静岡市で施工中のゼロエネルギー鉄骨住宅の気密測定を実施しました。
なぜ、気密測定が必要かというと…
いくら高断熱にしても、外部から侵入してくる隙間風があると、室内を暖房していても、冷気が流入してきてしまい断熱性能が半減してしまいます
わかりやすく例えると、セーター(断熱性能)とウインドブレーカー(気密)と言うところでしょうか?
セーターだけだと風が吹くと寒いですが、セーターの上にウインドブレーカーを着れば風が吹いても平気ですヨネ。
他にも、計画換気の維持など目的は色々ありますが…
断熱性能は、設計(今回もQ値計算)をすることで断熱性能が判断できますが、
気密性能は、実際の現場の施工管理が重要になってきます。
本来、木造の構造用合板を耐力壁にしたり、ツーバーフォーのような構造は、気密性が取りやすく、鉄骨造は気密性が取りにくいとも言われていますが……
今回の結果は、C値=2.8㎝2/㎡という結果が出ました
2.8㎝2/㎡が一般的にみてどうなの???と疑問に感じると思いますので……
北海道や東北などの寒冷地の次世代省エネ基準が2.0㎝2/㎡で、静岡などの一般地の基準が5.0㎝2/㎡です。
もちろん、気密性能を上げるには、窓などを小さくすることで気密性能も上がりますし、北海道などには引き違いサッシを多く使うことはありません。
ここ静岡では、寒暖期だけでなく、冷暖房を使わない春・秋の中間期は、引き違いサッシで十分な通風を得るのがとても大事なことだと思います。
ですから、2.8㎝2/㎡は、合格ラインではないでしょうか?
工場で作ったものを組み合せるのではなく、一棟一棟現場で作るからできる、気密性能です。
これだけの気密性能があれば、室内の温度差などが少なく快適な住環境になります。
あっ、ちなみに、高気密住宅が息苦しいのでは?と想像する方がいるかもしれませんが、そんなことありませんよ。
むしろ、高気密住宅では、隙間風がないので、暖房をしていても足元が寒いとかがなく、室内の温度差(床から天井までの)が少ないので快適に暮らすことができます。
これだけの断熱性能と気密性能があれば冬の夜に、北側のトイレや浴室が冷え切っているということがなくなり、ヒートショックを減らすことが出来ます。子供が朝寒くて布団から出られない~って事も少なくなりますね。
それと、暖房している部屋と暖房していない押入れの温度差が小さくなるので、押入れの奥や部屋の隅においてあるタンスの裏が結露でかびてしまうと言う事もなくなるでしょう。
今回は、断熱材施工完了時で測定しましたが、竣工時に、もう一度気密試験をしてみたいと思います。
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