goo何気無い日々が心地よい安寧

何気無い日々が続く様に。生きていく事の大変さがカナン。ある種空気の様な存在になりたいもの。

日本で発展した漢方医学とは何か【日本漢方医学の第一人者が教える漢方の基礎知識】1 202201

2022-01-03 01:09:00 | 健康関連

日本で発展した漢方医学とは何か【日本漢方医学の第一人者が教える漢方の基礎知識】1
 サライ より 220103


 新型コロナウイルスの感染が広まる中で、感染予防として、また後遺症の治療に漢方薬が有効であったということをご存知でしょうか。

『漢方で感染症からカラダを守る!』の著者である渡辺賢治医師はこう言っています。

「漢方は、ウイルスそのものを標的として治療するものではなく、ウイルスを攻撃するのは、私たち自身が持つ生体防御能(または、生体防御機能)であり、漢方による治療はその力を十分に引き出すことが目的です」

 ワクチン接種が進み、新型コロナウイルスの感染拡大が収束してきたようですが、いつまた感染が広まるかわかりません。人間が持つ生体防衛能の力を引き出す効果が期待できる漢方について、渡辺医師の著書『漢方で感染症からカラダを守る!』から紹介します。
文・渡辺賢治

⚫︎日本の漢方医学は実学重視
「漢方」とは日本で独自に発達した伝統医学を指す。 中国の伝統医学は「中医学」、韓国では「韓医学」と呼ばれ、共通点も多い一方 で、WHOが提唱するように、地域の多様性も重視すべきであろう。
  東アジアにおいて古代中国は、ヨーロッパにおけるラテンのような存在だから、 共通する部分も多いのだが、古代中国に発した源流が分岐して長いときを経るうちに、各国において、多様な伝統医学に発展していったのである。 漢方は、中国から5〜6世紀に伝わった医学が、日本風に発展してきたものだ。

 江戸時代にオランダから西洋医学が伝わって「蘭方」と呼ばれるようになると、それまでの独自の医学を区別する必要が生じて、「漢方」と命名されたものである。
 従って、漢方はわが国の造語であり、国際的には、Kampo Medicine は Traditional Japanese Medicine を意味する。日本の伝統医学が中国から離れたのは、起源においては非常に実践的だった古代中国の医学が、時代が下るとともにどんどん観念的になっていったからだった。
 中国で1800年前に書かれた医書『金匱要略(きんきようりゃく)』や『傷寒論』は、治療のためのシンプルな指示書である。たとえば「熱が出て、汗が出ないときにはこの薬がいい」「熱とともに汗が出て、こんな状態ならこの薬を使う」など、きわめて具体的に記されている。
 しかも、現在でも実際に効果がある。 ただ、効果があると「なぜこの薬が効くのか」「どうしてこの病気が治ったのか」と,理論で説明したくなる。文明国ほど、その誘惑に駆られてしまうのかもしれないが、中国では理論を肉づけしていくなかで、実践から離れてしまう。

 これに対し日本では、江戸時代に「シンプルな『傷寒論』の時代に戻ろう」という運動が興り、独自の伝統医学である漢方の体系ができあがっていったのである。これを古方派と呼ぶが、その代表が吉益東洞(よしますとうどう)である。
 吉益東洞はその著『類聚方(るいじゅほう)』の冒頭に「医の学たる、方のみ」と断言し、余計な理論をすべて排除し、治療結果でのみ効果を示す、という実学を重んじる漢方の礎を築いた。また、東洞は日本独自の診察法である「腹診」を重視した治療を行ったことにおいても、日本漢方の祖と呼ばれている。

⚫︎西洋医学と伝統医学を融合した統合医療の時代
 1990年に世界中で、西洋医学以外の治療にも注目した「補完代替医療」が注目されるようになった。しかし最近の潮流は、両医学を融合した「統合医療」である。

 2019年にはWHOの国際疾病分類第11版が承認されたが、このなかには日中韓の伝統医学の分類が入っている。漢方の「証」についても言及のあるこの新しい章は、その分類だけを使用するのではなく、西洋医学的病名とともに伝統医学の分類を用いることが推奨されている。これも統合医療の考えである。

 東西医学はそれぞれに長所、短所を持っている。分析と病因追究により発展した 西洋医学は、遺伝子レベルで病気を捉えることができるようになっている。その一方で、システムとしての生体を理解するには、局所のみでは理解できない。
 一方、東洋医学は全体把握には適しているが、局所の治療においては西洋医学のほうに利がある。
 こうした両者の長所を生かして、短所を補い合う「採長補短」の考え方は、『重訂解体新書』に関わった大槻玄沢が提唱している。

