを考慮したという。
次回の説明会は23日に富士吉田市で開かれる。(池田拓哉)
2023年11月24日
富士山登山鉄道構想に質問次々 富士吉田で知事ら2回目説明会(朝日新聞 11時00分)
山梨県が富士山で実現をめざす登山鉄道構想の県民向け説明会が23日、富士吉田市内であった。山中湖村で21日に開かれた初回に続き、長崎幸太郎知事が構想を説明した。参加者からは災害対策や車両性能への質問が相次ぎ、反対意見もあった。構想に反対する堀内茂・富士吉田市長も観覧席から説明を聴いた。
長崎知事は噴火時の避難対策を尋ねられると、5合目の駐車場などを埋め戻し、その下に造る施設をシェルターにすると説明。「安全確保は、いろんなケースを想定しながら考えていきたい」と答えた。
別の参加者は、導入が想定されている次世代型路面電車(LRT)について、安全に停止できるブレーキセンサーなどについて検証が必要と指摘。長崎知事は「技術的な問題について専門家の中でその可能性を検証している」と応じた。
構想で示された「往復運賃1万円」について問われた長崎知事が「県民の皆様からは1万円頂かなくてもいいんじゃないか。県民の皆様はまさにその全体のオーナーだからであります」と答える場面もあった。
「電車なんか通したら富士山を壊しちゃいますよ」と訴えた参加者もいた。
長崎知事は「賛成も反対もあるが、ぜひ良い方向を一緒になって考えていこうではないでしょうか」と呼びかけ、今後も説明会を継続的に開催する考えを示した。
説明を聴いた堀内市長は記者団に、噴火など災害時を想定した対策が不十分と指摘し、「反対の気持ちは強くなった」と語った。(池田拓哉)
2023年11月23日
堀内市長「より反対論が強くなった」 富士山登山鉄道構想地元説明会 反対論根強い富士吉田市で知事自ら説明(UTY 18:58)
山梨県が検討を進める富士山登山鉄道構想について、長崎知事自ら出席する地元説明会が富士吉田市で開かれました。 構想に反対する堀内市長も出席し、取材に対し改めて反対を表明しました。
21日の山中湖村に続いて、2回目となった住民説明会。
23日も長崎知事自ら出席したほか、構想に反対している富士吉田市の堀内茂市長も参加し、意見の別れる2人が会場で相まみえる形となりました。
それを意識してか、知事からはこんな一言も・・・
長崎知事: 様々な富士山の恵みというものを、しっかりとやっぱり後世に引き継いでいかなければならない。こういう思いはですね、おそらくきょうここにお集まりの皆さんと私たちは共通している。いかがでしょうか。ありがとうございます。
説明会では、知事自ら富士山の現状についてユネスコの諮問機関から来訪者のコントロールや環境負荷の軽減などが求められていることから、麓から5合目までをLRT=次世代型路面電車で結ぶ富士山登山鉄道構想は解決策の1つだと説明しました。
その後質疑応答が行われ、富士吉田市では市議会も構想に反対を決議するなど反対論が根強いとされる中質問が相次ぎました。
Q:登山者数の制限を設けることと、それを条例で規制することを検討していると新聞で読んだのですが、スバルラインを規制してシャトルバスのみとすれば、一挙に解決するのではないでしょうか。
長崎知事: マイカー規制をやっていたにもかかわらずこれだけ多くの観光客の増加があったということで、そのマイカー規制をやればですね、じゃあ果たして本当にこのオーバーツーリズムの問題を解消できるか、それは私は大いに疑問に思っています。
Q:とにかく噴火が怖い怖いという話を何年もしているのに、なんで登山電車ですか?
長崎知事: 環境を守っています、こういう形で安全を守っています、こういう形で価値を守っています、これをですね、しっかりと目に見える形で実行していくのが私たちの課せられた責務であると。「これやりますから皆さんよろしくね」と言っているわけでは一言もありません。ぜひ良い方向を一緒になって考えていこうじゃないですかと。
説明会の中で堀内市長が発言することはありませんでしたが、終了後報道陣の取材に・・・
富士吉田市 堀内茂市長: 災害等に対する保安対策ですね、この点がですねほとんどしっかりと表示されていないということです。より反対論が強くなったというのが個人的見解でございます。
改めて反対の姿勢を示しました。
住民説明会は今後、他の富士北麓地域の町と村でも開かれる予定です。
2023年11月24日
「富士山登山鉄道構想」 地元の富士吉田市で住民向け説明会(NHK山梨 11.08)
県が検討を進める「富士山登山鉄道構想」をめぐり県は23日、地元の富士吉田市で住民向けの説明会を開きました。
富士山をめぐって、県は来訪者の管理や環境保全の対応策として、ふもとと5合目をLRT=次世代型路面電車で結ぶ「富士山登山鉄道構想」の検討を進めています。
この構想について、県は21日に初めての住民向け説明会を山中湖村で開いたのに続いて、23日は地元の富士吉田市で開催し、およそ800人が参加しました。
このなかで長崎知事は「県と地元は富士山の価値を将来に引き継ぎたいという思いを持つ同志であり、価値観を共有する仲間である」と述べました。
その上でLRTは輸送量や移動中の快適さなどの面で電気バスより優れているとか、整備にかかる費用は県や民間企業、それに国で分担できる、といったことなどを説明し、LRTが最善の策であると説明しました。
これに対して参加者からはLRTだけでなく、電気バスや水素バスといったさまざまな選択肢を平等に検討するべきだとか、地域住民の同意を得ながら構想を進めてほしい、といった意見が出されました。
説明会のあと、長崎知事は「関心の高さを改めて痛感した。賛成論も反対論もいろいろな議論が出てくることが望ましく、議論をかわすなかでいずれ一定の方向性に収れんしていくと思う」と述べました。
一方、県の説明会に出席した富士吉田市の堀内茂市長は「多くの市民の意見を聞いていただいたき、意義深いものだったと考える。今後は市民を交えて議論をしていくことが大切だと思う」と話していました。
その上で災害への具体的な対策がほとんど示されていないことや建設費用の根拠が甘いなどを挙げ、「きょうの説明を聞いてより反対の気持ちが強くなった」と話していました。
この記事は 2023年11月24日 に記録しましたが、
富士山登山鉄道構想の説明会は、12月に忍野村、鳴沢村、西桂町、2024年1月に富士河口湖町で開かれる予定です(YBS)、住民説明会は今後、他の富士北麓地域の町と村でも開かれる予定です(UTY) と書かれていましたので、情報に注意していきたいと思います。
今回の説明会の内容について、県庁サイトは確認していません、後日にいたします。
富士山噴火の予測については専門サイトの記事に注意するつもりです。