ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

味覚異常(障害)について!!

2012年06月15日 09時24分38秒 | 診療&トピツクス

 最近「何を食べても味がしない」「食べると苦みや異味感がある」など

味覚異常を訴えて来院する患者さんが増加傾向にあります。本来耳鼻

科領域の疾患ではありますが、内科的見地から指導して改善している

方もおられます。一般に高齢者で、多くの薬剤を服用されている方が多

いと感じます。先ずは舌の状態が重要で形態的異常がないか診察させ

て頂きます。内科的に重要なのはDM(糖尿病)やシェーグレン症候群

などの免疫疾患です。また薬剤性も重要で、患者さんの内服薬の吟味

もさせて頂いております。特に長期に内服中の高血圧や安定剤、ホル

モン関連薬剤がその原因になることがあり、必要があれば減量・中止

するべきものもあります。その病因では味覚に関係する味覚センサー

である味蕾(みらい)が舌や上顎の奥に約7000個分布しており、味の

成分が味蕾中の味孔から味覚神経を経由して脳に伝わりますが、この

味蕾の異常では微量元素のZn(亜鉛)やFe(鉄)の欠乏が原因とされ

ており、血液検査で判ります。当然欠乏例ではこれを補充する薬剤や

食事指導(海産物や豆類、緑茶など)が有効であります。

我々が食べるファーストフードや清涼飲料水などではフェチン酸やポリリン

酸などの食品添加物が多く含まれており、Znの吸収を妨げる作用があり

ますので取り過ぎに注意が必要であります!!

味覚異常でお悩みの方は是非一度当院に御相談下さい!

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