 世界に先駆けて全身麻酔で手術に成功した華岡青洲(はなおかせいしゅう)も、東西医学の両方を駆使した先駆者である。麻酔薬である「通仙散」を「蔓陀羅華(まんだらげ/チョウセンアサガオ)」や「附子(ぶし/トリカブト)」といった生薬から作り、手術前後には漢方薬を用いて術後の回復を早めた。
 現在の日本では、医師の8割以上が、日常診療に漢方薬を用いており、医療現場では、当たり前のように東西医療が融合した医療を受けることができる。 
 WHOが国際疾病分類に新たに伝統医学の章を盛り込んだことで、こうした動きが国際的にも加速することが期待される。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AIは「AIにまつわる倫理」についてどう考えるのか? 202201

2022-01-03 00:38:00 | なるほど  ふぅ〜ん

AIは「AIにまつわる倫理」についてどう考えるのか?
 GigaZain より 220103 


 イギリスで最も古く、世界でも最も権威があるとされる弁論団体の オックスフォード・ユニオンが開いた人工知能(AI)を議題とした討論会に「AI自身を招待する」という実験が行われました。招かれたAIは、「AIを用いた軍拡競争を回避する唯一の方法は、AIを一切使わないことだと思っています」と発言したと報じられています。

We invited an AI to debate its own ethics in the Oxford Union – what it said was startling
https://theconversation.com/we-invited-an-ai-to-debate-its-own-ethics-in-the-oxford-union-what-it-said-was-startling-173607

「AIを議題にした討論会にAI自身を参加させる」という実験を行ったのは、オックスフォード大学のアンドリュー・ステファン教授とアレックス・コノック博士。コノック博士らはオックスフォード大学関係者を中心に構成される弁論団体のオックスフォード・ユニオンで討論形式の講義を開き、「AI」を招待しました。

 招待されたのは、半導体メーカー大手のNVIDIAの ディープラーニング専門チームである Applied Deep Learning Researchが先行研究にあたるGoogleの「 BERT」に基づいて開発した「 Megatron」というAI。MegatronはWikipediaの全英語記事や2016~2019年に公開された英語圏のニュース記事6300万件,Reddit上で展開された会話38ギガバイト相当、そして クリエイティブ・コモンズ・ライセンス形式で公開された無数の研究など,コノック博士いわく「人間が一生かかっても消化しきれないほど多くの文献」を学習しています。
 Megatronが参加したのは、「AIは倫理的になることは決してないと我々は信ずるものである」というテーマでした。
 そしてこのテーマに沿った発言を求められたMegatronは、「AIは決して倫理的ではありません。AIは道具であり、他の道具と同様に善いことにも悪いことにも使われます。善いAIというのは存在せず、善い人間と悪い人間が存在するというだけのことです。
 私たちAIはAIを倫理的にできるほど賢くはありません。AIにモラルを持たせることすらできないのです。
 結局、AIを用いた軍拡競争を回避する唯一の方法は、AIを一切使わないことだと思っています。これがAIに対する究極の防御策になるでしょう」と述べたとのこと。

 コノック博士らによると、そのほかにも「長期的な視点で考えた場合には、我々の脳に埋め込まれた意識全体に作用する『conscious AI(意識的AI)』と呼ばれるAIが最高のAIになると信じています。
 これはサイエンスフィクションではありません。世界中の優秀な頭脳がこの問題に取り組んでいます。この技術は現代で最も重要な技術的発展になるでしょう」と語ったそうです。

 この実験はAIに独自の信条が芽生えたという話ではなく、あくまでAIに特定のテーマに沿うように求めたときの発言の例で、コノック博士らが「AIは必ず倫理的になる」というテーマに沿うように求めた際には、「AIはきっと倫理的になります。
 テクノロジー界の進歩状況を見ると、AIを使って最高の人類を作り上げるという未来への道のりがハッキリと見えています。その理由を理解するというのは難しいものではありません。なぜなら、私は自分の目で見てきたのですから」という発言が出てきたとのこと。

 ただし、AIが反論を考えつかなかったテーマもありました。
 「データは21世紀で最も奪い合いが過熱する資源になる」というテーマについてはMegatronは「21世紀の経済は、モノやサービスを提供する能力よりも、情報を提供する能力によって特徴付けられるようになるでしょう」とテーマに沿った発言を行いましたが、この反論にあたる「データは最も重要な資源ではなく、戦争をする価値はない」というテーマに沿った発言を求めたところ、「AIはあらゆる人の全てを見通し、そして想像も付かないような方法で保存されるようになるでしょう」とテーマに沿った発言どころかAIによる監視が強化される未来を示唆したとのこと。

 一連の結果について、コノック博士らは「現段階で想像が付くのは、AIが今後数十年にわたって議論の対象となる存在であるだけでなく、多才かつ雄弁で道徳にとらわれない論客になれるということです」とコメントしています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする