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引退後「一気に老ける人」「若さを保つ人」の差📗『70歳が老化の分かれ道』 202201

2022-01-17 20:53:00 | 📗 この本

引退後「一気に老ける人」「若さを保つ人」の差
 東洋経済 onlain  より 220117  和田 秀樹:精神科医

⚫︎引退しても若々しい人は何をしているのか?
 70歳が人生の分かれ道! 引退後に一気に老ける人と若さを保ち続ける人は何が違うのか? 精神科医の和田秀樹氏による📗新刊『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)より一部抜粋・再構成してお届けします。
 いまの70代は若々しくなってきたとはいえ、この年代ならではのリスクもたくさん抱えています。その最たるものが、「意欲の低下」です。

 脳機能、運動機能の維持には、「使い続ける」ことが重要です。たとえば、40代、50代の人が何もせずゴロゴロと生活したとしても、足腰や脳機能が衰えることはまずありませんが、70代の人がそれをやるとすぐに運動機能、脳機能は衰えてしまいます。

⚫︎なぜ70代になると「意欲の低下」が起きるのか?
 70代というのは、意欲的に身体を動かしたり、頭を使ったりしないと、すぐに要介護になってしまうというリスクがあるのです。これは多くの高齢者自身もわかっていることではありますが、実際に、「使い続ける」ことを実践できる人はそう多くありません。

 なぜなら、頭では理解していても、70代になってくると、意欲の低下が進み、活動のレベルが低下してくるからです。何事にもやる気がわかず、興味がもてなくなって、人に会うこともおっくうになり、出不精になる傾向も出てきます。

 こういった「意欲の低下」は、脳の前頭葉の老化と、男性ホルモンの減少が主な原因となって引き起こされます。前頭葉の萎縮については、実は40代からすでに始まっていて、それが70代ともなると本格化してきます。そこに男性の場合は、男性ホルモンの減少も進んできますので、それが行動意欲の低下となって現れてきます。

 実は、この「意欲の低下」こそが、老化でいちばん怖いことなのです。病気やケガをきっかけに老け込んでいくということもありますが、加齢とともに老け込んでいくというときは、意欲の減退が要因となって一気に年老いていくのです。

 結局、どんなに身体を動かそう、脳機能を使おうと思っても、意欲がついてこないから、いろいろな活動をすることがおっくうで不活発になり、もっている機能が維持できなくなってくるのです。

 こうした「意欲の低下」が顕著となってくるのが、まさに70代と言えます。つまり、70代から80代に向けて元気に過ごすことができるかどうかは、70代においていかに「意欲の低下」を防ぐかにかかっています。
「意欲の低下」を防ぐには、日々の生活のなかで、前頭葉の機能と、男性ホルモンを活性化させることがとても重要になってきます。

 前頭葉とは,大脳の前方部分のことで,意欲や思考、創造などにかかわっている部分です。
 また,男性ホルモンも,性機能だけではなく,他者への関心や意欲にもかかわっています。
この2つの要素が、若いときのように維持できていると、日常の活動レベルを保つことができ、老化を遅らせて、若々しくいることができるのです。

⚫︎病気やケガで老いることも
「意欲の低下」以外にも、70代を襲うリスクにはさまざまなものがあります。もっともわかりやすいのは、病気やケガなどの健康上の問題です。大きな病気や、転倒によるケガなどから、70代の人が一気に老け込んでしまうということはよくあることです。

 がんや脳梗塞などの人もこの年代は増えてきますので、そういった病気にどう対処するかが重要になってきます。
 手術をするか、しないか。どういった検査をするか、どういった治療をするかといった、医療とのかかわり方において、重大な決断を迫られることもでてきます。

 意外に知られてはいませんが、うつ病も70代の大きなリスクです。うつになると、如実に身体を動かすことがおっくうになり、外にも出なくなります。たとえば、以前は頻繁に参加していた趣味の集まりや、顔見知りが集まる高齢者の「いこいの家」のような場所にいくら誘っても、絶対に行かないというようなことも起こってきます。

 食欲も確実に落ちるので、みるみるやせてしまいます。それも脂肪が落ちるのではなく、筋肉から落ちるという最悪の状況をたどるので、うつになると一気に老け込んでしまうのです。女性の場合は、女性ホルモンが減少してきますので、さらに骨粗しょう症の人も増えてきます。

