知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

特許法改正で変わる契約実務(1)

2011-01-14 17:37:53 | 特許法改正
特許法改正案の一つとして、通常実施権の当然対抗制度が提案されています。当然対抗制度とは、特許権が第三者に移転した場合、通常実施権は、登録等を要することなく、当然に当該第三者に対抗できるとするものです。現行法は、通常実施権の対抗について登録を要求してますから、これは、極めて大きな改正であり、かつ、産業界が待ち望んでいたものです。そして、これに伴って、特許権の減縮等について、現行法においては、通常実施権者の承諾を要するという規律がされているところ、これを不要とする案が提案されています。
この改正案が現実化されれば、以下の点において通常実施権許諾契約(ライセンス契約)に対する影響があります。
① 対抗できる内容
この点は、解釈に委ねられています。実施権者としては、実施許諾以外の条項についても第三者が拘束されるような手当を講じるべきです。
② 特許権の減縮等に対する対応
契約書において、特許権の減縮等を行う場合には、実施権者の同意を要する等の規定を挿入する必要があります。 

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