【ステーキ漂流記】第4章
31軒目(新規378軒目)「鉄板牧場 水道橋店」(水道橋)
【ステーキ漂流記】、久しぶりに1週間ブランクが空いてしまった。
一番大きいのはずばり忙しかったからにつきる。働いて映画を観ての繰り返し。
唯一、11月4日に食べるチャンスがあったかと思いきや、お昼時に人気店に行き、時間の余裕が取れなかったので行きそびれてしまった。改めてステーキが精神的、健康的、物理的に余裕がないと食べられない物だということを思い知らされた。
そして今日は休日。ようやく丸1日休めるのが1週間ぶり。連休中も働いていて、空いた時間は映画だった。ようやくステーキが食える。前の日に水道橋に行った時にマーキングした店があった。マーキングとか言うと犬みたいだが、馴れない街はこれが重要。自分の足で街を知る。
昨日は水道橋とは行っても三崎町方面を散策した。地区で言えば本当は千代田区扱いになるが、最寄り駅は水道橋。水道橋は文京区扱いにしている。文京区、少ないから水道橋の時は文京区扱いにしようと思う。
三崎町はかつて、とある方から文章を教わった時によく通った場所。実は馴染みがある地。改めて散策して分かったが、三崎町はまず中華料理屋が多い。前に三崎町に通っていた時はいつも中華料理屋ばかりに行っていた。次に、チェーン店が多い。ステーキに関係ない店なら「笑笑」、「銀だこ」、「PRONTO」、「ゴーゴーカレー」などがある。ステーキなら三崎町側は「ペッパーランチ」や白山通り沿いに「ふらんす亭」。後楽園遊園地の近辺なら「いきなり!ステーキ」や「くいしんぼ」がある。あまり知らない街に行って、チェーン店から行くのもなんだかね。仕方ないんだけど。
あ、「銀だこ」の隣に肉バルが出来てたが、肉バルは夜のお店。あと最近チェーン店が出来てる「ワインの店 DU PUNT」もあったり、ワインバーも目についたがバーやバルは夜の店だから時間が合わない。PRONTOの近くでもう一軒、肉バルを見つけた。つまり、水道橋界隈は夜が勝負の街、と思う。
考えてみればプロ野球の巨人戦が終わるのは夕方から夜だし、東京ドームでやるアイドルのコンサートも夜だ。そうなると昼間の三崎町は生気がない。ゴーストタウンとまでは言わないが、ドラゴンクエストで言えば昼間は何もない街が夜にもどると武器屋も道具屋も賑わっている。あの感覚だ。
例外もある。三崎町2丁目界隈は日本一のマンモス大学のN本大学を中心に学生の街になる。安い洋食屋がちょこちょこあるのはそのためかと思う。そんな中で今回の店「鉄板牧場」を発見。
「鉄板牧場」もチェーン店と言えばチェーン店だけどあんまり見ないよね。びっくりしたのはキリのメニューが650円。これは安い。
ちょっと考えた。
「ペッパーランチ」、「くいしんぼ」、「ふらんす亭」、あと肉バルと「ワインの店 DU PUNT」にはある共通点がある。ずばり、安い店、である。客筋が日本一のマンモス大学であるN本大学の学生とジャニーズやAKB系のアイドルコンサートの客が中心……となると、10~20代が中心になる。いや、そうじゃない客層ももちろんいる。巨人ファンと後楽園の場外馬券売り場にいる人々などだ。つまり、食文化よりも音楽やスポーツ観戦を優先する比較的エンゲル係数が低い人達が集う街なんだ、と三崎町界隈を歩きながら思った。食事は1000円前後で済ませたい。だから、似たような中華料理屋やどこにでもあるチェーン店が多い。探せばあるのかもしれないが、ちょっと入って3000円から5000円のグルメを堪能出来る店が見当たらない。同じくチェーン店が多い錦糸町とは微妙に違う。
そこに来て「鉄板牧場」はリーズナブルな店。駅からは7~10分とちょっと歩く位置だが、何よりもN本大学の目と鼻の先。彼らが客層の中心となるとお手頃価格と言える。
街の観察で前置きが非常に長くなってしまったが、店に入る。
昼時少し過ぎたぐらいなのに客は10人ぐらいしかいない。しかも10人の内6人は若い団体客で、二日酔いなのか昼間からぐてーっとしている。持ち物から見ると、どうやらN大の軽音楽部の連中みたいだ。他は遅いお昼のサラリーマン。
なるべく人が写らないように撮りたいから店内写真が撮れない。ボクは10席あるU字型のカウンターに座る。他は4人がけテーブル×2、あとN大生がいる6人がけ×1で24人のキャパシティになる。このキャパとU字型のカウンターからして、元は牛丼屋かカレー屋のチェーン店じゃないかと思うが、裏路地にカレー屋があったので恐らく牛丼屋だったんだろう。
接客と調理は20代ぐらいのアジア系の兄ちゃんのワンオペレーション。え? ワンオペで大丈夫なの? だからかな、カウンターなんかがちょっと汚い。汚いついでに書くとトイレが今時和式なのにちょっと驚いた。建物自体は古いのが改めて分かる。
しばらく待って、ようやく鉄板ステーキが配膳。
100gなので少ないがお試しには頃合い。
まずは一口。
硬くはない。
旨味はさすがにないが……まあまあかな。
二口目。
硬くない。
悪くない。
ここまでは可でも不可でもないが、650円にしては悪くない。
ステーキ用のタレをつけて三口目。
ステーキ用とあるから当たり前だがタレがステーキにあってる。いいんじゃないかな?
肉がちょっと薄いカットステーキなので、ステーキというよりは焼き肉を食べている気分だが、悪くはない。学生さん用なのかもやしがやたら多く、フライドポテトもゴロリとあり、食べ終わった後にそこそこの満足感がある。
もちろん凄くはないが、650円だけどこれなら合格点をだせる。650円も出したのに肉が少ないと思うヤツもいるかもしれないが、安い「サイゼリヤ」や「ガスト」だって999円はする。かと言って「天狗」他居酒屋のサイコロステーキにありがちなカチカチなステーキでもなかった。いや、「サイゼリヤ」や「ガスト」よりはいいんじゃないかな。少なくとも、また行きたいと思っている。不思議とね。来年になるだろうけど。
次回行く時はディナーでちゃんとしたのを食べたい。
総合:★★★★
素材:★★★
グリル:★★★★
タレ:★★★
付け合わせ:★★★
雰囲気:★★
アクセス:★★
リーズナブル:★★★★★