(32)劇的再会
四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
香山京子(16)165㎝。一年生。きりっとした美人で組長の娘
高畑(50)優しそうだがどこか崩れた雰囲気を漂わせている
沙希(32)170㎝。スタイル抜群の妖艶な美女
香山組の組長(50)京子の父
同、若頭(50)温厚そうな顔
同、子分A、B、C、D(各25)
高畑に暴行した不良A、B、
N=ナレーション
車が組事務所前にキッと停まる。
沙希が緊張してドアノブを開けようとした時、
修一「まて」と止める。
修一、後席から昏倒しているBの後頭部をドゴッと蹴り、
修一「いつまで寝とんじゃボケーっ。ドアを開けんかい!」
若頭、沙希、驚愕。
玄関前で修一がドアの上や塀に取り付けた四台のカメラに気が付く。
修一「えらい用心深い事じゃのう」と言って若頭の頭を掌でバチンと殴る。
B、驚愕する。
修一「おどれらはアホのくせに人の脅し方だけは天才的なんじゃがのー」
修一「じゃのに襲われるんは怖いんか、あん?」と再度若頭の頭を掌でバチンと殴る。
沙希、あ然。
同、組事務所内
注、壁に義侠と書いた額。日本刀が刀架けに飾ってある。暖炉には使ってないストーブ。横に灯油ポリが置いてある。組長と子分C、Dがいる。高畑に暴行した不良A、B、が血まみれで倒れている。
頭を押さえた若頭、B、修一、沙希の順に入ってくる。
組長、子分驚く。
D 「兄貴、いったい・・・」
若頭、B、俯いて無言。
修一、無表情で不良A、Bを一瞥。
沙希、不良A、Bを見て怯える。
組長、無言で修一を見る。
修一、無言で組長を見る。
組長の眼前に立って片手拝みで、
修一「毎日幸せですか?南無阿弥陀仏ー」
組長(な、なんじゃこいつは?気色悪いやっちゃのう・・・)
C 「わりゃー、誰にガンを飛ばしとんじゃーっ」と殴りかかろうとする。
組長「まあ、またんかい。おもろい事になりそうやんけ」と制止させる。
怯える沙希をギロッと睨み、
組長「この坊主ともうやったんかい?」
沙希、怯えて失禁し太腿におしっこが伝い流れる。
沙希の耳元に口を寄せて嬉しそうに、
修一「ますます淫靡な匂いになったのう。うひ」
沙希を睨み、
組長「やったちゅう事やの?」
沙希、恐怖に震える。
組長「(修一に)われ、ええ度胸しとるのう」
そこに子分A、京子、高畑の順に入ってきて、
C 「あ、お嬢、お帰りなさい」
京子に、
組長「こんなオッサンと何しとるんじゃー、娘も女もやられて、わしゃ、ええ恥さらしじゃ」
高畑を睨み、
組長「わしの娘と分かっとって手を出したんじゃろうの?」
京子、組長を無視し、血まみれの不良を見てCに、
京子「この2人、どないしたんや?」
不良達、京子を見て驚愕。
組長(親を無視しょってからに段々手に負えんようになってきよるわ・・・)
C 「うちのシマでカツアゲしとったんで、ちょっと〆たったんです」
京子「手ぬるいわ」
不良、驚愕。
京子「こいつら、うちを犯して売春させるつもりやったんやで」
組長「(驚愕)なっ、なんじゃとー?」
京子「(不良に)せっかく助けたったのに、ほんま、性根のないやつらやな」
京子「(Cに)コンクリート漬けにして海に沈めてしまい」
不良、驚愕。
組長、驚く。
Cが組長を伺うと、組長が躊躇して頷く。
不良二人、目をむいて怯え、
「ひーっ、どうか助けてくださいー」と京子に懇願する。
不良の顔面をガヅッと蹴り上げ、
京子「もうええ、見苦しいわ」
京子「じたばたせんと魚のエサになり」
組長(京子がこんな非情な面を持っとったとは、こりゃひょっとしたら、わしの跡を継げるかも・・・)
京子、無表情でこっちを見てる修一に気付いて驚愕。
京子「・・・い、岩城せんぱい・・・」
組長「(驚き)あ、なんじゃ、知りあいか?」
赤面して動揺し、
京子「嫌やわ、えらいとこを見られてしもうて、どないしょ・・・」
京子「私、一級下の香山京子といいます」
京子「みっともない姿を見せてしまって御免なさい」