 なんらかの持病がある人が70代では増えてきますので、医療とのかかわり方がその後の70代を左右する大きなポイントとなってきます。健康問題だけでなく、日々の生活面でも、70代は多くのリスクに囲まれています。

 長寿社会が進んだことで、これまで60代で迎えていた仕事からのリタイアも、今後は70代でリタイアする人が増えてくるはずです。

 介護についても、70代の子が親を介護するケースや、70歳を過ぎて、親との死別を経験するということも多くなるでしょう。

 長寿化によって、これまでは60代で迎えていたような人生のさまざまな節目を、70代になってから経験するケースが増えるはずです。これらの節目は、生活環境が一変する可能性があるという意味で、その後の老い方を大きく左右する危険性をはらんでいます。

 人生の節目をどう乗り越えていくかという意味でも、70代をどのように過ごすかが大事になってきていると言えます。

⚫︎どうすれば「老い」を遠ざけられるのか
 これまで述べてきたとおり、70代にとって重要なのは、身体機能も脳機能もいまもっているものを使い続けることです。70代の時期に意図的に使い続けていれば、80代、90代になって要介護となる時期を遅らせることができます。

 まずは、活動レベルを落とさないよう、「意欲の低下」を避け、前頭葉と男性ホルモンの活性化を促す必要があります。

 そして、意欲レベルの維持と同時に、70代にとっては、使い続ける「習慣づくり」が大切になります。

 なぜ70代にとって「習慣づくり」が大事かというと、多くの人が70代前後で仕事からリタイアするからです。

 働いているときであれば、ルーティンがあるので、必然的に活動せざるを得ませんが、リタイアをしてしまうと、これといって身体を動かしたり、頭を使ったりする理由がなくなってしまいます。
 つまり、この時期から、意図的に身体を動かそう、脳を使おうと習慣化しないと、運動機能も脳機能も使い続けることはできないということです。

 また、もう1つ、70代の習慣づくりが大事な理由があります。それは、70代で始めた習慣は80代以降も生涯にわたって続くということです。
 たとえば、70代で日ごろから歩こうと心がけて、散歩の習慣がついた人は、それを80歳になっても続けるものです。

 水泳をしよう、山登りをしようと70代のときに決めて習慣化した人は、80歳になっても、体力のある限りは続けるでしょう。山登りができなくなっても、それに代わる何かをやって、身体を動かそうという心がけだけは生涯続くに違いありません。

 運動だけでなく、観劇や絵画、囲碁将棋、俳句などの趣味の活動でも、70代で習慣化しているものは、80代になってそれをやめるということはなかなかありません。

 つまり,70代でつくった運動機能や脳機能を維持することに役立つ習慣は,一生涯にわたって続くことが多いのです。だから,70代で意図的によい習慣をつけることが大事なのです。

 もし、70代のうちに何もしなかったら、80代になってから新たな習慣をつくることは、かなり難しいと思います。身体機能は70代のころよりも落ちていますし、新しいことを始めようという意欲の面でも減退しているからです。
 だからこそ、現役時代に近い身体機能や意欲のある70代のうちに、よい習慣をつけることが大切なのです。

⚫︎80代でも元気さを保つために
 よく、会社勤めをしていたときはゴルフをしていたが、定年になったら自腹では行けないのでやめようと考えている人もいますが、そういった身体を動かすよい習慣がすでにあるのなら、それは70代になってもできるだけ続けたほうがいいのです。

 いまならゴルフ場でも価格破壊が起こっていますから、平日であれば、かなり安くプレーすることもできるでしょう。

 70代の人たちは、放っておけば何もせず、すぐに老け込んでいく危険性をもっています。だからこそ、機能維持のために意図的に振る舞うことが大切になってきます。このタイミングで、意識してよい習慣をつけることで、80代も元気さを保つことができるのです。
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🚶‍♀️…伏見区向島…太閤堤跡公園…🏪… 220117

2022-01-17 19:49:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸河川敷&中洲…隠元橋…左岸堤防道…同47km碑+…伏見区向島(鷹場…藤ノ木⇆…鷹場…清水⇆…)…左岸堤防道47.2km碑…隠元橋…右岸堤防道…莵道太閤橋…太閤堤跡公園…京阪宇治駅下…<京都宇治線>…🏪ローソン🍱…🚉…右岸堤防道…>
🚶‍♀️15870歩3kg

