同僚が突然死したので、お葬式に行ってきた。
風邪をこじらせて入院したのに、死因が心臓発作というから何だかおかしな話だ。
途上国にいると、こういう曖昧なところが嫌だ。
もっとも何か事情があるのかも知れないけれど・・・
オフィスのメッセンジャー(オフィス内で手紙や書類を届けてくれる人)で、とても小さくて、物静かで、シンハラ語で挨拶するととても嬉しそうに返事をしてくれるおじさんだった。たんぽぽみたいな人だった。
ついこの間までオフィスですれ違っていたのに、もういないなんて嘘みたい。
60歳の手前。うちの父より若い。
奥さまとかわいい娘さん二人を残して。
アフリカに勤務していた数年も含めて、今までお葬式に出たことがない私はラッキーだ。
今日は何を着ればいいか同僚に尋ねると、「白か黒」とのこと。
日本風、西洋風、ガーナもそうだったし、真っ黒にしてみた。
外れることないでしょ・・・
でも着いたら、みんなやたらとカジュアルだった。
ばりばり普段着だった。
ポロシャツにジーンズとか。
女性は真っ白だったり、白ブラウスにボトムは黒、という人はいたけれど、
全身真っ黒は私だけ。
まいっか。。。
着くなり、女の人が泣き叫んでいる声が聞こえた。
泣いているというより、叫んでいた。奥さんだった。
何言ってるの?と同僚に聞くと、「I'm crying とか」。
「私は泣いてるよ」か・・・ はて・・・
途中から娘さんも加わって、二人がぎゃあぎゃあわめいているのをみんなで無言で見つめて、何だか奇妙だった。
悲しみを大声で口にして、彼に聞いてもらおうとしているのか、私たちに聞いてもらいたいのか・・・
口にしなくてもいいような気がするけれど、こういうものなのかな・・・
下の娘さんはまだ7歳で、泣いてもいないし、普通の顔のままで、ぴんときていない感じだった。
とりあえず彼女たちの21歳までの学費は、国連の保障が下りる。
でも、良かった、なんて言えない。
彼がキリスト教徒だったので、もちろんお式もキリスト教スタイルだった。
子どもも大人も何かいっせいに口ずさんでいたけれど、あれはキリスト教徒のお決まりの言葉なのかな?
何でみんなして覚えているの?
謎が多いお葬式でした。
といいつつ、私もお葬式についてはよく知らない。
仏教で、極楽浄土に行けるように念仏を唱えるのはわかるけれど、私は「天国でもお元気で」とお祈りしたりする。あれ、生まれ変わって会いましょうっていうのもあるな。
私を含めた曖昧な宗教観、海外にいると恥ずかしくなる。
ヴィーラン、優しい笑顔をありがとう。
安らかに眠ってください。ご家族のこと、見守っていてね。
とりあえず、これでいっか。