奈良県明日香村奥山にある「奈良文化財研究所飛鳥資料館」において、11月9日(金) 午後1時30分から「古代の曲物技術でしおり作り」の体験会が行われました。
「曲げ物(まげもの)」の木製品が出土した「飛鳥池工房遺跡」をテーマにした、特別展の関連イベントです。
今回は、実験考古学「古代の曲物に迫る」の様子を紹介したいと思います。
現代も暮らしの道具としてお弁当箱や柄杓などに使われる「曲物」。その技術のはじまりは、古代にまで遡ります。飛鳥時代から現代まで使われる曲物の技術の詳細に学習するとともに、曲物の皮綴じ技術をいかした簡単な作品をつくる体験をしてきました。
今回のイベントでは、出土木製品の研究者や現代の曲物職人と一緒に、古代の遺跡から出土した曲物の実物を見ながら、現代にも通用する古代の曲物づくりの技に迫るというものです。また、曲物を桜の樹皮で綴じる「樺綴じ」を応用した「しおり」づくりを、曲物の材料をつかって体験しました。
前半は、出土木製品の研究者と、現代の曲物職人による解説が行われました。遺跡から出土した古代の曲物の実物と、現代の曲物を比較し曲物がつくられる際に用いられる技術などについて詳しく解説されました。
特に曲物の「綴じ」部分にスポットを当て、綴じる際に必要となる桜の樹皮の採集から加工の方法まで、映像と合わせて学習しました。
後半は、ミニワークショップ「しおり」作りでした。桜の樹皮で紐をつくり、それを薄い木の板に綴じて「しおり」にします。完成したしおりは、持ち帰ることができます。何とか、専門家のアドバイスを受けながら完成することが出来ました。
今回の実験考古学「古代の曲物に迫る」は、専門家のトークと工作体験を通して、古代のものづくりの技について学べる内容でした。古代の木材加工の技術を体験できて、とても有意義なひと時を過ごすことが出来ました!