●妻宛に県立病院へ手紙が届いている、と連絡を受けて、2週間弱。
やっと、久しぶり?に、県立病院の緩和ケア病棟へ行った。
18時、呼び出し鈴を押すと、しばらくして石川看護士が対応に出てきた。(おっと…、無用な詮索はしないで頂きたい!)
懐かしかった。
入院病棟にいた頃から、ちょくちょくお世話になっていた看護士だった。 わりと、あっさりした人である。
とりあえずの言葉に詰まった。
懐かしさと、ちょっとした無念さと…、その他、いろいろ…
涙を見せている場合じゃない。(俺は涙を見せない!…)
「大変お世話になり、ありがとうございました…」
「急で、大変だったでしょう。 少しは落ち着きました?」
ちょいと笑顔で、「まあ、こんな調子で…」
「ああ、よかった。」
「タイツ、探しているのですが、ちょっと、まだ見つかりません。もっと、よく探して、きっとお返しします。 手紙が届いているというので受取りに来ました。」
「あ、誰か、連絡したんですか?」
「はぁ、連絡がありまして…」
「あ、手紙はこれです。 タイツは急いでいないと思いますので、見つかってからで良いですよ。」
「はい…」
「気を落とされずに、がんばってくださいね。」
「あぁ、ありがとうございます。」
「きっと、探して、お返ししますので…」
「はい、気をつけて…」
おおむね、こんな会話だったような…
妻が亡くなった部屋をもう一度見たいような気がしたが、… 飲込んだ。 見たって、どうしようもない。
「では、失礼します。 ありがとうございました。 皆さんによろしくお伝えください。 それと、病棟時代にお世話になった、伊藤看護士にも…」
「もう、退職されましたよ。」
「もし、お会いする時があれば、よろしくお伝えください。 緩和ケア病棟に移って後も、ちょくちょくと来ていただいたようです。とても、励みになった、と言っていました。」
「はい、分かりました…」
という事で、緩和ケア病棟を後にした。
…
さて、手紙。
手紙の主は… 中島さん(おっと…)
妻が今の局に変わる前の局でお世話になった人…。 同じ地域の人。
お通夜で、はじめて会った。 気さくな人柄…
開こうとしたが、手が進まない。
妻に宛てた手紙…。 俺は読む資格が無い。
返すべきか?
……
……
妻の書類作成、証明書の請求で、頭の中をぐるぐる回っている。
49日法要の手配も、かけめぐっている。
うーーん。 何だか、整理がつかない。
今日、やっと、市役所で死亡証明書、除籍謄本を入手した。
明日は、郵便局へ行って手続きの書類を提出の予定。
その他、遺族年金の手配…… などなど。
何だか、せわしない。
意思決定が状況についていっていない。
土地問題も…
「真」に相談できる人がいない…
… 妻 だった …