組長(京子の敬語、初めて聞いた・・・よっぽどこの坊主を認めとるんか?・・・)
京子「(毅然と)私、先輩の女になるために生まれてきました」
修一、無表情で京子を見つめる。
組長、子分達驚愕。高畑、あ然。
修一「(京子に)お前、このドヤクザの娘か?」
組長「わりやー、わしの娘になんちゅう物言いさらしとんじやー」
京子「お父ちゃんは、だまっててっ!」
組長、気圧される。
京子「やくざの娘だから付き合ってもらえないのなら親と縁を切ります」
組長、絶句。
京子「それでもだめなら、わたし死にます」
組長「(困惑し)京子・・・」(この惚れようをみたらほんまにやりよるで・・・)
沙希と高畑が互いに気付く。
修一、驚愕して見つめ合ってる高畑と沙希に気付く。
京子も気付く。
修一「(沙希に)ひょっとしたら話してた例の人か?・・・」
沙希、呆然として頷く。
京子「(高畑に)・・・もしかしたら探してた初恋のひと?」
頷いた高畑を見て、
沙希「え・・・?」
修一「状況が読めた」
京子「お父ちゃんが2人を引き裂いた張本人やったんか?」
組長「な、なんのこっちゃ?」
京子「先輩はその人から事情を聞いて助けに来たんですね?」
高畑に、
修一「この人はオタクを愛してたのにヤクザに付き纏われてたから仕方なく去ったんです」
高畑、ぼう然。
沙希に、
京子「この人は十年間ずっと貴女を探し続けてたんですよ」
沙希、信じ難い表情で涙をツーっと流す。
沙希に、
高畑「事情を話してくれてたら二人で乗り越えられたのに・・・」
沙希「暴力団相手にそれは無理。貴男を破滅させる訳にはいかなかったから・・・」
高畑「年を取ったからもう付き合いを申し込んでる時間はない」
高畑「無職で無一文だけど結婚してほしい」
組長「お、おんどれら、わしに断りもなしに、何ぬかしとんじゃ!」
京子「お父ちゃんはだまっとりー!」
組長、子分達、怯む。
ボロボロ泣き、
沙希「こんな私でよかったら・・・」
京子、ほっとする。
怒りに震えて組長を睨み、
高畑「あんたのようなクズに私達が引き裂かれたなんて許せない・・・」
D 「だれに、こらー」と殴りかかる。
京子「やめやー!」
高畑、Dの右パンチを左手で受けて右パンチを顔面にバゴッと入れる。
京子「(驚き)うそっ。あんな弱かったのに?・・・」
高畑「あの時はすきっ腹だったから・・・」
C、バッと刀を取る。
高畑、はっとする。
若頭「やめいっ!こんな狭いとこで」
C 「若頭っ、組長をコケにされてだまっとる訳にはいかんです」
C、チヤッと抜刀した時にサヤを持った親指をスパッと落とす。
刀を振り上げた状態で、
C 「ひやっ」と驚愕。
京子「やめゆうてるんや!」と高畑の前に飛び出す。
C、勢いで振り下ろした刀が京子の胸前を掠める。
組長、若頭、戦慄する。
京子、シャツとブラが切れて胸がはだける。(以後、胸がはだけたまま)
C、振り下ろした刀で自分の靴ごと爪先を切り飛ばす。
C 「きえーっ」とのた打ち回る。
Cの顔面を狂ったように蹴り、
組長「このくそぼけがーっ、京子が怪我したらどないすんじゃーっ」
Cの顔を踏んで硬直した手指をポキポキ折って刀を離させ、
修一「笑わせてくれるよのう」
京子、はっとする。
修一「抜刀ゆうのはのー・・・」
京子「お父ちゃん、この人はハッタリと人相の悪さだけで飯を食うてるヤクザとは次元が違うんや」
京子「ケンカのプロなんやで」
京子「お父ちゃんらが繰り返し見てるK1の試合のビデオがあるやろ?あれ、この人なんやで」
組長「げっ!」
若頭「道理で・・・」と納得する。
京子「ヤクザが束になっても勝てるような相手やないんや」
沙希、驚愕。
京子「今の内に謝って堪忍してもらい」
組長達、怖気づく。
修一「もう遅いわい」と刀をベルトに差す。
Cを睨み据えて居合いの構えをとり、
修一「抜刀ゆうのはのお・・・」
C、怯えて後ずさる。
組長(この構えはホンマもんじゃ、逃げとうても腰が抜けてしもて・・・)と組員達と怯む。
つづく