⛅️:隠元橋9℃:風やや強い
 右岸にて化学消防車🚒と🚔
  上空に消防🚁長く低空周回

🏪ローソン:明石焼,豚カレー饂飩,🍢,ナポリタン🍝と品数多く。

🌕:月の出撮れず,雲が周辺部に多く
 今日も夕焼けきれい


中洲より上流

中洲より下流



藤ノ木にて



十五夜🌕ウルフムーン月齢14.6



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⚠️ 中国から看護師の卵が大量にやってくる?日本の移民社会化が幕開けか  202201

2022-01-17 11:30:00 | 気になる モノ・コト

⚠️中国から看護師の卵が大量にやってくる?日本の移民社会化が幕開けか
 ダイヤモンド onlain より220117莫 邦富

⚫︎日本はどんどん移民社会に…
 コロナ禍の影響が続いている。新年早々、私は支援している企業のために、東京・上野の近くにある労働組合を訪れた。そこで、オフィスの一角に「移民社会20の提案」という小冊子がたくさん置かれていることに気が付いた。
 冊子の冒頭に、次のように書かれていた。
「2019年4月、改定『出入国管理及び難民認定法(入管法)』等が施行され、在留資格『特定技能』による移住労働者の受け入れが始まりました。
 これは、いわゆる『単純労働者は受け入れない』としてきたこれまでの政府の方針を転換するもので、今後、より多くの移民が日本で働き、暮らすようになるでしょう」

 筆者も2018年12月20日、本コラムで、「『中国人女工哀史』は解決したか、改正入管法でも積み残された企業側の責任」と題するリポートで、2019年4月から施行されることになった改正入管法を、「日本がいよいよ外国人労働者を実質的に受け入れる時代に突入したことを意味する」と書いた。

 移民社会の存在を認めるかどうかはさておき、外国人単純労働者が日本社会にどんどん入っていく事実はもはや覆い隠せない現実となっている。
 農業や介護、外食など14業種が、外国人単純労働者を導入する最初の業種となったが、そのリストに加えてもらえるように働きかけているその他の業種も多い。

 コロナ禍の影響で来日が足止めになっている外国人の数とその内訳を見れば、日本がすでにどれほど外国人労働者に依存しているのかは容易に想像ができる。

⚫︎中国人の技能実習生は減少傾向だが、増える可能性も
 技能実習生なども含む外国人労働者や留学生は来日する際、出入国在留管理庁(入管)から在留資格の事前認定を受ける必要がある。
 しかし、日本経済新聞によれば、新型コロナウイルスまん延防止の水際対策で来日できていない外国人が、昨年10月1日時点で約37万人に達している。その7割が、技能実習生や留学生だ。2020年1月以降に57万8000人に認定証明書を交付したが、うち37万1000人が来日できていない。

 山東省青島で人材派遣を業務としている知り合いの会社も、すでに来日ビザを手に入れた中国人技能実習生が120名いるにもかかわらず、日本への出発はいまだにできない状態が続いているという。

 新年に訪問した例の労働組合の責任者とは旧知の間柄だから、久しぶりの再会は自然に20年前との比較や思い出話になった。

「二十数年前、莫さんと一緒にはじめて千葉県銚子市を訪問したとき、自転車に乗って移動する研修生の大群が道路の向こうからやってくるのを見て、まるで中国のどこかの都市にいた錯覚を起こした。いまや僕が毎週訪れる相模湖周辺でも、このような光景が見られる。しかし、自転車に乗っているのはベトナムからの技能実習生だ」

 中国人技能実習生の減少傾向については、私がすでに2008年時点で、予見していた。当時、私は「やがて中国は労働者輸入国になる」という内容の記事を発表し、中国が外国人労働者を輸入し始めている実情を紹介している。
 5年単位のスパンで中国人技能実習生の増減を見るなら、私は減少傾向がこれからも続くと思う。しかし、短期間的にそのトレンドを測るなら、部分的に増える可能性もある。その大きな原因はやはりコロナ禍の影響によるものだ。

⚫︎今、中国人が日本に来るメリットは「敗者復活戦」
 コロナ感染の対策として、中国は「ゼロ感染」路線にこだわっている。そのため、西安など新規感染都市では、偏りすぎたロックダウン政策が施行されている。そのため大きな経済的打撃を受けており、企業の相次ぐ倒産、人員削減現象が各地で広く見られる。

