眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

飛鳥ブームと松本清張「火の路」

2007-02-15 | 読んだ本
近年、飛鳥で次々とビックリする遺跡が発見されています。
蘇我氏に関する遺跡が多いのですが、それもそのはず飛鳥は日本の故郷と言うよりも、蘇我氏の本拠地だった場所ですからね。

聖徳太子が蘇我一族であったという知識をもつ人は少ないと思います。
中大兄皇子でさえ蘇我氏の女を娶っていて、飛鳥での紛争は骨肉の争いなのです。

法隆寺にシルクロードを経た、古代ギリシャ文化を書き表したのは和辻哲郎でしたが、昭和の50年頃の古代史ブームの火付け役の一人が松本清張です。
朝日新聞に連載された「火の路」で主人公の女性古代史学者の論文として、飛鳥でゾロアスター教が信仰されたという説を唱えました。

社会派推理小説で著名となった清張ですが、この作品を期に歴史の分野の著述が多くなっていきます。
このころは、いろいろな分野の人が古代史について思い思いの説を表せた時代でした。
今、読み返すと漫画的な荒唐無稽な説ばかりですね。
梅原猛もよく読みましたが、そのころから眉唾物と思っていました。

最近の飛鳥ブームは、遺跡という証拠が次々と出ているので、地味ですがかえってロマンを感じます。

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