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⚠️ コロナワクチン普及後 自由に移動出来ないかも知れない

2021-03-19 23:48:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

コロナワクチン普及後、私たちが自由に移動できないかもしれない理由 中国製ワクチンに見る「分断の予感」
  現代ビジネス より  210319  石井 大智

 中国の大使館は中国製に限り新型コロナウイルス(COVID-19)へのワクチンを接種した人々へのビザの優遇措置を発表した。その一方で、EUはワクチンパスポートにおいて中国製のワクチンを対象としないとの報道があり、中国国営メディアはこのことを批判している。

ワクチンが世界に広まった後に、人々の移動は本当に自由になるのだろうか?

⚫︎中国製ワクチン接種者だけ特典
日本の中国大使館をはじめ、一部の中国の在外公館では新型コロナウイルスのワクチン接種者はビザ申請時に優遇を受けられるようになった。具体的には、中国で就労したい外国人がビザを申請する時にパンデミック発生前に必要だった書類だけを提出すればよくなった。

 コロナ拡大後、中国への入国要件は大幅に厳しくなった。コロナ前であれば、日本のパスポートを有していれば、そもそも15日間までの中国への渡航にビザは必要なかった。しかし、コロナ後は渡航先の省人民政府外事弁公室や商務庁などから発行された招聘状が必要となり、中国への渡航はかなり難しくなった。

 ワクチンを接種すれば、渡航の一つのハードルである当局からの招聘状が不要になり、以前と同じようにビザを申請できるようになる。このワクチンはビザ申請日から14日以内に接種されたものであれば1回の接種でもこの特典を受けることができるが、そのワクチンは必ず中国製でなければならないというルールが存在する。

 そもそも日本国内では中国製のワクチンは承認されていないので、日本国内では合法的に中国製ワクチンを接種することはできない。したがって、この特典を在日中国大使館が発表したとしても日本国内の中国渡航希望者には実際のところほとんど関係なく、これを中国のワクチンを世界に広めるための動きだと報じる日本のメディアも存在する。

⚫︎欧米も渡航緩和で中国製ワクチンを認めず?
 実は西側諸国でも中国のワクチンを渡航制限緩和の要件として認めない動きが存在する。ユーロニュースは欧州連合(EU)で検討されているワクチンパスポートは欧州医薬品庁(EMA)に承認されたワクチンのみが対象になるだろうと報じている。

 ワクチンパスポートとは新型コロナウイルスのワクチン接種を証明するものだ。この証明によって国境を越える人の移動の制限を緩和しようという動きが各国で見られる。EU加盟国の中でも特に観光業に依存する国々がワクチンパスポートの導入に前向きだ。

 この記事を書いている時点でEMAが承認しているワクチンには中国製のワクチンは含まれない。EUのワクチンパスポートの対象がEMAに承認されたワクチン接種者のみになれば、中国製のワクチン接種者はEUのワクチンパスポートの恩恵を受けられないという事態が発生する。

 これに関してはまだ詳細は何も決まっていない。それにもかかわらず、中国側からもすでに反応が出されている。中国国営メディアであるグローバル・タイムズ(環球時報)は、中国人民大学の教授が「EUは中国製ワクチンもワクチンパスポートの対象に含めるべきだ」と主張する記事をすでに発表している。

⚫︎世界を分断するかもしれないワクチン
 ワクチンパスポートやビザ申請の簡易化をはじめワクチン接種者への入国条件緩和措置はまだまだ現在進行中なので、今後どのような形になるかは現時点ではわからない。

 しかし、これまでワクチンをめぐる欧米諸国と中国の対立などを考慮するとワクチンパスポートはコロナ拡大前のような自由な移動をもたらすだけではなく、世界を分断する可能性も同時に有している。

