奈良県明日香村、奥飛鳥に鎮座する日本一長い名前の神社である「飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社(あすかかわかみにいますうすたきひめのみことじんじゃ)」、栢森にある「加夜奈留美命神社」・坂田の「葛神社」を、今回紹介したいと思います。
『日本書紀』には、雨乞いが行われた地との記録が残っています。642(皇極元)年、日照りが続き、農作物が育たず、人々は飢えに苦しんでいました。
当時、政治の実権を握っていた蘇我氏が、先に雨乞いの儀式を行いましたが、少ししか雨が降らなかったようです。ところが「皇極天皇」が四方拝して雨乞いすると、雷が鳴って大雨が降りをしたようです。雨はしばらく降り続け、この地に恵みをもたらしました。その様子を見て、人々は大いに喜び、天皇の徳を称えたと記されています。
「飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社」には本殿はなく、拝殿後方の南淵山をご神体とする原始神道の神社です。神社前の飛鳥川は川幅が狭く、露岩の間を水が渦巻いている場所があり「八幡たぶ」と呼んでいます。社名は、渦巻き滝つ瀬となっている川水の様を「うずたき」と形容して、女神として祀ったものであろうと言われているようです。「皇極天皇」が雨乞いを行った場所は、このあたりではないかとも言われているようです。
栢森にある「加夜奈留美命神社」の摂社に、九頭神社(葛神社?) があります。祭神は龍神で、雨を司る祈雨・止雨の神として古来崇敬されてきた神です。
また、坂田にある「葛神社」は、古くから祀られている龍神さんです。「加夜奈留美命神社」の旧社地の説が有るようです。もとは「九頭竜大明神」と称されていたようです。
現在、坂田と祝戸の氏神さまです。拝殿には、明治の初めまで行われたとされる雨乞いの様子を描いた「明日香南無天踊り」と「龍神さんの龍」が、絵馬として奉納されています。
今回の「奥飛鳥」の歴史散策、歩いていて気持ちがよくとても有意義な時間を過ごすことができました!
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