泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

福多かれ 「元興寺の節分」

2016年02月04日 20時41分31秒 | 散歩

2月3日は、大和の多くの神社や寺院で「節分」の催しが行われました。昨年は、東大寺二月堂の「節分」に参加しました。今年は、奈良町にある「元興寺」の節分に参加しましたので、紹介したいと思います。

「元興寺」は、我が国最初の本格仏教寺院とされている「法興寺(ほうこうじ)」までさかのぼります。「法興寺」とは、推古天皇4年(596)に時の権力者・蘇我馬子(そがのうまこ)が飛鳥に建立した寺で、一般には、"飛鳥寺”と呼んでいます。

和銅3年(710)に都が藤原京から平城京へ遷されました。その平城京遷都に伴って、「法興寺」も養老2年(718年)に飛鳥から平城京に移され、寺名も「元興寺」と改称されました。

「元興寺」では、節分行事の一つとして、本堂に不動明王を遷座して僧侶による供養が行なわれます。続いて本堂前で導師と行者衆による星祭・厄除け・招福祈願の柴燈大護摩供(さいとうおおごまく)と火渡りが修されます。剣技の奉納が終わると、元山上千光寺修験者によって柴燈大護摩供が執り行われます。最初に四方と護摩壇に破魔矢を放って結界を張る所作を行ない、二本が結界の外に放たれる縦・横・高さ、数メートルに組んだ薪で護摩を焚き、熾(お)き火の上を素足で火を渡る修行です。

先ず導師が火渡りをし、続いて火渡りの希望者が素足で次々と渡ります。護摩供養ではこれが火伏せと言う行法である不動明王を勧進して祈願を行います。願いを書いた護摩木を炎に投入し焼き尽くすことで、我々のけがれ、心の迷いや煩悩を護摩の火(不動明王の智慧の火)で焼き清めてもらおうというものです。

最後の催しである豆まきは、午後3時を少し過ぎて行われました。壇上に並んだ、しかまろくん・せんとくん・福男・福女からかけの声とともに豆袋がまかれました。豆まきは、鬼を追う神事から始まったとされ、一般的には「福は内」の掛け声に「鬼は外」が対句として使われていますが、「元興寺」の豆まきのかけ声は変わっていて、「福は内、鬼も内」です。

「元興寺」には「元興神(がごぜ)」という鬼がいて、悪者を退治すると言い伝えがあるそうです。そのため、掛け声は「福は内、鬼も内」と言うそうです。寺によると「鬼は外ではなく、自分の心の内にいる」という戒めからだということだそうです。

今回は、見学だけでしたが、来年は火の上を素足で渡る体験をしてみたいと思っています。さすがに、古(いにしえ)の都は、伝統的な催し物が多いですね!

                                 

 

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