反日デモが、政府のコントロール下にあったというニュースが山のように流れている。後述でいくつか記事を紹介しようと思っているが、非常に嫌な気分だ。
要するに、
日本向け「中国は悪くない。悪いのは中共だ」
中国人向け「中共は悪くない。悪いのは日本人だ」
日本以外の海外向け「日本企業以外には迷惑はかかってない。中国は安全だ」
とまあ、舌が三枚踊っているわけなんだ。
「全部中共の差金だろう」と、俺みたいな中国ウォッチャーは思ってんじゃないかなぁ…と邪推している。
少々本題とは話題がそれてしまうのだが、日本国内向けを除き、基本的に日本に落ち度がある点が強調されている。
「中国の暴徒は愚かだが、そこに反省のない日本人への憤りがある事を忘れてはならない」
という、日本へのネガティブな一言が必ずどこかで見え隠れする。
これはこれで、少々ウンザリである。
で。正直ドイツ語やロシア語のウィキなんかに見られる「尖閣諸島は中国領」みたいな記述は、こうやって日本語ブログでもって「あんなことを書いている奴がいるよ?」と、拡散するぐらいしか、俺には能がなく…。俺を含んだ沢山のブロガーのうちの誰かの記事を、ロシアやらドイツのウィキペディアンに伝えてもらって、更新してもらう事を期待するしかない状態なんである。
つーかこの辺りの情報戦を、なんで日本政府は正式な部所でも作ってやらんのかね。
…といつも不満に思っていたりするのだが。
さてと。閑話休題。
本題は、中共の弁舌に乗る日本向け記事。「中国は悪くない。悪いのは中共である」って奴だ。
代表的なのが、美談絡みの変態新聞のコレみたいな奴。
【変態】 「どうか分かってください。暴徒化する者もいるけれど、理性的な中国人もたくさんいると」
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1348470726/http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/c733b13b11ecb8fecfe183ef22d52f6a
http://blog.goo.ne.jp/dongyingwenren/e/4b0cde42adbf89ed8fc723aca9b28cf2
要約すると、「過激に破壊するのは中央から派遣されたヤクザな連中。現地デモ参加者は後ろからついてってポカーン」ってな具合だ。
変態にせよ、迷路人氏のレポートにせよ、かなりの率で事実であろうと思う。
実際、官製のデモ故に、満州事変の記念日翌日からぴたっと破壊活動が止まったのがいい証拠だろう。
この辺りの情報(大部分の中国人は善良とかいう話)を拡散したい人は、中国でそこそこビジネスを展開しようとしている日本人に対し「現地の中国人の大半は、素朴で働き者ばかり。今回のような反日デモで大損害を受けるのはごくごく限られた企業だけなんだよ?」というイメージを熟成しようという戦略のようにしか思えない。
つくづく、御家人さんが亡くなられたのが悔やまれる。
【日々是チナヲチ】
http://blog.goo.ne.jp/gokenin168
彼のチナウォッチの方向性は、「如何に中国・中共は邪悪か」と言うことを、わかりやすい言葉で日本人に伝える事に特化していた。
無論、迷路人さんの、中共が完全にコントロールしている実際の反日官製デモの実態を伝える事とかも、マニアは知りたい内容だとは思うのだけど。
それでも、俺は日本のマスコミを中心に、「実際の中国人は素朴素敵な人々」という方向性の現地レポートが多すぎると思う。つーかね、チナヲチ以外に見たことがなかったのよ。中国の暗黒面に特化するレポートを。
【中国反日デモ】北京の日本大使館:窓ガラスを割られた事件、100メートル先から金属球をエアガンで発射か…補修費用は数千万円[9/22]
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1348257201/l50
例えばさ。こんなのどう考えてもエアガンでは無理だろう?武装スリ団もよく俺は例に出すが、俺はもっと日本人に危機感を持って欲しいのよ。迷路人さんが伝えたいと考えている、「ゆるい中国」の情報が、今の日本人に必要だとは思えない。
【政治】「石原都知事はしきりに『シナ』と言うが、相手が嫌がる呼称を使うべきでない」 知事会見で記者が抗議★2
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1348316130/
こんなふうな、些細すぎるスレタイに潜む、日本人への根深い差別感情を、日本人はもっと認識すべきだろう。
例えばこの記事なら、「世界中の全ての人々が「シナ(チャイナ)」と呼んでいる中国に対し、日本だけがなぜか「中国(宗主国)」と呼ばされている」事を気にするべきだろう。
要するに、迷路人さんや変態は、今のネットの現状で十分に、中国へのヘイトが熟成されているから、それについてバランスを欠いていると感じているのだ。
違うんだよ。そこが既に間違っていると俺は思う。
上記変態のように、産経を除く全ての全国紙や、TVのニュースなんかが、全部が全部、中国や韓国寄りに偏向しているがゆえに、反対意見の人が埋没を恐れて、ネットは反特亜に偏るんだよ。つまりネットは反特亜に偏るべきなの。それでこそ確実にバランスが取れるんだよ。
ここで、ネットですら中国への緩い情報が大勢を占めるような事になってみろよ。いくら本当の事とは言えだ。
そんなの、考えるだに恐ろしい。自由な言論空間が死滅したとしか思えないわ。しかも殺され方としては最も恐ろしい、「空気」によって殺される感じなのである。
ネットが、これほど反特亜に特化したがゆえに、TVや新聞は情報が完全に隠せなくなってきているんじゃないか。
怒り続ける事はよくないとは思うが。
怒るべき時に口をつぐまざるをえない社会は、俺はもっとよくないと思う。
現在の情勢で、中国は「一般の中国人は良い人。悪いのは政府だけよ」が伝えたい事なのであれば、それにのっかるべきではないと、俺は思う。
危ない中国 点撃! 福島香織の「北京趣聞博客」