 これまで述べてきたように特定のワクチンのみを移動制限緩和においても認める動きが進めば、同じワクチンを認めている地域の間の移動だけが復活することになる。

 例えば、中国が中国製ワクチン接種者への移動制限緩和のみを認めて、欧米諸国で生産されたワクチン接種者への移動制限緩和をいつまでも認めなければ、中国と中国製ワクチンを扱う国々の往来のみが活発化し、そうではない国に対しては現在のような「鎖国」が続くことになる。

「ワクチンナショナリズム」という言葉の通り、各国でどのワクチンを承認するのかというのは時に政治的なイシューになり得る。

 政治的対立が各国でのワクチン承認に影響を与え、それが人々の移動にも影響を与えるかもしれず、それによってさらに世界は分断されるのかもしれない(もちろんたとえ政治的対立がなかったとしても、単に安全性などを理由に特定のワクチンがある地域で承認されない可能性もあるが、それでももたらされる結果はさほど変わらない)。

⚫︎個々人に選択を迫るワクチン問題
 アメリカと中国の対立による世界のデカップリングが叫ばれて久しいので、これまでと同じ傾向が続くだけと思う人もいるだろう。

 しかし、ワクチン接種は日々流れる政治・経済ニュースと異なり、個々人の身体にかなり直接的に関わる行為だ。どのワクチンを接種するのかは単なるメディアで流れるニュースではなく、より多くの個々人に直接的選択を迫ってくる問題だと言える。

 筆者が住む香港は欧米メーカと中国メーカ両方のワクチン摂取が可能な地域の一つだ。現時点で香港では現在中国のシノバック(科興生物)の他、ドイツのビオンテックと中国の復星医薬が共同開発した二種類のワクチンが香港政府により市民に提供されている。

 香港に住む外国人の中には中国本土への入国時に特典が受けられる可能性の高い前者を選ぶ人もいれば、ドイツ企業が開発に関わるワクチンの方がヨーロッパ入国時に有利になるのではないかと考え後者を選ぶ人もいる。様々な情報と可能性が存在する中で、自らの仕事や家族の事情を考慮し、どちらかを選ばなければいけない状況に彼らは立たされている。

 ちなみに香港ではシノバック製のワクチンを接種した人々が相次いで死亡していることから、シノバック製のワクチン接種を避ける動きをいくつかの香港メディアは報じている。

 死亡者の一部について香港政府は死亡とシノバック製ワクチンは無関係と発表しているが、香港の現在の政治状況のもと香港政府や中国に不信感を持っている人々にとって香港政府による中国製ワクチンに関する発表は簡単に信じられるものではないだろう。

⚫︎ワクチンパスポート後の世界
このように新型コロナウイルスのワクチン接種は、接種ワクチンによる移動制限の違いなどによって世界の政治的分断に個々人をより直接的に巻き込んでいく可能性を有している。特にこれは香港のような複数のワクチンを市民が自ら選択できる地域においてはより顕著と言えるだろう。

ワクチンパスポート後の世界も私たちが知っているコロナ前の世界とは全く異なるものになるかもしれない。ワクチンもバイオポリティスから無縁ではないのだ。



💋おぞましい選択の世界が現出で… 情報統制の強い国は恐るべし。
新たなワクチン種による差別  本邦は利権と保身の政治家多しで…
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⚠️ 巨大地震リスクを抱えながら東京一極集中化を解消しない日本の思考停止 210319

2021-03-19 23:17:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

巨大地震リスクを抱えながら「東京一極集中」を解消しない日本の思考停止
   プレジデントOnlineより  210319   成毛 眞

 近い将来、確実に起こるといわれている南海トラフ地震と首都直下型地震。もし地震が起きれば、20年間の経済損失は首都直下型で778兆円、南海トラフで1410兆円になると推定されている。元日本マイクロソフト社長の成毛眞さんは「これほどの危機が認識されているにもかかわらず、抜本的な対策が打たれていない。これは思考停止だ」という――。
※本稿は、成毛眞『2040年の未来予測』(日経BP)の一部を再編集したものです