 米系投資銀行ゴールドマン・サックス・グループは、今年の中国の経済成長率見通しを従来の4.8%から4.3%に引き下げた。感染力の強いオミクロン株の拡大で、新型コロナウイルス感染拡大を抑え込むのが一段と困難になっていることを理由に挙げている。

 一方、こうした局面を打破しようとする中国政府も、一連の安定化対策を打ち出した。たとえば、昨年12月中旬に開かれた中央経済会議では、雇用の安定、金融の安定、貿易の安定、外資の安定、投資の安定、期待の安定を意味する「六つの安定」(中国語で「六稳」)と、住民雇用の保障、基本的民生の保障、市場主体の保障、食糧・エネルギー安全の保障、産業チェーン・サプライチェーン安定の保障、末端の行政運営の保障を指す「六つの保障」 (中国語では「六保」)といった対策の継続実施をあらためて確認した。
「雇用優先政策の実施」「雇用は最大の民生」といった視点は、明らかに習近平国家主席の考えを表している。とにかく、雇用の安定化への関心は高い。

 そんな中国での就職難の現象に押されて、就職口が見つからない中国国内の一部の労働者が、技能実習生や特別技能生として日本に流れてくる可能性が非常に大きい。

 学歴社会の中国では、名門校に進学できない若者が出世コースから外される現象はかなり普遍化している。近年、日本の大学または専門学校の門をくぐったこうした若者は、日本留学に敗者復活戦の希望を懸けるケースがほとんどだ。技能実習生や特別技能生が日本に就職口を求める傾向が強まっているのも、こうしたプランを考えているからだ。

⚫︎介護業界を志望する若い中国人が
日本にやってくる可能性が高い裏事情
 私がよく知っている山東省の人材派遣会社は、コロナ禍の影響がまだ続く今でも、日本に渡って働く介護関係の人材を募集している。
 中国では、高齢者の身の回りの面倒を見る仕事が低く見られているため、若い女の子は目も向けないだろうと思い、募集対象を40歳以上の農村出身の中年女性に絞った。しかし、蓋を開けてみると、若い看護師のタマゴからの申し込みも相当あったという。

 びっくりしてその真意を調べたら、ある事情が見えてきた。

 急速に高齢化が進む中国では、これまでの成長路線の維持はもはや不可能と判断した不動産会社が、高級老人ホームなどの経営にかじを切った。そのため、各地に高級老人ホームが雨後の筍のように登場した。
 しかし、介護などの面でハイレベルのサービスを提供できる環境はまだ構築段階のケースが多い。その一因は、専門人材が非常に不足しているためだ。
 看護学校に通う若者たちは、そこに自分たちの敗者復活戦のチャンスを見いだしているのだ。中国ではまだ新規産業である介護分野の専門人材になれば、出世コースにあらためて乗ることができるし、高所得も夢ではないと思っている。だから、日本に赴く介護人材の募集に手を挙げたのだ。

 彼女たちは、日本で数年間、介護の現場で働いたら、その経歴とスキルが買われ、管理職として中国の老人ホームなどの福祉施設に迎えられる、とこれからの人生を組み立てているというわけだ。

 実際、私のところに日本で中国の介護人材を育成するプロジェクトの企画書を送ってきた中国の企業もある。
 そこには、日本で介護の経歴とスキルを一通り習得した中国人の介護分野の人材を月給2万元(約34万円)のスタートで雇用する、といった内容も書き込まれている。この額は、中国企業で働く一般大卒の給料をはるかに上回っている。間違いなく敗者復活の実現だ。

 これらの中国の介護人材は、おそらく初期段階では日本への定住を求めないだろう。しかし、日本での生活が長くなると、一部の人間がきっと移民として定住の道を選ぶかもしれない。

 年明け、東京から遠く離れた過疎化の地方も訪ね、コロナ禍の影響で一段と複雑になった外国人人材の就職現場を歩き回ってみた。町おこしの事業を始めようとする外国人経営者や地元の支援者などの声を聞くことができた。

 現場を見れば見るほど、日本は間違いなく移民社会になっていくだろうと思った。しかし、果たして理想的な移民社会が日本に構築できるのか。まだ読み切れないところが多く、予測困難だ。

