地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

Never again?

2006年08月10日 | rwanda
94年のジェノサイド(大虐殺)から12年が経ったルワンダでは
今も「和解」のための様々な取り組みが行われているのだけれど
そのひとつに「インガンドゥ」というものがある

Solidarity campと訳されるもので
高校を卒業した若者が
大学に入る前に強制的に参加させられる合宿で
イメージは徴兵制みたいなものだ
数週間のものから 数ヶ月に及ぶものもある

詳しくは知らないのだけど
そこでは「和解」とか「民族融和」とか「ナショナリズム」とか、近隣国で難民として育った帰還民には「歴史」とかを学ばせるのだと聞いていた

ところが そこで銃の使い方も教えているというのだ


何故 一般市民が銃の使い方を学ばなければいけないのか?

しかも ルワンダのような歴史上稀に見る残虐な殺戮を経験した国が?
国が支援するキャンプで?

そのことで昨夜 ルワンダ人の知り合いとちょっとした激論になった


「自己防衛」だと彼は言った

何のために?

まだセンシティヴな関係にあるお隣のコンゴ民主共和国やウガンダからの、ということなら、まだ納得がいく

でもそれなら軍が迎え撃つはず


すると友人が言った
「みんなが銃の使い方を知っていれば
94年のジェノサイドではあんなに人が死ななくて良かったかもしれないんだ」

「じゃあ あなたはまたあのような殺戮があるかも知れないと言っているのですか?」

「その可能性は否定はできないよ」

それを聞いて私は 思わず涙してしまった


可能性は否定できない
そうかもしれない
でも3ヶ月間に80万人が死んだ戦争を経験して
全国民が「Never again」と誓っているなら
銃の使い方なんて知らなくてもいいじゃないか

それは能天気な日本人的発想なのかもしれない

「君たちは多額のお金があって 米軍が守ってくれるじゃないか」

そしてアフリカでは軍を頼っていられない
90年代以降のアフリカの紛争は
一般市民が 罪のない隣人を殺しあうのだ
自分で自分の身を守らなければいけない


でもルワンダのような歴史を経験した国に限っては
銃を使い方を国の支援で教えなくても良いではないか!

という私の考え方はナイーブで理想主義で能天気らしく
アフリカ人とはメンタリティが完全に食い違っているのは明らかで
埋められない差と現実に
南ア産ワインを飲み干す夜でした

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2 Comments

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あぁ (kas)
2006-08-10 21:32:08
絶対日本人にはワカラナイなにかが

絶対にあって、

でもこっちもいっぱい考えるけど、

やっぱり実際に体験した人は考えが

偏ると思います。

多分、それもすごーく考えて言っている

imonaoさんだと思うし私も同感なのですが、

私がジェノサイドを本当に体験したら…、

やっぱり"可能性はない"って言ってるとも

思います。

ムズカシイヨ…。。。
返信する
でもやっぱ。 (imonao)
2006-08-11 09:36:22
kasさんへ

理解できないですよー。

いくら自己防衛と言っても、銃は人を殺す目的でしかない。間違って使われる可能性もあるわけで。それを国が支援するなんて言語道断ですよ!何を企んでいるのか・・・。



それにしても、ジェノサイドがまたある可能性があるってルワンダ人から言われたのは本当にショックでした。そんなことあっていいわけないのに。
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