四百字詰原稿用紙換算11枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
香山京子(16)165㎝。一年生。きりっとした美人で組長の娘
高畑(50)優しそうだがどこか崩れた雰囲気を漂わせている
沙希(32)170㎝。スタイル抜群の妖艶な美女
香山組の組長(50)京子の父
同、若頭(50)温厚そうな顔
同、子分A、B、C、D(各25)
高畑に暴行した不良A、B、
N=ナレーション
車が組事務所前にキッと停まる。
沙希が緊張してドアノブを開けようとした時、
修一「まて」と止める。
修一、後席から昏倒しているBの後頭部をドゴッと蹴り、
修一「いつまで寝とんじゃボケーっ。ドアを開けんかい!」
若頭、沙希、驚愕。
玄関前で修一がドアの上や塀に取り付けた四台のカメラに気が付く。
修一「えらい用心深い事じゃのう」と言って若頭の頭を掌でバチンと殴る。
B、驚愕する。
修一「おどれらはアホのくせに人の脅し方だけは天才的なんじゃがのー」
修一「じゃのに襲われるんは怖いんか、あん?」と再度若頭の頭を掌でバチンと殴る。
沙希、あ然。
同、組事務所内
注、壁に義侠と書いた額。日本刀が刀架けに飾ってある。暖炉には使ってないストーブ。横に灯油ポリが置いてある。組長と子分C、Dがいる。高畑に暴行した不良A、B、が血まみれで倒れている。
頭を押さえた若頭、B、修一、沙希の順に入ってくる。
組長、子分驚く。
D 「兄貴、いったい・・・」
若頭、B、俯いて無言。
修一、無表情で不良A、Bを一瞥。
沙希、不良A、Bを見て怯える。
組長、無言で修一を見る。
修一、無言で組長を見る。
組長の眼前に立って片手拝みで、
修一「毎日幸せですか?南無阿弥陀仏ー」
組長(な、なんじゃこいつは?気色悪いやっちゃのう・・・)
C 「わりゃー、誰にガンを飛ばしとんじゃーっ」と殴りかかろうとする。
組長「まあ、またんかい。おもろい事になりそうやんけ」と制止させる。
怯える沙希をギロッと睨み、
組長「この坊主ともうやったんかい?」
沙希、怯えて失禁し太腿におしっこが伝い流れる。
沙希の耳元に口を寄せて嬉しそうに、
修一「ますます淫靡な匂いになったのう。うひ」
沙希を睨み、
組長「やったちゅう事やの?」
沙希、恐怖に震える。
組長「(修一に)われ、ええ度胸しとるのう」
そこに子分A、京子、高畑の順に入ってきて、
C 「あ、お嬢、お帰りなさい」
京子に、
組長「こんなオッサンと何しとるんじゃー、娘も女もやられて、わしゃ、ええ恥さらしじゃ」
高畑を睨み、
組長「わしの娘と分かっとって手を出したんじゃろうの?」
京子、組長を無視し、血まみれの不良を見てCに、
京子「この2人、どないしたんや?」
不良達、京子を見て驚愕。
組長(親を無視しょってからに段々手に負えんようになってきよるわ・・・)
C 「うちのシマでカツアゲしとったんで、ちょっと〆たったんです」
京子「手ぬるいわ」
不良、驚愕。
京子「こいつら、うちを犯して売春させるつもりやったんやで」
組長「(驚愕)なっ、なんじゃとー?」
京子「(不良に)せっかく助けたったのに、ほんま、性根のないやつらやな」
京子「(Cに)コンクリート漬けにして海に沈めてしまい」
不良、驚愕。
組長、驚く。
Cが組長を伺うと、組長が躊躇して頷く。
不良二人、目をむいて怯え、
「ひーっ、どうか助けてくださいー」と京子に懇願する。
不良の顔面をガヅッと蹴り上げ、
京子「もうええ、見苦しいわ」
京子「じたばたせんと魚のエサになり」
組長(京子がこんな非情な面を持っとったとは、こりゃひょっとしたら、わしの跡を継げるかも・・・)
京子、無表情でこっちを見てる修一に気付いて驚愕。
京子「・・・い、岩城せんぱい・・・」
組長「(驚き)あ、なんじゃ、知りあいか?」
赤面して動揺し、
京子「嫌やわ、えらいとこを見られてしもうて、どないしょ・・・」
京子「私、一級下の香山京子といいます」
京子「みっともない姿を見せてしまって御免なさい」