⚫︎巨大地震の被害は「国難級」
遠くない将来に確実起きるといわれているのが、南海トラフ地震と首都直下型地震である。

これらはどれくらいの確率で起きるだろうか。

 マグニチュード(M)9級の南海トラフは、30年以内に70~80%、M7級の首都直下型は30年以内に70%の確率で起きると予測されている。今後30年で交通事故に遭遇して怪我を負ったり、死んだりする確率(1.05%)よりはるかに高い。

 被害もすさまじい。南海トラフは、死者行方不明者数は最も多い場合だと23万1000人、全壊・全焼する建物は209万4000棟としている。

首都直下型地震の場合は、死者数は2万3000人、家屋の全壊・全焼は61万超棟と想定する。

 人的被害だけみても莫大だが、首都圏や東海という日本の屋台骨がダメージを負うので、経済の停滞も避けられない。

 電気や上下水道などのライフラインや交通が長期にわたり麻痺し、交通渋滞が数週間継続するかもしれない。鉄道も1週間から1カ月程度運転ができなくなるだろう。

 首都直下型の場合、避難者数は720万人に達すると想定されており、通常モードになるまで、混乱が数年、いや数十年続く可能性すらある。

 地震発生から20年間の経済損失は、首都直下型で778兆円、南海トラフで1410兆円になると推定している。建物の被害だけだとそれぞれ47兆円と170兆円だが、交通インフラが寸断されて工場が長期間止まる影響など、間接的な影響が重くのしかかる。

 国の年間予算が約100兆円だ。いかに巨大なリスクかがわかるだろうか。どちらの地震による被害も「国難」級だと指摘している。

 そして、この試算も、もしかしたら甘いかもしれない。
 というのも、政府は南海トラフ地震の被害を以前よりも低く見積もったからだ。防災意識が高まっているからとしているが、果たして、国民のどの程度が、今、日本が置かれている危機を想像できているだろうか。

 現在想定されている南海トラフ地震は東海地震、東南海地震、南海地震の震源が連動して起きる地震が濃厚だ。首都圏から九州までの広域な被害が生じる可能性が高い。日本全体が麻痺しかねない。

 おまけに、その時期を前後して、首都直下型地震も起きるリスクを抱えている。

⚫︎首都圏は、2つの巨大地震で壊滅的なダメージを受ける可能性が出てくる。

 経済活動の地方移転で被害額は大幅減少
だが、これほどの危機を認識しながらも、現状では抜本的対策を打ってきていない。

 たとえば首都直下型の場合、想定される死者の7割にあたる1万6000人は火災が原因だ。被災地全体で約2000件の火災が発生し、そのうち約600件は消火が間に合わず、同時多発的に大火災が起こると推測されている。

 建物の過密を減らし、耐震強化を徹底すれば、死者は想定される10分の1の2300人に減らせるという対策も示されているが、対策が進んでいる気配はない。

 また、間接の経済被害も、道路や港湾、堤防といったインフラの耐震工事などを進めれば、被害を抑えられるはずだろう。これらの対策には10兆円かかるが、778兆円の被害が530兆円程度に減る試算もある。

 財源の問題を指摘する声もあるだろう。それならば、東京一極集中を見直せばよい。経済活動の3割を地方に分散すれば、首都直下地震による被害額は219兆円軽減できるという試算もある。

 自然災害はパンデミックとは関係なく襲ってくる。近代日本ではこれらが重なったことはないが、1918~1920年に猛威をふるったスペイン風邪の3年後の1923年は、関東大震災が起こっている。

 弱り目に祟り目というが、こちらの都合に関係なくウイルスは到来するし、自然災害も起こる。巨大地震のリスクから目を背けている余裕はないのである。

⚫︎「富士山は100%噴火する」
 災害大国日本で想定しなければならないリスクは地震だけではない。火山だ。万が一、首都圏近郊で大噴火が起きれば影響は広範に及ぶ。京都大学大学院人間・環境学研究科の鎌田浩毅教授は「火山学的に富士山は100%噴火する」と断言している。

