Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

秋の読書月間 (2) 環境思想の歴史

2005-09-04 | Environment
 私は,同業者でも他の分野の専門家でも,同年代の人の書いたものや作品や研究には興味を惹かれる.

 本書の筆者,海上知明(うなかみ ともあき)氏は,私と同じ1960年生まれである.専門分野は異なるが,偶然にも私と同様に,企業に勤務しながら(日常の仕事とは別のテーマで),大学院で博士の学位を取得している.
 知り合いの環境関連分野の研究者から,「昔自分が講師をしていた公開講座をうけていた人が,その後学位をとって,博士論文を単行本としてまとめた本」として,本書を紹介された.
 博士論文の題目は「環境思想の体系と史的分析 : 多様化するエコロジー思想」である.本書は,280ページ以上あるが,「あとがき」によれば,元の博士論文を 1/3 程度に縮小したという....とすると,元の論文のページ数は?


 本書は,環境問題を,経済史,思想史の視点から,分類し体系的にまとめたものである.どんな分野でも,一見,技術の問題と思われる分野でも,思想や歴史的な背景を知ることは非常に重要である.それは,機械や情報通信の分野でも同様だと思う.


 環境問題について,技術や目先のことだけでなく,その背景の思想や歴史についても興味のある方にオススメの一冊.日本には,この手の分野の総説的な本は少ないらしいので,貴重な一冊と言えよう.



環境思想 歴史と体系
海上知明
NTT出版

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秋の読書月間 (1) 知識情報社会論 オープンソースIT戦略

2005-09-04 | IT
 最近米国に留学した知人に,ソフトウェアとビジネスに関する参考文献として勧めた一冊.

 筆者の 末松千尋先生 は,東工大で電子制御,スタンフォードで技術経営の修士,元マッキンゼーのコンサルタントで,独立して各種のコンサルティングを手がけ,現在は,京都大学の経済学研究科の教授.

 京都大学の経済学の博士論文(2004/11)の題目も「オープンソースと次世代IT戦略 : 価格ゼロ時代のビジネスモデル」なので,本書にまとめられている内容をベースとしたものが,博士論文となっていると思われる.
 博士論文の内容にも興味があるが,そちらはまだ入手していない.

 単なるオープンソースのビジネス論というより,知識情報社会論して読める.
 末松先生は,元々理工系の人のためか,普通の経済学やビジネスの本とはひと味も味も違う内容.

 これからの知識情報社会やそこでのビジネスに興味のある方にオススメの一冊.



オープンソースと次世代IT戦略―価格ゼロ時代のビジネスモデル
末松千尋
日本経済新聞社

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