世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

愚人の自画像

2016-12-21 04:17:08 | 黄昏美術館


ジョルジョ・デ・キリコ


原題「裸の自画像」

これは、過去世でみだらな罪を犯したことのある男が、他人から顔を盗んで自分を作ったということが、明らかにわかる例である。

顔の雰囲気と体の雰囲気があっていない。

顔のつくりがいやに派手なのは、パーツごとに切り取って他人から奪い、霊体の顔にくっつけてあるからだ。だから顔がばらばらなのである。

他人になりたかったのだという心が、目から見えている。その目の印象から見える本当の顔は、もっと小さく、いやらしい。

自分の正体を隠したい心がこういう顔を作るのである。






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古典的風景の中の男

2016-12-20 04:17:30 | 黄昏美術館


ジェームズ・グリーソン


これは神の世界に、盗んだ富で幻の自分を作ろうとした男の、目論見である。

馬鹿な男はこういうことをしようとしたのだ。

もう豊かな人間の世界にはいられないはずの、貧しい男が、愛に祝福された風景の中に、無理矢理自分が存在できる場所を得ようとして、あらゆるあがきをした姿である。






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ムーヴメント・1

2016-12-19 04:17:11 | 黄昏美術館


ワシリー・カンディンスキー


20世紀の芸術は、迷走し始めた人間の魂の彷徨の軌跡を物語っている。

これは本来芸術などと言えるものではないが、あらゆる理屈で武装して芸術にしている。カンディンスキーはこれで名声を得て、女性も得た。

色彩やリズムは感じるが、人間の人間らしい魂の活動はない。

まるで昆虫の活動のようである。

人間はこういう芸術表現を通して、自分を否定し続けてきたのである。






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二人の女

2016-12-18 04:22:59 | 黄昏美術館


ジャン・メッツァンジェ


キュビスムは人間をばらばらにし、単純化する。

侮辱したいからだ。自分のものにしたいのに、できないからだ。






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二人のプルチネッラ

2016-12-17 04:34:15 | 黄昏美術館


ジノ・セヴェリーニ


道化は、現代の男の姿である。本来勇猛でたくましく美しいものであるはずの男が、愚者の世界に落ちたという姿である。

本当によい男は、いやな男によって貶められ、愚者の衣装を着せられて、無理矢理道化にされる。

またいやな男は、よい男から優れた姿を盗み、自分がよい男に成りすますが、高いことは何もできないやつがすばらしく美しい姿をしていることそのものが、馬鹿らしい。

まるで道化である。

このように男は、まともに馬鹿にしあっている。お互いを道化にして、なんとかしているのである。まじめにやると殺されるからだ。






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性欲の権化

2016-12-16 04:16:59 | 黄昏美術館


アンドレ・マッソン

原題「甲冑」


近現代の絵画には、性欲に翻弄される男の情念が描かれたものが多い。

近代に入り、セックスをしたくても女に相手にされず、始終欲求不満に陥っている男が異様に増えたからである。

彼らは霊界から影響して男を支配し、自分を満足させるために、あらゆることをやらせる。

性犯罪がむごくなり、女性の惨殺事件も増えた。性的表現も激しくみだらになった。

これらの絵画には、そういう男の中に巣くう獣性の性欲がこだましている。






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ワイズ・ウーマン

2016-12-15 04:34:42 | 黄昏美術館


ケイ・セージ

原題「航海」


馬鹿男の暴政に耐え続けてきた女がいる。

侮辱され、命をとられながらも、自分を失わなかった女がいる。

彼女らが、どんなに美しいものになったかを知ったとき、男は狂う。

そんな男の幼稚さを見る時、女は海を見る。そして遠い世界に飛び去りたいと思う。






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まことのことばは

2016-12-14 04:19:07 | 言霊ノート


まことのことばはうしなはれ
雲はちぎれてそらをとぶ
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ


宮沢賢治「春と修羅」







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フーリッシュ・マン

2016-12-13 04:18:50 | 黄昏美術館


アルベルト・サヴィニオ

原題「クレタ」


性欲を満たすことしか考えていない男がいる。

そいつは他人から美しい肉体を盗み、それで女を引き付けようとする。

だが女は容易にそいつの正体を見抜いて、引っかからない。それに怒った男は、女をかみ殺す。そして馬鹿をやった報いが来ると知ったとき、男は必死で理屈を捜し、自分が正しいことにしたいばかりに言い訳にもならないことを言い募る。そして一層、恐ろしい愚に落ちる。

このような男を、馬鹿男という。






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にほどりの

2016-12-12 04:17:26 | 歌集・こてふらん

煮えたぎる 怒りをさめて 冬の日の 注ぐ氷を 刃に磨く


にほどりの 浮巣を荒らす 風はやみ 日はやはらぎて 神代は来る


をこがりて 糞に沈めし 神の名を 洗ひ清めて まことを添へよ


身をそぎて いつはりで書く 入れ墨を まがひもの見る 蔵に納めよ


時はゆき 月の降り来し 野は老いて 形見とすべき ものも消えゆく


憎むべき ものをたがへて 狂ひける 猿は黒みて 死につままれる


八重山の むかふに去りし 月影を 追ひて甲斐なき 乱れ餓鬼かな






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