 日本の活火山は現在111あるが、このうち50を常時観測が必要な火山として、24時間体制で気象庁が監視している。

 たとえば、2019年から小規模噴火している浅間山がある。江戸時代の1783年に大噴火した際には1600人規模の死者を出した。噴火は約90日続き、火山灰は今の東京や千葉県にまで降り注いだ。

 富士山が最後に大規模噴火したのは1707年だが、そのときは16日間、噴火が続き、現在の東京の都心部に5センチ、横浜には10センチの火山灰が積もったとされる。

 5センチと聞くと影響がないように思えるかもしれないが、数ミリ積もるだけで、車道は通行不能になり、飛行機などもエンジンが動かなくなり、公共交通機関も麻痺するだろう。物流もストップする。

 インフラの崩壊は道路だけにとどまらない。東京湾周辺に集中する火力発電所の発電機は火山灰を吸い込んで動かなくなるだろうし、コンピューターに火山灰が入り込めば通信機能もダウンするはずだ。数センチも積もれば火山灰の重さで送電線は倒壊し、停電は長期化する。農作物も全滅だ。噴火で起きた泥流や火山灰が川をせきとめ、決壊などすれば流域では浸水などの被害もでる。

 数百年前に起きた噴火事例を参考に予測すると、こうした地獄絵図が広がる。「たられば」話に映るかもしれないが、現代の大都市で大規模な噴火の影響を受けたケースは世界的にも少なく、モデルケースがない。

 政府が試算した首都圏が受ける被害は、噴火後の15日目に都心部では10センチほど積もり、約5億立方メートルの火山灰を都内から撤去しなければならなくなる。これは東日本大震災で発生した廃棄物の10倍にあたる。政府も対策を検討している最中なのが実情だ。

 ちなみに、すぐに逃げようとしても、噴火から約3時間で都心は火山灰の直撃を受ける。国外へ逃げるのは難しいだろう。そして、国内ならばどこに逃げたところで、厳しい生活を強いられるはずだ。

⚫︎地震も噴火も起こる前提で備えよう
 おそらく1年以上、首都圏は機能しなくなる。日本経済が止まれば全世界の経済は滞り、世界のGDPは年率5%程度は下落するはずだ。

 株価は絶望的に下落するだろうし、不動産価値は紙くずになるはずだ。


⚫︎成毛眞『2040年の未来予測』(日経BP)
とはいえ、2040年代の日本は落ちぶれたとはいえ、いまだ世界有数の経済国であることは間違いないだろうから、ハイパーインフレにはなりにくい。世界経済のために、諸外国が支えてくれるだろう。

こう考えると、預貯金は金利の面ではうまみがないが、国内株や国内の不動産よりは、意外にも普通預貯金が目減りしないという意味では安全な資産になるかもしれない。いずれにせよ、そうしたリスクの震源地になる国に我々は住んでいることを忘れてはいけない。

日本ではこの300年ほど大きな噴火は起きていないが、歴史的には珍しい。逆にいえばいつ起きてもおかしくないともいえる。現代の科学の力では、地震や火山がいつ起きるかは正確に予測できないが、いつかは起きる前提での備えが必要だ。

成毛 眞(なるけ・まこと)
HONZ代表
1955年、北海道生まれ。中央大学商学部卒業。自動車部品メーカー、アスキーなどを経て、1986年、日本マイクロソフト入社。1991年、同社代表取締役社長就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社インスパイア設立。2010年、書評サイト「HONZ」を開設、代表を務める。



💋本当に不思議な話で… 死なば諸共思想か? 今の瞬間のみを生きる思想?
 災害は天災だが,分かってて対応放置の結果は人災。
  今も今までもこれからもあちこちで… なんまいだぶ。

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🚶‍♀️…隠元橋…宇治橋🔁 🚙〜右京ふれあい会館210319

2021-03-19 21:55:00 | 📖 日記
🚶‍♀️…右岸河川敷…隠元橋…左岸堤防道…左岸47km碑↩️…左岸河川敷…宇治橋…右岸堤防道…>
🚶‍♀️11335歩+451歩