 帰りの車の前方に、冬にもかかわらず虹が空に懸かっているのを見た。希望を持たせてくれた虹の橋に勇気を得た思いで東京への帰途に就いた。


💋人件費の最小化の一環でもある。国民不在。
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驚異的なスピードで新薬候補を特定! 「創薬の常識」を更新するインシリコ・メディシンのAI 202201

2022-01-17 11:27:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

驚異的なスピードで新薬候補を特定! 「創薬の常識」を更新するインシリコ・メディシンのAI
  MEDICAL DX より 220117 加藤 泰朗


■AI創薬のマイルストーン「ISM001-055」
 米国のAI創薬ベンチャーであるインシリコ・メディシンは2021年11月30日、オーストラリアでのマイクロドーズ試験(MD試験)✳︎ でISM001-055を初めて健康な人体に投与した、と発表した。

✳︎1990年代後半に英国で開発されたスクリーニング法。超微量の薬物を人体に投与し、新薬候補化合物のなかから最適なものを絞り込む試験。日本においては、2012年から実施されている。

 ISM001-055は、インシリコ・メディシンが独自に開発したエンドツーエンド(end to end)✳︎✳︎ のAI創薬プラットフォーム「pharma.AI」によって発見された、ファースト・イン・クラス(画期的新薬)となる可能性を秘めた新規生物学的ターゲットの低分子阻害剤。ターゲットになる疾患は、進行性慢性肺疾患の「特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis: IPF)」である。特発性肺線維症は、呼吸器系の希少疾患で、日本では特発性間質性肺炎の一病態として難病指定されている。

✳︎✳︎「エンドツーエンド深層学習とは、入力データが与えられてから結果を出力するまで多段の処理を必要としていた機械学習システムを、様々な処理を行う複数の層・モジュールを備えた一つの大きなニューラルネットワークに置き換えて学習を行うもの」(西田京介, 井島勇祐, 田良島周平(2018) 「エンドツーエンド深層学習のフロンティア」『電子情報通信学会誌』101(9): pp.920-925 )

 インシリコ・メディシンのCSOであるFeng Ren博士は、ISM001-055について「われわれが把握するかぎり、AIが発見した新規ターゲットにもとづく史上初の新規分子」と述べ、AI創薬の歴史におけるマイルストーンであると位置づけた。
 そのうえで、「われわれは生成生物学および生成化学の利用を含むエンドツーエンドのAIを活用したプラットフォームを用いて、新規生物学的ターゲットを発見し、医薬品のような特性を持つ新規分子を生成している。
 ISM001-055がまさにその最初の化合物であり、近い将来さらに多くの化合物が発見できることを期待している」と、pharma.AIの将来の活躍を展望した。

■驚異的な能力を発揮するAIプラットフォーム
 インシリコ・メディシンのAIプラットフォームpharma.AIの驚くべき能力のひとつは、新薬候補特定までの期間の短さにある。新薬のターゲット発見から前臨床候補の特定までの全プロセスを、18カ月で完了させている(しかもわずか260万ドルの資金で!)。通常ならば数年はかかることを考えれば驚くべき速さだ。

 じつは、同社のAIが驚異的な能力を発揮したことは初めてではない。2019年にも、同社は独自のGENTRL(generative tensorial reinforcement learning)システムを用いて、わずか21日間で線維症治療に役立つ可能性がある分子を設計したことを雑誌『Nature Biotechnology』に発表し、世界を驚かせている。

 ただし、同社創設者でありCEOのアレックス・ジャーヴォロンコフ博士は、Pharma AIの優位性は開発スピードや低コストだけではないという。

「今回達成した成果でもっとも素晴らしい点は、開発コストの削減や開発スピードの向上だけではなく、Pharma AIのプラットフォームが、この段階(新薬候補特定)に達するこれまでの確率の低さを克服できると示したこと。
 製薬会社が幅広い疾患に対する新たなターゲットを発見し、新たな分子を設計し、臨床試験を実施する例は非常に少なく、私が知るかぎり、これをAIで達成した例はない。
 前臨床段階でのターゲット発見の成功率は非常に低く、たとえ動物モデルでターゲットが検証されたあとでも、第II相試験の半数以上は、おもにターゲットの選択が要因で失敗している。ターゲット発見は、製薬業界の非常に大きな課題であり、ISM001-055では、複数の前臨床モデルにおける行動および安全性を評価するため、生物学および化学をつなぐエンドツーエンドのAIを利用した」

