最近日本人脂質異常症例を対象としたJELIS(日本EPA脂質介入研究)の
結果が報告され、主要冠動脈イベント抑制(19%)におけるEPA(イコサペント
酸)の有用性明らかとなり、その臨床的意義が注目されている。特にメタボ症例
TG>150㎎、HDL-C<40㎎ではサブ解析では主要冠動脈イベントハザード比
が1.71となり、53%のイベント抑制が期待できる。二次予防はもちろん一次予
防効果も優位に期待できる。今回の研究ではスタチン単独とEPA+効果の検討
であるが、EPA維持効果の指標はEPA/AA(アラキドン酸)比が>0.75の維持
が重要とされている。EPAは青魚に豊富に含まれているn-3系多価不飽和脂肪
酸であるが、n-6系のAAとのバランスが重要視されている。30才台の若い人で
は0.2前後と低いと報告されており、EPA製剤であるエパデールS(900)2Tを
内服することで1.0以上を維持することが重要である。当院でも最近検討実施中
である。(個人的にはEPA製剤のアデイポネクチン増加作用やFFAあるいはRLP-
C改善作用に興味があります!)