映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『そこのみにて光輝く』

2014年05月21日 | Weblog
よい

呉美保 監督
綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎 出演

短い北の夏。ある出来事をきっかけに仕事を辞めてしまい、無為な毎日を過ごす男、佐藤達夫。ある日、パチンコ屋でひとりの青年、大城拓児と知り合う。彼は前科者でチンピラ風情ながら無垢で憎めない奴だった。そんな拓児は海辺に建つ粗末なバラックに家族と暮らしていた。そこで拓児の姉、千夏と運命的な出会いを果たす達夫。しかし千夏は家族を守るために自らの人生を諦め、絶望の中に生きていた。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347492





映画館で観た。

〈問題〉の設定・配置がふるくさいが、綾野剛と池脇千鶴にとって(もしかしたら菅田将暉にとっても)、代表作がひとつ増えたのではないか。

出演者全員の演技がすばらしいが、中でも池脇千鶴と高橋和也が抜群である。

主人公がイノセント(よく言えば純真、悪く言えば世間知らず)すぎて不愉快なのだが、それに似たものを池脇千鶴と菅田将暉も持っていて共鳴する展開になっている。

以下ネタバレ






あいまいな描き方だが、主人公は買春する目的で店に行ったのではなく、ひとりの部屋にもどりたくなかったから寄ったお店がたまたまそういうお店であっただけ、という印象。その後の金額を聞いて笑い出すのも、気になる女性の値段がとても安いことに笑ったわけだし、高橋に会いに行ってほとんどなにもできないのもイノセントで説明できる。

気になるところがふたつ。
あんな簡単に高橋和也がふたりが歩いているところを見かけるところと、火野正平がしつこく主人公を訪ねてくるところ。ちょっとありえない。もうすこし火野正平が綾野剛にこだわる理由がほしい。

『ブルージャスミン』

2014年05月21日 | Weblog
よい

ウディ・アレン 監督・脚本
ケイト・ブランシェット、アレック・ボールドウィン、ルイス・C・K、ボビー・カナヴェイル、アンドリュー・ダイス・クレイ、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード、マイケル・スタールバーグ 出演

ニューヨークでのセレブ生活が崩壊し、妹の住むサンフランシスコへとやって来たジャスミン。質素な生活を送る妹の厄介になりながらも、虚栄心が捨てられずに周囲にまるで馴染めない。おのずと精神もますます疲弊していく。それでも華やかな生活を諦めることができず、再びセレブな舞台への返り咲きを期して躍起になるジャスミンだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=347358





映画館で観た。

のべつまくなししゃべりまくって、精神的に弱く、耐えられない現実にぶちあたると必要以上に落ち込む(しかし、自殺するようなことはない)……。むかしのウディ・アレンをケイト・ブランシェットがやっている(笑)!

とてもいいデキだが、宝石店の前で妹の前夫(アンドリュー・ダイス・クレイ)に偶然出会うところが弱い。ひと工夫ほしかった。

『スプリング・ブレイカーズ』

2014年05月21日 | Weblog
ふつう

ハーモニー・コリン 監督・脚本
ジェームズ・フランコ、ヴァネッサ・ハジェンズ、セレーナ・ゴメス、アシュレイ・ベンソン、レイチェル・コリン 出演

退屈な日常にうんざりしているフェイス、キャンディ、ブリット、コティの仲良し女子大生4人組。誰もが浮かれるスプリング・ブレイクがやって来るというのに、お金がなくて遊びに行くこともできない。ならばと4人は、ゲーム感覚で深夜のダイナーを襲撃、まんまと大金を手に入れる。こうして念願のフロリダ旅行に繰り出した4人。降り注ぐ太陽と美しいビーチにテンションも上がりまくりで、パーティ三昧の日々を満喫する。ところがハメを外しすぎて、ついに警察の厄介に。そんな窮地を、見るからに怪しげなドラッグ・ディーラー、エイリアンに救われる4人だったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=343977





エイリアン(ジェームズ・フランコ)弱すぎ! 4人の女の子たちのどこあたりが気に入ったのかもわからない。

これは都市脱出映画の範疇にはいるのか?