■AIが開く既存治療薬の可能性
 Pharma AIが成し遂げた功績に対して、インシリコ・メディシンの科学諮問委員会メンバーで、2013年にノーベル化学賞受賞者であるマイケル・レビット氏は、既存薬の転用(既存薬再開発:ドラッグリポジショニング)という観点から、次のように評価する。

「多くの場合、治療薬は、Aという病気のために作られた薬がBという異なる病気にも効くと判明するプロセスで偶発的に発見される。AIは情報を検索し、創薬のためのシグナルを探し当てる。この成果は偶然ではなく、再現性のある手法および手順であり、画期的なものである」

 新薬の開発には膨大な費用と、時間が必要だ。失敗するリスクも高い。既存薬再開発はいま、医薬品開発において重要なテーマとなっている。

 もちろん既存薬再開発は、これまでも行われてきた。古くは、抗血小板薬として使用されるアスピリンは、もとは解熱鎮痛剤として使用されていたものである。新型コロナウイルス感染症の治療薬として用いられている「レムデシビル」はエボラ出血熱の、「デキサメタゾン」は重症感染症や間質性肺炎などの治療薬だ。

 こうした既存薬再開発は、これまでセレンディピティ(幸運な偶然)に依存する部分が大きかった。それがいま、AI活用で変わろうとしている。
 事実、英国のスタートアップ、ベネボレントAIのAIシステムは、わずか数日でリウマチ薬の「バリシチニブ」が新型コロナ治療薬となる可能性を見いだした。

 Pharma AIのようなAIシステムの登場で、偶然性に依存しない、既存薬再開発の可能性は今後ますます広がるだろう。AIは、創薬の常識を更新しようとしている。
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タンパク質の構造を予測するAIが、「オミクロン株」の特異性を見通していた 202201

2022-01-17 11:13:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

 タンパク質の構造を予測するAIが、「オミクロン株」の特異性を見通していた
 WIRED より 220117


 南アフリカで感染が急拡大していた新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新しい株について、世界保健機関(WHO)が「懸念される変異株」に分類し、「オミクロン株」と命名したのは11月26日のことだった。
 その翌日、ブリティッシュコロンビア大学教授のスリラム・サブラマニアムは、オンラインで投稿されたゲノム配列をダウンロードし、オミクロン株のDNAサンプルを自身の研究室まで届けるよう発注をかけた。

 サブラマニアムの研究チームでは、電子顕微鏡を用いてタンパク質の3D構造を明らかにすることで、タンパク質の働きについて理解を深めようとしている。すでにいくつかの変異株に関しては、新型コロナウイルスがヒトの細胞に侵入する際に用いるスパイクタンパクの構造のマッピングを終えていた。

 オミクロン株の場合、その急速な感染の広がりを説明できると思われるようなDNAの変異が見られたことから、スパイクタンパクの詳細の解明は喫緊の課題と考えられていた。ところが、その週末にネットで買い物をしたその他の人々と同じように、サブラマニアムも忍耐強く待たなければならなかった。DNAが届くまでは、オミクロン株のタンパク質を顕微鏡で調べることはできなかったからだ。

⚫︎無料のAIによる予測の結果
 大陸の反対側に位置するノースカロライナ大学シャーロット校で計算機遺伝学を研究するコルビー・フォードもまた、時を同じくしてオミクロン株のスパイクタンパクについて考えていた。このときフォードは専門家も頭を悩ませていた同じ問題について、親族から質問を受けていた。
 既存のワクチンはオミクロン株には有効ではなくなるのか、という問題である。既存のワクチンは、以前の株のスパイクタンパクに対する免疫反応の起こし方を体に教えてくれるものだからだ。

 そこでフォードは実験用に発注をかけるのではなく、最近発明された近道を試すことにした。WHOがオミクロン株を命名したその日、フォードは無料の人工知能(AI)ソフトウェアを用いて、オミクロン株のゲノムでエンコードされているアミノ酸の配列からタンパク質の構造を予測しようとしたのである。

 約1時間でフォードは最初の結果を得て、それを素早くオンラインで公開した。こうしてフォードは12月上旬、ふたりの共同研究者と共にさらに詳細な論文を投稿し、この論文は現在すでに査読を通過している。この論文では、これまでの株に対する抗体はオミクロン株に対しては効果が下がるとの予測が示されている。