☀️:隠元橋21℃:洗濯日和で散歩日和

🚙〜バイパス沿~1号線~桂川沿~葛野大路〜右京ふれあい会館↩️
 荷物運び…  か弱いし…
葛野大路=消防学校,京都外大.京都先端科学大がこの通りにあり,どれも新しい感じで
往:復=60:90分=13km:11km/ℓ 時間帯が… 前回の鳥の病院以来で市中入り、普段の混み具合復活か…
 洛外南東部から洛西北西部へ🚙移動時間帯がやばかった

夕)🌒七日月.♂,♉️アルデバランが近接👀📷 運良く👀

夜)🚙〜JR黄檗~フレスコ木幡〜>


黄砂にカスむ?

左岸49km付近より比叡山方面



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🔭 七日月🌒と火星とアルデバラン 210319

2021-03-19 20:36:00 | 🔭 観測 🌖
3つの星が近接
七日月🌒と火星♂とアルデバラン♉️一等星(牡牛座)を!👀🔭

20:22 

20:21 3つの星が!

19:56 iPhoneで



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💻⌘ 東北大が 確率ビット素子 開発に成功  ‘210318

2021-03-19 19:19:00 | 気になる モノ・コト

東北大が1秒間に1億回の動作が可能な「確率ビット素子」の開発に成功
     マイナビニュース より  210318 波留久泉

 東北大学ならびに科学技術振興機構(JST)は3月18日、非従来型コンピューターの1つである「確率論的コンピューター」の基盤をなす「確率ビット素子(疑似量子ビット)」として1秒間に1億回を超す状態更新の観測に成功したことを発表した。
 また、併せてこれまで着目されてこなかった動的磁化状態の「エントロピー」を考慮することで、その物理的起源が説明されることを示したことも発表された。

 同成果は、東北大 電気通信研究所の金井駿助教、同・早川佳祐大学院生、同・大野英男教授(現・東北大総長兼電気通信研究所所長)、同・深見俊輔教授らの研究チームによるもの。論文は2本執筆され、米物理学会が刊行する学術誌「Physical Review Letters」ならびに「Physical Review B」に連携論文として掲載された。

 現在のコンピューターは、情報単位ビットにおいて、情報を0と1の2進法で扱い、計算や記憶などを行っている。
 それは、電子の持つ電荷(電気)とスピン(磁気)の2つの性質を同時に工学的に利用するスピントロニクスの原理を用いた「不揮発性磁気メモリ(MRAM)」であっても同じであるが、そこでは各状態には必ず「ゆらぎ」が存在し、ある一定の確率で、ゆらぎによる情報の喪失(物忘れ)が起こることから、その頻度を十分に低減させながら、ほかの性能を向上させるための研究が進められてきた。

 2019年には東北大、米・パデュー大学の国際共同研究チームが磁気トンネル接合では、0と1の2状態間のエネルギー障壁が十分に高ければ「物忘れ」が抑制され、エネルギー障壁が低い場合は、2状態間の確率的な遷移を短い時間周期で繰り返すという性質が、量子コンピューターで用いられる情報単位である量子ビットと類似している点に着目し、量子ビットを模した確率ビットの開発に成功。
 1秒間に1000回程度ビット状態が書き換わる(物忘れをする)磁気トンネル接合素子を連結し、古典コンピューターが苦手とする最適化問題などを解く「確率論的コンピューター」の原理実証を行っている。

 確率論的コンピューターとは、短時間で出力信号が確率的に変化し、かつ各ビットを電気的に相関させられる確率ビットを情報処理の基本単位とした、自然現象を効率よく再現するためのコンピューターで、量子コンピューターとは本質的には異なるものの、一定の類似性があることから、量子コンピューターと並んで非従来型のコンピューターとして注目されている。

 また、熱ゆらぎによる状態の更新頻度が高いほど、計算の速度と精度の両方が向上するという特徴を持っているため、素早く「物忘れ」する磁気トンネル接合の開発が最重要課題の1つとなっていたという。

