奈良県明日香村には、色々な伝説が残っています。阪田という集落の奥に、「くつな石」という、村人が「神の宿る石」として崇めている石があります。
今回は、明日香村の伝説の一つである、神の宿る石「くつな石」伝説について紹介したいと思います。
ピラミッド状の墳丘を持つという「都塚古墳」から1kmほど斜面を上ったところに、「くつな石」という石が祀られています。
「くつな石」の由来は、「昔、この巨石に目を付けた石屋が石を切り出そうと、石鑿で「コン!」と一打ち…。すると石の割れ目から、赤い血が流れ出し、傷ついた蛇が顕れた。驚いた石屋はそのまま逃げ帰ったそうな。ところがその夜から、ひどい熱と激しい腹痛におそわれ、とうとう亡くなってしもうた。」
このことを聞いた村人たちは、これを「祟り(たたり)」として恐れ、敬い、此の石を「神の宿る石」として祀ったということだそうです。それが「くつな石」です。この辺りでは蛇のことを「くちな」と呼び、そこから「くつな石」になったのではないかと言われているようです。実際に見てみると、「くつな石」は不思議な色と形をした石でした。現地にある鳥居は、ボランティアの方たちが明日香の桧で制作し、奉納したものだそうです。
「くつな石」は、雨乞いの神としても知られているようです。昔は、よくここで雨乞いの祈祷がおこなわれ、霊験あらたかだったそうです。
入口近くの坂道をのぼると、眼下に阪田、島庄、岡の集落などの景色や、甘樫丘、遠くに二上山を望める絶景が見られました。
また、明日香村に残る伝説を探し求め、散策したいと思っています!
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