この4月からDMの管理目標値に頻用されている平均血糖値HbA1cの
表記が変わることになった。従来の日本基準値(JDS)に0.4足したのが
国際基準値(NGSP)となるだけであるが、些か一般臨床では混乱する可
能性があるため、検査依頼会社からは暫くは同時記述で報告されてくるこ
とになっている。本質的に患者さんの血糖状態に変わりはない訳であるが、
その管理目標が変更されることになる。これ以上説明すると混乱して不安
になる患者さんもいると思われるので、詳細は省くが、日本基準では安定
HbA1cを測定しているのに対し、国際基準では不安定HbA1cも含めて
測定しているからであります。不安定Hbを拾うことで臨床的に不安定Hbが
増加する他の疾患では増幅されて測定される可能性があり、注意が必要で
あります。例えば貧血溶血性や先天性赤血球異常症あるいは肝臓病などや
異常蛋白を産生する免疫疾患や悪性リンパ腫では変調を来す可能性があり
ます。
しかし、これらの二次性疾患では賢明な医師の判断で決定されることであり、
DMで治療されている患者さんが必要以上に心配することはありません。
ですから安心して主治医の指導のもとDM治療を継続して頂きたいと思います。