組長(京子の敬語、初めて聞いた・・・よっぽどこの坊主を認めとるんか?・・・)
京子「(毅然と)私、先輩の女になるために生まれてきました」
修一、無表情で京子を見つめる。
組長、子分達驚愕。高畑、あ然。
修一「(京子に)お前、このドヤクザの娘か?」
組長「わりやー、わしの娘になんちゅう物言いさらしとんじやー」
京子「お父ちゃんは、だまっててっ!」
組長、気圧される。
京子「やくざの娘だから付き合ってもらえないのなら親と縁を切ります」
組長、絶句。
京子「それでもだめなら、わたし死にます」
組長「(困惑し)京子・・・」(この惚れようをみたらほんまにやりよるで・・・)
沙希と高畑が互いに気付く。
修一、驚愕して見つめ合ってる高畑と沙希に気付く。
京子も気付く。
修一「(沙希に)ひょっとしたら話してた例の人か?・・・」
沙希、呆然として頷く。
京子「(高畑に)・・・もしかしたら探してた初恋のひと?」
頷いた高畑を見て、
沙希「え・・・?」
修一「状況が読めた」
京子「お父ちゃんが2人を引き裂いた張本人やったんか?」
組長「な、なんのこっちゃ?」
京子「先輩はその人から事情を聞いて助けに来たんですね?」
高畑に、
修一「この人はオタクを愛してたのにヤクザに付き纏われてたから仕方なく去ったんです」
高畑、ぼう然。
沙希に、
京子「この人は十年間ずっと貴女を探し続けてたんですよ」
沙希、信じ難い表情で涙をツーっと流す。
沙希に、
高畑「事情を話してくれてたら二人で乗り越えられたのに・・・」
沙希「暴力団相手にそれは無理。貴男を破滅させる訳にはいかなかったから・・・」
高畑「年を取ったからもう付き合いを申し込んでる時間はない」
高畑「無職で無一文だけど結婚してほしい」
組長「お、おんどれら、わしに断りもなしに、何ぬかしとんじゃ!」
京子「お父ちゃんはだまっとりー!」
組長、子分達、怯む。
ボロボロ泣き、
沙希「こんな私でよかったら・・・」
京子、ほっとする。
怒りに震えて組長を睨み、
高畑「あんたのようなクズに私達が引き裂かれたなんて許せない・・・」
D 「だれに、こらー」と殴りかかる。
京子「やめやー!」
高畑、Dの右パンチを左手で受けて右パンチを顔面にバゴッと入れる。
京子「(驚き)うそっ。あんな弱かったのに?・・・」
高畑「あの時はすきっ腹だったから・・・」
C、バッと刀を取る。
高畑、はっとする。
若頭「やめいっ!こんな狭いとこで」
C 「若頭っ、組長をコケにされてだまっとる訳にはいかんです」
C、チヤッと抜刀した時にサヤを持った親指をスパッと落とす。
刀を振り上げた状態で、
C 「ひやっ」と驚愕。
京子「やめゆうてるんや!」と高畑の前に飛び出す。
C、勢いで振り下ろした刀が京子の胸前を掠める。
組長、若頭、戦慄する。
京子、シャツとブラが切れて胸がはだける。(以後、胸がはだけたまま)
C、振り下ろした刀で自分の靴ごと爪先を切り飛ばす。
C 「きえーっ」とのた打ち回る。
Cの顔面を狂ったように蹴り、
組長「このくそぼけがーっ、京子が怪我したらどないすんじゃーっ」
Cの顔を踏んで硬直した手指をポキポキ折って刀を離させ、
修一「笑わせてくれるよのう」
京子、はっとする。
修一「抜刀ゆうのはのー・・・」
京子「お父ちゃん、この人はハッタリと人相の悪さだけで飯を食うてるヤクザとは次元が違うんや」
京子「ケンカのプロなんやで」
京子「お父ちゃんらが繰り返し見てるK1の試合のビデオがあるやろ?あれ、この人なんやで」
組長「げっ!」
若頭「道理で・・・」と納得する。
京子「ヤクザが束になっても勝てるような相手やないんや」
沙希、驚愕。
京子「今の内に謝って堪忍してもらい」
組長達、怖気づく。
修一「もう遅いわい」と刀をベルトに差す。
Cを睨み据えて居合いの構えをとり、
修一「抜刀ゆうのはのお・・・」
C、怯えて後ずさる。
組長(この構えはホンマもんじゃ、逃げとうても腰が抜けてしもて・・・)と組員達と怯む。
つづく