昔、統計を勉強したとき「ガベージイン・ガベージアウト」というものを知った。
ゴミのデータを使った統計の結果は、ゴミしかならないという教訓であった。また統計利用の危険性の警告でもあった。
厚生労働省は介護保険や生活保護などの政策を変えるにあたって、この統計をフルに活用している。
データをグラフ化して、これでもかというように結論を正当化している。
10日宮崎地裁で、国が2013年から行った生活保護費の基準引き下げは生存権を保障する憲法に違反すると断罪した。
引き下げは違法だということ。
判決の要旨を読んだ。
CPI(消費者物価指数)を使った「生活保護CPI」は、
「従前の改定方法 と異なる指標である物価に着目した改定方法 (デフレ調整)に基づく生活扶助基準の改定を採用するに当たり、基準部会等の外部の専門家による検討を経ずに行つており」
「生活扶助相当CPIの算出に当た っては 、テ レビやパ ソコンの価 格下落による影響を過大に評価した可能性がある 」
ずばり指摘している。
生活保護費を引き下げるため、統計の数値を意図的に選び、実態を反映させないようにする。
まさに統計によるゴマカシそのものであった。
生活保護受給者の生活感覚の方が正しかったわけだ。
ガベージイン・ガベージアウト
この言葉の意味することを厚労省は改めて見つめなおすことだ。
生活保護費の減額の違法判決は、宮崎地裁で5件目だ。
自公の政治家はどうするのか。
まだ上があると逃げるのか。
それとも真摯に向き合うのか。
政治家としての資質が問われる。