先週土曜日、管理者向けのビジネスマナー研修があって、それに参加してきた。
役職者を招集し、社長直々に音頭がとられ、
社長「『ワシはビジネスマナーで教わる事は何もない』と言うヤツは、こなくてよろしい」
なんて言われた。
自由参加を謳っているが、これでは事実上の強制参加である。
実際、土曜日に本番移行があるJ○西日本のオ○ロンチームの連中とか以外は全員参加。風邪引いてふらふらなのに、マスクで参加している奴もいた。休みなのにご苦労なこった。
でもまあ、主旨はわかる。
新人は、入社時にビジネスマナー研修を受けるのに、上司連中が未受講だから、マナー違反とかしてたら示しがつかんと言う奴だ。
実際受講してみて、もしかしたら社長が一番ビジネスマナーが欠けてるんじゃないかと思って面白かった。
ウチ、すごい優秀な社長と営業部長の2トップのワンマン(いや…言葉がおかしいのは理解しているが、これがわかりやすいんだもん)体制だから、奴らだけ、許される言動って、多いんだよな…。
特に、「相手を全否定しない叱り方。批判するよりも相手の言動を吸収しよう」あたりは笑った。俺社長から100回以上「だからオマエは駄目なんだ」といわれてるぞ。「社長の口癖」として役持ちの社員は全員100回ぐらい言われてるし。
あの世代(“団塊の世代”と読む)は、理不尽な部下叩きというかパワハラ当たり前だからな。
ベースが、日経の「ビジネスマナーの全て」だから、日経の思想風土的に、欧米人麗賛・反日が根底にある。非常に不愉快な内容なのだが、この手の教本としては、負のイメージを増大させて、その負のイメージを払拭するべく努力する事になるため、OKだ。
まあ、ただ欧米人麗賛なので、俺的に「どうかなぁ?」と思う部分がいくつかある。
例えば、「昼飯時に仕事の話をするのはどうか」とか、「話を聞くときは相手の目を見る」とか。
日本人は、基本的に会議がヘタクソだと言われている。昼飯の時とか喫煙ルームとかの方が、ざっくばらんな仕事の重要な情報が出てくる。俺も営業的な観点から、煙草は吸わないのに、喫煙ルームには足を運ぶ。
日本人にとって、「会議の場」とは予定調和の場なのだと、俺は思っている。会議前に根回しをし、会議の場で確定する。だから会議の場では何も産まれない。
根回しは昼飯時とかに紛れ込んでいる。これはこれで重要な話なのだ。
この辺を、日本にビジネスに来ている欧米人は誤解していると思う。むしろ欧米人側にちゃんと説明し、あわせるべきだろう。郷に入れば剛に従うべきなのだ。
後、相手の目を見て話すと、相手の心理的負担になるので、ネクタイあたりを見て話せというマナーを聞いた事はないだろうか。
昔から、特に純真な新人とかは、キラキラした目で俺を見つめて、一言一言が至言のようにウンウンと頷きながら話を聞いてくれるが、正直アレは相当負担になる。実際大した事は言っていない。3年もすればこの業界の常識として定着するものばかりだ。
ちなみに、俺は日本人以外を相手にして話す時、こころもち顎を上げて、しっかり目を見て話すし、日本のビジネスとしては常識で、国際的には非常識にあたる部分であっても強烈に注意する。
外国人相手の場合は、俺は「怒ったもの勝ち」ではないかと思っているフシがある。このような「マナー講座」では、とかく相手に合わせる事をベースにしがちだと思うが、ようは緩急なんである。
それだから、日本人は「押せば引き、叩けばうずくまる国」なんて中国人に言われるのだ。
マナー講座、これはこれで勉強にはなるが、頭から信じてはいけないと思う。
それでは、一応、俺が気になった、あるいはできていなかったマナーを振り返っておこうと思う。
×はできてなかったもの。○はできてたけど気になったものだ。
・相手の名前を呼ぶ時は役職名をつけて呼ぼう(×)
うちは、元来の部長・課長から、マネージャとかリーダーの横文字に役職名の呼称が変化している。チーフマネージャーとかやたらと長い横文字は、言いにくくないか。
部長でええやん。いやあかんけど。
・クッション言葉を利用しよう。(○)
「恐れ入りますが」とか、基本相手に時間を取らせる時に必須。
・女性が座る時、足を横に流して座ると美しく見える(-)
これ、要するに「モデル座り」の事だよな。足が長く見えるとかいう。主旨は大変よくわかるんだが、俺はあまりいい印象ではない。プライベートならともかく、職場でこれをする女性はちょっと…。
どうなんだろう。俺が間違っているのか?これは。
・靴を磨け(×)
雨の日に、飛んでいる泥を拭く程度で、靴なんて拭いた事がない。そんないい靴履くか?汚れたら買い換えるだろ。俺靴に1万円以上かけた事があるのはジョギングシューズだけやぞ。
・ちょっとした離籍時、周囲に了承を(×)
まあ、小腹が空いて、コンビニに買い物に黙っていく事や、あまりにも眠くて、トイレに5分ぐらい篭って仮眠するのは否定しない。
その間に電話がかかってきたりする事もある。
いけない事だとはわかっているが、こりゃ厳密にする必要ないと思う。
こっそり行って、帰ってくる分にはええやん。あからさまにコンビニ袋さげて戻ってきて、菓子をバリバリ食べてるわけじゃなし。これこそ暗黙の了解だろ。煙草タイムする奴がいるんだし、不公平だ。
・報告の順番は、結論→理由→経過(○)
これは、訓練の結果自然とこうなっているが、明確に考えた事がなかった。
うんうん。大切だよね。
・仕事をする時の心構え(○)
1 記憶するより記録するべし(メモを取ろう)
2 スピードより確実性を重視(検証作業を怠らない、見積には余裕を)
3 批判するより吸収するべし(疑問に思っても非難しないでやってみる)
3は、新人には重要。「なんでこんな事をしなければいけないんだろう」と思っても、いざ、「こんな事」をしない事例に遭遇した時、様々な不備に陥る事が多い。キャリアは相手の方が長いんだから、先人の知恵には敬意を払うべし。つーか新人(“おまえら”)に説明するのが面倒なだけ。
・5W1H(○)
いつ、どこで、だれと、何を、なぜしたのか、どういう手法だったか。
基本中の基本だが、重要。特に伝言。
・客を、応接間に案内する時のマナー(×)
ドアの開け方・閉め方、お茶の入れ方、出し方、電話が入った時の伝え方。以上、俺は間違っていた。
・訪問時のマナー(×)
席を指定されなかったら、下座で座って待つ事…。だそうだが、俺はその場合、立って待ってた。
訪問時に持っていく資料のリストアップをしているか…と言えば、してない事の方が多いな。これは反省。
・国際人としてのマナー(×)
・レディーファースト
外国人女性の相手をした事がないんだよな。イスを引いてあげるぐらいは、した方がよさそうだ。
・食習慣の違いをチェック
今まで事前チェックなんてした事なかったなぁ。宗教を尋ねるのはなんか気が引けてた。「何か食えないものはあるか」か、「何が食いたいか」ぐらいしか、聞いた事がない。
・贈答品のタブー
フランスで、ワインを持っていってはいけないとか、中国で置時計を贈ってはいけないのは、知らなかった。