あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

そして韓国とAIIB

2015年03月24日 23時28分44秒 | 特定亜細亜
 さて。韓国がAIIBに乗るか否か。
 米民主党政権崩壊後、アメリカ(共和党)は全力でAIIBを潰しにかかってくる事は想像に難くない。世界一の親米国家であろう韓国からすれば、ここは選択の余地はない。AIIB加盟を蹴るべきだ。
 ところが、現在の韓国はAIIBに依るまでもなく、経済的に中国に依存している。
 同盟国としてアメリカを最も頼りとし、経済的にその敵国である中国に最も依存する、いろんな意味でやっかいな国なのだ。

 今後の経済的影響を考えれば、AIIBに乗っからなければキッツイのは確定で、AIIBを蹴らねば、安全保障上ヘタを打つとアメリカから完全に切られる可能性がさらに高まるという、こんな股裂き状態見たことないわっつーぐらい、悲惨な状況である。韓国が先日、「終わってしまった」からこそ発生する、キツイ選択と言える。

 この事に関しては、日経の鈴置氏が作った「米中星取表」がすっごい役に立つ。



 これを見ると、韓国が如何に米中双方の顔を立てて外交を展開しているのかがよく解る。

 これがまさに、故盧武鉉大統領が提唱した「米日中バランサー外交」である。日はもう、完全に捨て去られてしまっているが\(^o^)/

 俺は、前回のエントリでAIIBについて解説し、今回のエントリで韓国のAIIBに対する立ち位置の解説をしているわけだけど。
 韓国って、「自分の事しか考えてねぇなぁ」とか思わない?

 でもさ、自分の事しか考えてないって、今回のAIIBに乗っかったイギリスとかの欧米諸国もそうだと思わないか。

 自分の事しか考えてないってのは、どの国もそうなのである。

 ドイツのメルケルが先日来日して、反原発をアピールした話を先日エントリしたけど、現在反原発政策で失敗しているドイツは、世界各国で、特に原発事故を起こしてしまった日本で、反・反原発の動きが起こる事を恐れているのだ。自国の政策が否定される事を恐れている。

【参考・拙】俺も反原発なのに、あらゆる反原発論者と相容れない…
http://blog.goo.ne.jp/jpakiyo/e/2fd6cbfb333d3182915015456be7926b

 結局、各国共に自分の事しか考えてない。それが国際外交の世界である。

 わがまま言って当然。で、各国のわがままを出し合って、その上で利害調整をする場なのだ。

 日本はいつも「譲歩前提」である。TPPがいい例である。そういう意味で、現安倍政権はこれまでの日本より、自我を通す首相で「外交向け」だと思う。東京五輪誘致の時の、原発「アンダー・コントロール」発言とかを聞いているとな。

 今回のAIIB騒動で、国際外交ってどんなものなのか、認識できる良い機会ではないかなと思う。

 いい加減、「わがままをいわない日本」を強いる日本の報道姿勢はどうかすべきだと思う。

 …ちょっと話がそれちゃったけど。
 韓国にとっても今回のAIIB受け入れか拒否かってのは、マルチシナリオギャルゲーの選択肢並のハードな分岐点だと思う。シュタインズ・ゲートの選択ってか。

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STEINS;GATE


まずはAIIB雑感

2015年03月24日 23時21分03秒 | 国際
【IZA】注目のAIIB…「米国の姿勢に勝った」と中国紙
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/150323/wor15032313550017-n1.html

 AIIB(アジアインフラ投資銀行)は、よく考えられた戦略である。

 趣旨としては、アジア各国のインフラ未整備の途上国に対し、低利で融資するためのものだ。ADB(アジア開発銀行)と同じ地域に対し、同じ役割を担う事になるが、ADBは環境規制など厳格で、審査が厳しい。すると、そういう審査ゆるゆるでカネを貸してくれるところへのニーズは当然あるだろう。
 銀行でカネを借りるのは難しいけど、消費者金融でカネを借りるのは容易い。安易にカネを借りたい人向けのAIIB。これは確かにカネの臭いがする。

 日米がAIIBに参加しないのは当然だろう。ADB総裁は代々日本人だし、日米の出資比率も他国とケタが違う。AIIBは言わば商売敵であって、それに肩入れする事は、自分のテリトリーであるADBの衰退を意味する。

 中国は、AIIB設立によってアジア地域への発言力強化を狙っている。
 ADB出資国では発言力をいくら強化しても、日米には遠く及ばない。AIIBは、つまり「消費者金融に睨まれると首が回らなくなる零細国家」の作成を狙っているのだ。ここならば、日米の影響なく、発言力を無限大に増大できる。なんせ「AIIB創立筆頭国」である。

 カネの臭いがすれば、それに吸い寄せられる連中がいるのは道理。
 中国と競合しない連中がこれに乗るのは自然の摂理であろう。むしろ韓国はこれに乗るべきだろう。つーか乗ると思う。

 中国側にリスクはないのかと言うと。
 そりゃーリスクはアリアリだろ。ADB投資案件でもリスクは高いのだ。自然、ADBでもリスクを考えて撤退しそうな案件が集中しそうな気がする。ドル・円というハードカレンシーが含まれていない「通貨リスク」も見逃せない。
 事業が成功しても、その後の環境破壊や、そのインフラ整備によって潤う人々がごく一部で貧富の差が拡大するなど、大きな問題になる可能性を秘めている。

 しかし、この高いリスクを踏み越えれば、戻ってくるリターンは計り知れない。ADBの領域をも駆逐して影響力を拡大し、究極的には元のハードカレンシー化も夢見る事ができるかもしれない。「野望達成への一里塚」と言えるだろう。少なくとも最難関であった「米以外の先進国の同意」を得た段階で「第一関門」を突破している。

 6割ぐらいは、アメリカの対中外交が招いた結果だろうな。
 別にオバマだけの責任ではなかろうが、カネを握らせてはいけない連中というものはいるのだ。というわけで2割ぐらいは日本にも責任がある。残り2割は…対中脅威認識があまりに薄い、フランスとかドイツを筆頭とするその他諸国ではないかな。

 そんなわけで。
 俺はこの話、「当然の帰結」と思って眺めている。日本としてはどうする事もできまい。日米欧なら絶対やらないリスキーな挑戦なので、「お手並み拝見」と言ったところだ。そして、イギリスを筆頭とするAIIBにのっかってる連中に対し、軽蔑を込めてこう言ってやろうと思う。

「日和見」

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