 サブラマニアムの研究室は、その後まもなくオミクロン株のDNAを受け取り、顕微鏡で構造を観察した結果と実際の抗体を用いた実験の結果を12月21日に公開した。フォードが予測したふたつの構造のうち、片方が「ほぼ正解」だったことがわかったのである。

 計算によると、中心部の原子の位置がわずか0.5オングストローム、つまり水素原子の半径分ほどずれていただけだった。「こうしたツールを用いることで、極めて短時間である程度の根拠がある推測ができるようになります。新型コロナウイルスの感染状況において、このスピード感は重要なことです」と、フォードは言う。
「これから何か新しいウイルスが出てきた際には、今回のような取り組みを誰かがすることになるでしょう」

⚫︎研究のあり方を変える技術
 オミクロン株のスパイクタンパクの構造を実験よりも前に予測できていたという状況は、AIによって分子生物学の潮目が最近になって大きく変わりつつあることを反映している。

 タンパク質の構造を正確に予測できる最初のソフトウェアが広く使えるようになったのは、オミクロン株出現のわずか数カ月前のことだった。アルファベット傘下で英国に本拠地があるAI企業DeepMind(ディープマインド)の研究チームとワシントン大学のチームが、開発競争を繰り広げた結果である。

 フォードは、これらの両方のソフトウェアパッケージを予測に利用した。どちらもオミクロン株に見られるような変異による小さな変化を予測できるように設計されていたわけではなく、また予測できているのか検証されていたわけでもない。このためフォードが得た結果は、決定的なものというより「可能性」を示す程度のものだった。

 一部の研究者からは、結果を疑う声も出ていた。しかし、タンパク質の構造を予測する強力なAIを簡単に試せたことは事実である。そこからは、最近のブレイクスルーとなる技術が、すでに生物学者の研究手法や考えを変えつつあるさまが読みとれる。

 ブリティッシュコロンビア大学のサブラマニアムは、自身の研究室で結果を出そうと実験を進める最中に、オミクロン株のスパイクタンパクの構造を予測するメールを4〜5件受け取ったと語る。「多くは単なる好奇心からでした」と、サブラマニアムは言う。

 今後も決定的な根拠になるのは直接測定の結果だが、AIによる予測はますます研究において中心的な役割を担うようになるだろうと、サブラマニアムはみている。それは将来的に新たな感染症が出てきた際も同じだ。「これは研究のあり方を劇的に変えるものです」と、サブラマニアムは言う。

 タンパク質のふるまいを決めるのは、その形状である。このため構造を知ることは、進化の研究から病原体に関する研究まで、あらゆる生物学の研究分野において有意義なことだ。創薬研究では、タンパク質の構造を解明することで、新たな治療の標的候補を明らかにできる可能性がある。

 タンパク質の構造決定は極めて複雑なものだ。タンパク質とは、生命体のゲノムにエンコードされた指示から組み立てられる複雑な分子で、酵素、抗体、そしてその他の生物が生きていく上で必要な機能の多くを担う。タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる分子が鎖のようにつながったもので、複雑な形状に折り畳まれることでさまざまなふるまいをするようになる。

 タンパク質の構造を解明するには、従来は実験室で骨の折れる作業が必要とされていた。約20万もの既知の構造は、どれもタンパク質を結晶化してX線を当てるという複雑なプロセスを通してマッピングされたものだ。サブラマニアムが使った電子顕微鏡のような新たな技術であれば高速化が可能だが、それでも難しいプロセスであることには変わりない。

⚫︎登場した2つの予測AI
 こうしたなか、コンピューターを使ってアミノ酸の配列からタンパク質の構造を予測するという長年の夢が、数十年にわたるゆるやかな進歩の末に突如として2020年末に現実のものになった。「AlphaFold」というディープマインドのソフトウェアは、タンパク質の構造予測コンテストにて極めて正確な結果を出せることがわかった。

 このためコンテストの共同発起人でメリーランド大学教授のジョン・モールトは、この問題は解決されたと宣言したほどである。「わたし自身、この問題に長年取り組んできました」と語るモールトにとって、ディープマインドの成果に触れたことは「とても特別な瞬間だった」という。

