実家のご近所さんから下糸がグチャグチャに成っちゃうって事で修理依頼を受けました。
ご近所付き合いも有りますので並の半額の修理代でお引き受けしたのですが、これが中々厄介でした。
上の写真は修理が終わって綺麗に磨いた後のものですが、調子が悪くなってから何年もほったらかしだったようで、かなり埃が被ってました。
取り敢えずエアーで埃を飛ばし、全体に動きが悪いので分解して各部に注油しました。
他社製はカバー外すのも考え考えですが、Apricotは何度か修理してますので楽勝です。
組み立てて試し縫いをしようとすると細かい所が気になります。
下糸巻をしたらデクラッチが効かなくて針も動いてしまうのでもう一回分解してデクラッチ部分に注油しました。
下糸を入れようとしましたが蓋が跳ね上がらなくて開けにくい。
蓋のスプリングを調整し直しました。
上糸を掛けて針に糸を通そうとしたら糸通し器の高さ調整が狂ってました。
それも調整して試し縫いを・・・
やっぱり糸がグチャグチャに成ってしまいます。
針板の傷に糸が引っかかるのだろうか?と綺麗にヤスリで磨きましたが、それでもグチャグチャに成ってしまいます。
これは上糸の糸調節が効いてない時の症状だと思い当たりました。
試しに上糸を指で摘んで抵抗を掛けて縫うとそこそこ綺麗にぬえます。
このミシンの上糸調節器はジャノメには無い、ソレノイド(電磁石)を使った糸調節器です。
以前、ブラザーのミシンでやっぱりソレノイド使った糸調節器が、基盤の不具合で修理不可能だったことが有りましたが、これもか?と諦めかけました・・・
正常で有れば白いローラーが閉じて上糸を挟んで抵抗を掛けるのだと思いますがこのミシンのは開きっぱなしです。
ダメ元でいじってるうちに、この糸調節器の本来の動きが解ってきました。
あちこち油切れして動きが悪くなっていたように、この糸調節器自体の動きも固まって居ました。
注油して指で動かしながら油を馴染ませると正常に動くように成りました。
試し縫いの一針目の音でこのミシンが正常に成ったことが分かりましたな。
直らないかも?と諦めかけたのが直ったのは小躍りしたいくらい気持ち良かったのですが、直らなかったら買い替えてもらえたかな?
とも思うし、朝から晩まで掛かって修理しましたから、並の半額の修理代じゃなく並の倍の修理代貰っても良かったのでは?
などと思ってしまいます(笑)