 そこで研究チームは今回、電気通信研究所に附属するナノ・スピン実験施設の設備を用いて、「面内磁化容易軸」(磁化の向きやすい方向)を持つ磁気トンネル接合を作製し、1秒間に1億回を超える状態更新の観測に成功したという。

 作製された磁気トンネル接合素子の構造。と、素子を上から撮影した走査型電子顕微鏡像。ならびに素子抵抗の外部磁場依存性と直流で測定した素子の抵抗の変化のイメージ (出所:東北大プレスリリースPDF)


 透過電圧を高速オシロスコープによって測定したところ、「磁気抵抗効果」により、平均8nsで0と1の状態間を高速に遷移していることが判明した。この結果は、従来の磁気トンネル接合の状態更新時間の世界最短記録980nsを大幅に短縮するものだという。

 超高速での磁気トンネル接合の状態更新の観測結果。明瞭に、状態0と1の間を遷移している様子が観測され、ナノ秒オーダーでの反転時間が観測されたことが示されたという (出所:東北大プレスリリースPDF)


 また、この高速化が磁化の熱ゆらぎに関する新しい理論的枠組みで説明できることも明らかにしたという。
 磁性体の磁化は磁場や「磁気異方性」の影響を受けて運動し、その挙動は絶対零度では決定論的運動方程式の「ランダウ・リフシッツ・ギルバート方程式」により導き出される一方で、有限温度では熱ゆらぎにより磁化の運動に確率性が生じるが、これはブラウン運動全般を記述する確率論的運動方程式の「フォッカー・プランク方程式」で記述されるとする。

 今回の研究でも、この2つの方程式を組み合わせた確率論的運動方程式が用いられ、実際に観測されたナノ秒での状態間遷移の挙動が数値計算シミュレーションにより再現できることが確認されたという。

 ある時刻で確定していた状態は、時間経過とともに徐々に状態の情報が不確かになり、最終的に状態を推定できなくなる。
 これが素子の「物忘れ」に相当するというが、この物忘れは不揮発性記憶素子では致命的な欠陥となるものの、確率ビットにおいては重要な駆動原理となり、これを言い換えると系の乱雑さ、すなわちエントロピーの増大と見なすことができるとしている。

 これまでエントロピーという概念は、磁性体を扱う確率論的運動方程式では積極的に考慮されてこなかったというが、今回の研究から、エントロピーが動的に変化する様子を理論計算により調べられ、エントロピーの増大速度が従う方程式が導出されることとなった。
 導出された方程式から、面内磁化容易軸を持つ磁性体において、垂直方向の磁気異方性の絶対値が大きいほどエントロピーが急速に増大し、「物忘れ」が高速に進むことが説明されたのだという。

 研究チームによれば、今回の研究で導かれた磁性体のエントロピーの時間変化に関する理論的枠組みは、学術的に広範な意味を有しているという。
 たとえば、磁性体には「歳差運動が高速であるほど、高速に磁化反転する」という経験則があるが、これは今回の方程式で統一的に説明することが可能だという。

 また、エントロピーの時間変化を明示的に扱う今回の研究は、統計力学で百年以上続いたミクロな可逆性とマクロな不可逆性の関係に関する議論に対し、近年大きな進展をもたらした「ゆらぎの定理」などとも関連が深く、スピントロニクスと非平衡統計物理学を密接に関連させるきっかけとなることが期待されるともしている。

 なお、今回の研究で開発された秒間1億回の状態更新を達成した素子に用いられている材料は、既存の半導路製造技術とも整合性が高いことから、高性能確率論的コンピューター実現の基盤となることが期待されると研究チームでは説明しているほか、今後は今回確立された超高速動作に関する理解と、これまでに構築されてきた演算技術、およびその基盤となる材料技術を向上させたつつ、高度に融合させることで、スピントロニクスを用いた高性能確率論的コンピューターの開発を加速していきたいとしている。
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