ジャノメミシン米沢店

Yahoo!ブログから引っ越して来ました。

REFRAIN  HZL-T720

2012-10-19 07:59:26 | JUKI
長いこと仕舞いっぱなしで動かないというミシンの修理を依頼されました。

昔の全体が鋳物のミシンなら楽なのですが、プラスチック外装のミシンは、外装パーツの取り外しが難しいです。


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特に他社製はサービスマニュアルも有りませんから、隠れたところにビス止めして有ったりすると、それを探すのが大変。

ビスは緩めれば外れますが、フック止めも中々外れなくて苦労します。


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湿気の有るところにしまっていたそうで、内部にはカビ汚れもかなりついています。

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あちらこちらに錆も出ています。基板とか電装関係には錆やカビが影響していない様でしたが・・・


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スタートストップボタンと、ふり幅調節ボタンが動作不良、基板のマイクロスイッチが良くない様です。

年式からして、メーカーにも部品在庫は無いでしょうから、接点洗浄剤と復活剤で何とか機能回復しました。

外装パーツにも基板とかスイッチが付いているタイプのミシンは、修理の動作確認に組んで動かして、不具合が有ればまたバラして組んでの繰り返しに成るので、中々に大変です。

完璧に直った時には何かカチッと手ごたえを感じます。


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手応えの後はピカピカに磨き上げて完成です。

ポータブル職業用ミシン SPUR90

2012-08-26 19:05:36 | JUKI
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縫っていたら突然止まって動かなく成ったって修理依頼をいただきました。

現行販売の職業用ミシンとデザインは殆ど変りませんが、20年以上前のモデルです。

手元ランプは点く様ですのが、動かないのはフットコントローラーの故障か?モーターの故障か?

どうやらモーターのカーボンブラシが無く成っての故障の様でした。

カーボンブラシの在庫が無かったので取り寄せの間に分解掃除をいたしました。


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釜に糸が絡みついていましたので取り除こうとしましたが中々上手く取れないので釜を外して糸を取りました。


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お客様はかなりのヘビースモーカーで、ミシンもヤニ汚れ酷かったですが、写真じゃわかりにくいですが綺麗に汚れを落としてピカピカに成りました。

年式が古いので買い替えも考えて頂きましたが、同じ職業用ミシンに買い替えて頂けば使い勝手もそれ程変わらないのでしょうが、ミシンは道具ですから、新しいのに馴染むまでに抵抗が有るって事で・・・

カーボンブラシを新しくして機能回復いたしましたので、これからもソーイングライフを楽しんでいただきたいです。



MO-523

2012-05-08 18:46:54 | JUKI
全く、うんともすんとも言わなくなったロックミシンです。

使用年数も大分経つからと、下取りして買い替えて頂きましたが、全く動かない原因を探るべく分解いたしました。


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電気系統がどこかでショートしているのなら、もう手の施しようが無いでしょうが、どうやらモーターのカーボンブラシが無く成っちゃった事が動かない原因でした。


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指さしているところの黒●がカーボンブラシのキャップです。
外して消耗したカーボンブラシを新しいのに取り換えればモーターは動きます。


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内部の錆もかなり出ていましたし、外装のプラスチックパーツの劣化もかなり進んでいて、細かい所は柔軟性が無くポロポロと割れてしまいます。


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パーツ自体の劣化はどうしようも有りませんが、ロックミシンとしての機能は回復し、ちゃんとかがり縫いも出来ております。

とりあえず、ロックミシンの入門用に安いのが欲しいって方には良いかもしれません。


JUKI HZL-1000

2011-12-10 00:11:19 | JUKI
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スタートストップボタンが効かなくなったというJUKI HZL-1000の修理を承りました。

お預かりして最初に電源を入れた時には液晶パネルの表示も出ず、スタートストップボタン以外も無反応だったので、コンピューター基板自体がダメなのか?とも思いましたが、通電してしばらくしたら液晶パネル他も反応が出始め、スタートストップボタンの接触不良が確認できました。

分解してスタートストップ基盤を取り出して洗浄したいのですが、このミシンの分解は中々難しいです。


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ここまで分解するのに何本ビスを抜いたか?

今まで色んなミシンを修理してきましたが、このミシンが一番分解が厄介です。


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前カバーの内側のこれがSS(スタートストップ)基板です。

四角いグレーのラバーキャップを外して接点洗浄剤を掛けます。


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仮組してスイッチの反応を見ましたところ、洗浄前とは違ってスイッチの反応は良く成りました。


組み直して試し縫いをしましたら・・・

あれれ?

スタートストップ、ちゃんとスイッチは効きますが、モーターも回ってますが針が動きません。

ジャノメのミシンには無い機構ですが、このミシンは横縫いが出来ます。

布を横に動かして、ミシンの針の横のふり幅よりも大きい模様縫いが出来ます。


JUKI HZL1000

布が横に動いているのが解るでしょうか?

それと縫いはじめと縫い終わりに、ミシンが動いているのに針だけが動いていないの解りますか?


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赤い矢印の所が左右に動き、S字の所が外れて針が動かずに送り歯とか他の機構だけが動くって仕掛けが有るのですが、普通に針が動いて動作するようにする為に、S字が再度ロックされなければ針が動かないって事に成るのですが、ロックさせる時に針棒を押し戻すゴムブッシュが劣化して欠落していました。


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○で囲んだところの下部にゴムブッシュが付いていたのですが劣化して溶け落ちていましたのでウレタンを整形してアルミテープで固定しました。

アルミテープは接着力も強く形も整えやすいので、細工して修理するときには使いやすいですね。

接点洗浄でSSスイッチの動作も問題なく成りましたし、欠落したゴムブッシュの代わりも細工しましたので、これで問題なくこのミシンは蘇りました。




JUKI ロックミシンMO-503

2011-09-28 12:02:56 | JUKI
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JUKIの古いロックミシンの修理を承りました。

しばらく使っていなくて、はずみ車を回すと引っかかるような感じが有ると言うことで、私も最初は油切れかな?と思い、外装カバーを全部外し細部まで注油する事にしました。

古いミシンのプラスチックの外装パーツを外すのは緊張します。
経年劣化でプラスチックが硬化してもろくなっていますので、無理な力をかけると割れる事が有るので、慎重に外します。

後は注油すれば完了か?と、思いましたが、それでも引っかかる感じは無くならず、再度点検しますと、上ルーパーの軸の高さが変わっていました。


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①が上ルーパーの軸です。これが②の支持点の所で上下します。
下に下がった時に上ルーパー軸の上端が②に当たっていました。

③のネジを緩めて調節すれば良いのですが、他社製ですのでサービスマニュアルは無く、ジャノメのロックミシンのマニュアルを参考に、あとは長年の勘で調整いたしました。

普通のミシンは針と釜のタイミングの2点を合わせれば良いのですが、ロックミシンの場合は針と上ルーパー軸と下ルーパー軸の3点のタイミングが合わないと縫えません。

調整はやっぱり難しいですね。


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でも、綺麗な縫い目で縫えるようになりました。

ピタッと、修理が上手くいったときはとっても気持ちが良いです。