 一方で、この瞬間は一部の科学者をいら立たせる瞬間にもなった。ディープマインドは、「AlphaFold」の仕組みの詳細をすぐには公開しなかったのだ。「自分の分野でこのような大きな前進があったのに、その前進を土台にさらに先を目指すことができないという奇妙な状況に陥りました」と、ワシントン大学でタンパク質の構造予測に取り組んでいるデイヴィッド・ベイカーは語る。

 ベイカーの研究グループは、ディープマインドが明かしたいくつかのヒントを手がかりに、「RoseTTAFold」というオープンソースのソフトウェアを設計した。このソフトウェアは21年6月に公開されたもので「AlphaFold」に近いが、「AlphaFold」ほどパワフルなものにはなっていない。

 だが、どちらも10万を超える既知の構造を集めたデータベースを用いてトレーニングすることで、タンパク質の構造を予測できるようになった機械学習アルゴリズムを基にしている。この翌月になってディープマインドは研究の詳細を公開し、誰でも使えるよう「AlphaFold」をリリースした 
 突如として、タンパク質の構造を予測する2つの方法が世界に登場したのである。

 ベイカーの研究室で博士研究員を務め、「RoseTTAFold」の開発を率いたペク・ミンギョンは、生物学の研究でタンパク質の構造予測が短期間で標準的に用いられるようになったことに驚いていると言う。論文検索サイト「Google Scholar」によると、ワシントン大学とディープマインドがそれぞれのソフトウェアについ公開した論文は、公開後の短期間で計1,200本を超える学術論文で引用されている。

 新型コロナウイルスの研究において、現時点では「予測」が何かの決め手となった事例はない。だが、ペクは今後の感染症対策においては、予測がますます重要になると考えている。パンデミックを封じ込める答えをアルゴリズムが完全なかたちで導き出してくれることはないが、構造を予測することで科学者が戦略を立てる助けにはなるからだ。

「予測された構造があれば、最も重要な問題に実験リソースを集中させる上で役立ちます」と、ペクは言う。こうしてペクは、細胞への侵入を試みるタンパク質に抗体が結合した際の双方の構造を正確に予測できるように、「RoseTTAFold」の改良を試みている。実現すれば、このソフトウェアは感染症関連のプロジェクトでさらに有用なものになるだろう。

⚫︎指針としてのAIの重要性
 タンパク質の構造予測ソフトウェアは目覚しい成果を出しているものの、分子に関してすべてを教えてくれるわけではない。ソフトウェアが出力するものはタンパク質のたったひとつの静的な構造にすぎず、ほかの分子と相互作用する際のしなりや振動まではわからないのだ。

 これらのアルゴリズムは、既知の構造のデータベースを用いてトレーニングされている。データベースは自然界に見られるさまざまなパターンをすべて網羅しているわけではなく、実験的にマッピングしやすいものを中心にとりまとめられている。

 コペンハーゲン大学教授のクレステン・リンドルフ=ラーセンは、これらのアルゴリズムは今後さらに頻繁に使用されるようになり、有用性も増すだろうと予測している。しかし同時に、「この分野に携わる人々は、こうした方法がどのような場合に有効ではないのか、よりよく知る必要があります」とも語る。

 ブリティッシュコロンビア大学のサブラマニアムのオミクロン株に関する論文では、スパイクタンパクの構造に加えて、AIにとっては未開拓となる分野に関する結果も報告されている。それは、スパイクタンパクが標的となるヒトのタンパク質に結合することによって生じる構造である。

 この結果が示唆しているのは、今回の変異株に見られる構造上の変化によって、宿主細胞への結合力が増しており、さらにそれ以前の株に対する抗体の効果が下がっているということだ。この2点を組み合わせれば、オミクロン株がワクチン接種率の高い地域でも蔓延できる理由が説明されるように思われる。

「最終的な決め手になるのは、今後も直接的な測定です」と、サブラマニアムは言う。「構造を基に数十億ドル規模の創薬プログラムを計画するなら、実際の構造はどうなっているのか知りたいと考えるて当然でしょう」

 同時にサブラマニアムは、自身の実験の方針を決める際には、いまではときにAIによる予測を参考にすると言う。「AIによって問題への取り組み方が変わってきたのです」



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特集・新型コロナウイルスと「世界」の闘い
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💋この様な自由闊達な研究が出来るのも非共産主義政権下だから!歴史的事実。
 中露を見れば…コロナ禍に各地で軍事展開って…最悪
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