『欲望のバージニア』

2014年05月21日 | Weblog
よい

ジョン・ヒルコート 監督
シャイア・ラブーフ、トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ミア・ワシコウスカ、ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ガイ・ピアース、デイン・デハーン 出演

1931年、バージニア州フランクリン。そこは、禁酒法時代にあって、酒の密造がもっとも盛んな街のひとつ。そんな無法の街で密造酒ビジネスを手がけるのが、ハワードとフォレストのボンデュラント兄弟。2人の弟で末っ子のジャックは牧師の娘バーサにご執心で、自分も早く大きな商売をしたいと野心を燃やしていた。一方、都会から流れてきた謎めいた女マギーが街に現われ、兄弟が経営する酒場で働き始める。そんな中、新たな取締官レイクスがフランクリンに赴任。すると彼は着任早々、密造酒業者に対して高額な賄賂を要求、従わない者には容赦のない制裁を行っていく。同じようにボンデュラント兄弟にも賄賂を要求するレイクスに対し、決然とこれ拒否をするフォレストだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=345180





すべて、ぜ~~んぶ、ジャック(シャイア・ラブーフ)のせいである。バカで思慮が足りず、根性なしのくせに自分の欲望のままに動くから、あ~ゆ~ことになってしまうのだ。

レイクス(ガイ・ピアース)のいやな男っぷりと、フォレスト(トム・ハーディ)の寡黙ながらもやるときはやる男との間接・直接的な対立を楽しもう。

ゲイリー・オールドマンがあまり活躍しないのが残念。

『ビザンチウム』

2014年05月21日 | Weblog
よい

ニール・ジョーダン 監督
ジェマ・アータートン、シアーシャ・ローナン、サム・ライリー、ジョニー・リー・ミラー、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ 出演

海辺の寂れた保養地に現われた謎めいた美女ふたり。儚げな16歳の少女エレノアと8歳年上の妖艶なクララ。クララは街で出会った青年を言葉巧みに丸め込み、彼が所有するゲストハウスに身を寄せると、いつの間にか女たちを集めて娼館を開いてしまう。一方、ひとり静かに過ごすエレノアは、難病で余命わずかの若者フランクと出会い、恋に落ちる。しかしクララとエレノアには、決して誰にも明かせない秘密があった。ふたりは人の生き血を吸い、永遠の命を生きるヴァンパイアの母娘だったのだ。やがて愛するフランクには本当のことを打ち明けたいと苦悩するエレノアだったが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346298#1





設定がおもしろいヴァンパイアもの。

本作では、人間に死を与えるものであり、なおかつ新しい生を与えるものでもある存在としてヴァンパイアが描かれている。

また従来のヴァンパイアものでは、吸われたものはみんなヴァンパイアになるというのが多かったが、本作ではその「なり方」にも工夫が凝らされている。

シアーシャ・ローナン演じるエレノアも島へ行ったということなのか?

『オン・ザ・ロード』

2014年05月21日 | Weblog
ふつう

ウォルター・サレス 監督
サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワート、エイミー・アダムス、トム・スターリッジ、キルステン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセン 出演

ニューヨークに暮らす若い作家サル・パラダイス。父親を亡くして喪失感に苛まれていた彼の日常は、西部からやって来た風変わりな若者ディーン・モリアーティとの出会いによって一変する。少年院上がりの彼はセックスとドラッグにまみれ、おまけに美しい妻メリールウはまだ16歳の少女。常識に囚われない刹那的で型破りな生き方にサルは心を奪われる。その後、故郷のデンヴァーに戻ったディーンの誘いを受け、ヒッチハイクでデンヴァーを目指すサル。やがて天衣無縫なディーンとともに広大なアメリカ大陸を放浪する彼は、かけがえのない出会いや経験を重ねていくのだが……。
ストーリーはallcinemaより
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=345789#1





ケルアック、バロウズ、ギンズバーグなどに興味がある人には一見の価値ありで、そうじゃない人にはいまいち……な作品。

ケルアックの原作はおおむかし、『路上』時代に読んだことがある。今は『オン・ザ・ロード』になっているらしい。
そのときの印象はとにかく貧乏暮らし。トウモロコシや綿花の収穫で日銭を稼ぎながら大陸を移動し、ときどき酒とドラッグがはいる。後半では強力なドラッグの噂を聞いて南へ行ったのではなかったか。

サル・パラダイスがジャック・ケルアックで、カーロ・マルクスがアレン・ギンズバーグ、オールド・ブル・リー(ヴィゴ・モーテンセン!)がウィリアム・バロウズだということは知っておいたほうがいいかもしれない。


ようやく中身にはいるが(笑)、人間関係と地理関係が日本人にはわかりにくい。

そして、なぜこうしたのかわからないが、時間も飛びすぎである。余計にわかりにくくなっている。

旅の途中で仲良くなった女の子と別れる。女の子たちはニューヨークへ行くという。主人公は別れたあとで特になにか目的があるようには描かれていなくて、遅れてニューヨークへ行く。なぜ(笑)? いっしょに行けや。

路上よりも街でのできごとに比重をおきすぎである。

あのエンディングもとってつけたような感じである。