やれやれ、日本でもう一泊待てば良かったか…。
積雪のためにイスタンブールは発着どちらの便も全面的にストップしていると機内アナウンスが流れた。
アンタリアという聞いたこともないトルコ南部の町の空港で降ろされるらしい。
イスタンブールに降ろされるならまだしも、
こんな知らない街で時間を潰すことになるなんて…。
イスタンブールーアテネ間が欠航になったと成田を出る前に知った時点で、
大人しくもう一泊待っていれば良かったのだ。
そうしたら、また、起きたら美味しい朝ごはんが並んでいる日が1日延びたのに…。
しかし、10時間余りの飛行中に天候が変わるかも知れないし、
イスタンブールまでいけば、
アテネまであと一時間足らずだから、
たとえ足留めをくらったとしても、
時差ボケ対応で楽になる筈だ、と、
超楽観主義の私はたかを括っていたのだ。
アンタリアの空港に放り出された私たち乗客は、
次に何が起こるのか何の情報もないまま、
ブツブツ文句を言いながら、
空港をさまよった。
ターキッシュ航空のこんな扱いはこれで2回目だから、
「大丈夫、何とかなりますよ」と私は見知らぬ人たち相手に先輩ヅラしている。
一体何の先輩なんだ。
しかも根拠のない慰めに、あまり効果はないらしい。
第一、飛行機から降ろされても、
ターキッシュ航空のスタッフは誰もいないのだ。
ターキッシュ航空のカウンターだって見当たらない。
ホテルに行かせてもらえるのか、
荷物はどうするのか、
次の便はいつなのか…。
「もう二度とこの航空会社は使わない!」
と鼻息荒く吐き捨てる赤毛の女の子。
ごもっともなんだけれど、
でも冬場の雪シーズンさえ避ければ、
安いし、ご飯はまあまあ美味しいし、
何しろアテネー東京間の乗り継ぎを考えると、捨てがたいエアラインなんだ。
とたまに合理主義になる私は思う。
他の乗客が向かう方向に、
ゾロゾロと着いていく。
「214番ゲートに行けばいいらしい」
誰かが言って、
とりあえず向かってみる。
何にしろ、アナウンスは皆無なのだ。
こういうとき、一度同じトラブルを経験しているのは強い。
何となく、直感で動ける。
一回目のときも、不安にはならなかった自分は、
本当に肝が据わっていると思うけれど。
同じ飛行機で見かけたような人たちと情報交換しながら、
迷っていそうな人に声をかけ合いながら、
導かれる方向に進む。
見知らぬ人たちと、運命共同体になる。
リアリティTVショーみたいだ。
こういうとき、チームで動くのは心強い。
1年前にイスタンブールで大雪のため30時間足留めをくらったときは、
旅慣れしていない若い女の子が相棒となった。
アイルランドだったかの出身の彼女は、
日本で英語の教師をしていて、
でもこんなトラブルには慣れていなくて、一人では泣きそうだから、
一緒に行動しても構わないかと着いてきた。
今回は、ベルギー出身の丸刈りのお兄ちゃんとなんとなくペアで動くことになった。
彼は年末に台湾で台湾人の方と結婚したばかりで、
日本で新婚旅行を楽しんだ帰りだった。
新妻は台湾経由で、あとでベルギー入りするから、
今回は一人だとか。
馴れ初めを聞きたい気持ちをぐっと堪えた。
だってまだ出会って15分くらいだから。
214番ゲートに着くと、
人だかりができていて、
ターキッシュ航空スタッフらしき人たちが、
パスポートを回収していた。
よし。
何とか光が見えた。
そこを突破したら、
今度は荷物を引き取って、
ホテルのクーポン券を貰う。ハズだ。
毎回のステップに、
ゲームみたいに難関が待っていて、
それをクリアして次に進むのだ。
積雪のためにイスタンブールは発着どちらの便も全面的にストップしていると機内アナウンスが流れた。
アンタリアという聞いたこともないトルコ南部の町の空港で降ろされるらしい。
イスタンブールに降ろされるならまだしも、
こんな知らない街で時間を潰すことになるなんて…。
イスタンブールーアテネ間が欠航になったと成田を出る前に知った時点で、
大人しくもう一泊待っていれば良かったのだ。
そうしたら、また、起きたら美味しい朝ごはんが並んでいる日が1日延びたのに…。
しかし、10時間余りの飛行中に天候が変わるかも知れないし、
イスタンブールまでいけば、
アテネまであと一時間足らずだから、
たとえ足留めをくらったとしても、
時差ボケ対応で楽になる筈だ、と、
超楽観主義の私はたかを括っていたのだ。
アンタリアの空港に放り出された私たち乗客は、
次に何が起こるのか何の情報もないまま、
ブツブツ文句を言いながら、
空港をさまよった。
ターキッシュ航空のこんな扱いはこれで2回目だから、
「大丈夫、何とかなりますよ」と私は見知らぬ人たち相手に先輩ヅラしている。
一体何の先輩なんだ。
しかも根拠のない慰めに、あまり効果はないらしい。
第一、飛行機から降ろされても、
ターキッシュ航空のスタッフは誰もいないのだ。
ターキッシュ航空のカウンターだって見当たらない。
ホテルに行かせてもらえるのか、
荷物はどうするのか、
次の便はいつなのか…。
「もう二度とこの航空会社は使わない!」
と鼻息荒く吐き捨てる赤毛の女の子。
ごもっともなんだけれど、
でも冬場の雪シーズンさえ避ければ、
安いし、ご飯はまあまあ美味しいし、
何しろアテネー東京間の乗り継ぎを考えると、捨てがたいエアラインなんだ。
とたまに合理主義になる私は思う。
他の乗客が向かう方向に、
ゾロゾロと着いていく。
「214番ゲートに行けばいいらしい」
誰かが言って、
とりあえず向かってみる。
何にしろ、アナウンスは皆無なのだ。
こういうとき、一度同じトラブルを経験しているのは強い。
何となく、直感で動ける。
一回目のときも、不安にはならなかった自分は、
本当に肝が据わっていると思うけれど。
同じ飛行機で見かけたような人たちと情報交換しながら、
迷っていそうな人に声をかけ合いながら、
導かれる方向に進む。
見知らぬ人たちと、運命共同体になる。
リアリティTVショーみたいだ。
こういうとき、チームで動くのは心強い。
1年前にイスタンブールで大雪のため30時間足留めをくらったときは、
旅慣れしていない若い女の子が相棒となった。
アイルランドだったかの出身の彼女は、
日本で英語の教師をしていて、
でもこんなトラブルには慣れていなくて、一人では泣きそうだから、
一緒に行動しても構わないかと着いてきた。
今回は、ベルギー出身の丸刈りのお兄ちゃんとなんとなくペアで動くことになった。
彼は年末に台湾で台湾人の方と結婚したばかりで、
日本で新婚旅行を楽しんだ帰りだった。
新妻は台湾経由で、あとでベルギー入りするから、
今回は一人だとか。
馴れ初めを聞きたい気持ちをぐっと堪えた。
だってまだ出会って15分くらいだから。
214番ゲートに着くと、
人だかりができていて、
ターキッシュ航空スタッフらしき人たちが、
パスポートを回収していた。
よし。
何とか光が見えた。
そこを突破したら、
今度は荷物を引き取って、
ホテルのクーポン券を貰う。ハズだ。
毎回のステップに、
ゲームみたいに難関が待っていて、
それをクリアして次に進むのだ。