4 機能クレーム機能クレームとは、特許請求の範囲の記載において「…するための手段」というように「機能及び手段」を示す形式で記載されているものをいう。特にソフトウェア発明で採用されている形式である。機能クレームについては、米国特許法は特別の規定を有しており、同法112条3項は「結合の発明のクレーム中の要件は、それを支持する構造、材料または動作を詳しく記述することなく、特定の機能を達成す . . . 本文を読む
エネマグラ審取
平成23年(行ケ)10104
請求棄却
本件は無効審判不成立審決に対して取消を求めるものです。
争点は商標法4条1項7号該当性
裁判所の判断は12ページ以下
本判決は、商標法4条1項7号の一般論につき、「商標それ自体が公の秩序又は善良な風俗を害する場合に、これに商標権を付与することは、「商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて . . . 本文を読む
1 1項と2項の関係
2項による推定については、「推定」の性質上、侵害者は,特許権者等の実際の損害額を具体的に主張立証することにより,推定を覆滅することができるが、侵害者が1項により算定された損害額をもって2項による推定を覆滅することができるが問題になる。
この点、肯定説も有力である。しかし、1項は推定規定であると解されるところ、民事訴訟法の原則によれば、推定が覆るのは、推 . . . 本文を読む
本稿は、特許侵害と損害賠償について論じるものであり、「知財ぷりずむ」に掲載した論考の要約版でもある。
1 民法709条の構造
特許権侵害に基づく損害賠償請求権の根拠条文は民法709条であり、特許法102条各項に関する諸論点を検討するための前提として、当職の理解する民法709条の構造を示しておこう。
1-1 民法709条の要件事実
民法70 . . . 本文を読む
1 特許法69条の趣旨
特許法69条の趣旨について、東京高裁平成10年9月24日判決(判時1668号126頁)は、「試験又は研究として行われる特許発明の実施が特許権者の経済的利益を直接害するということも通常は考えられないことから、特許法は、特許権の効力が及ばない範囲の一態様として、右69条1項を設けたものと解される。」旨判示している。これに対して、学説上は、特許法69条の趣旨は、単に、「試験又は . . . 本文を読む
1 特許法102条各項の存在意義
ある者(以下「侵害者」)が、侵害品を譲渡しており、その結果、特許権者の販売の機会を奪取し、特許権者に対し逸失利益という損害を与えたと判断される場合、民法709条に基づき損害賠償責任を負う。しかるに、逸失利益の立証は困難であることが通常であるから、特許法は、損害額の算定について特則(特許法102条1項、2項、3項)を設け、立証の容易化を図っている。 . . . 本文を読む
1 意義
先使用権制度は,先願主義(特39条1項)を貫いた場合に生ずる不合理な状況を是正しようとするものであり,特許権者と,特許出願前から同一の発明の実施である事業をし,又はその準備をしていた者(先使用者)との利害調整を図るものである。
2 趣旨
先使用権の趣旨については、特許権者と先使用権者との公平を図ることにあるとする公平説と現に善意で実施している発明を廃止させることは国 . . . 本文を読む
大阪地裁平成19(ワ)2076
認容額15億弱の事件です。
争点は多岐にわたりますが、日本国内から外国への所有権の移転を「譲渡」と捉えていると思われる点が注目されます。このような行為を「譲渡」に含めると、「輸出」との相違が不明になりますが、この点をどう整理するのでしょうか?「輸出」は確認規定と考えるのでしょうか。
寄与度も問題になっていますが、認定された寄与率が【略】となっていて不明です。
. . . 本文を読む
知財高裁の飯村判事の論文です。
飯村判事は、「クレーム解釈」と「発明の要旨認定」の内容が異なるものと理解されることは望ましくないとした上で、リパーゼ判決の判示部分を狭く解することを提案されています。その根拠は、①リパーゼ判決の事例の特殊性、②旧36条5項の廃止、③プラクティスの大きな変更です。飯村判事らしい提案です。参考になります。
片山記念論文に収められています。 . . . 本文を読む
知財高裁の高部判事の論文です。
前半部分は、属否論におけるクレーム解釈についての説明と審決取消訴訟におけるクレーム解釈についての説明です。
後半部分で、属否論におけるクレーム解釈と無効の抗弁におけるクレーム解釈の齟齬について検討されています。高部判事は、両者に齟齬が生じることには抵抗感はあるものの、現実の事案では一致することが殆どであると述べておられます。
片山記念論文に収められています。& . . . 本文を読む
大阪高裁平成17(ネ)1218:特許2506402
控訴棄却
本件は、原審と控訴審でクレーム解釈が分かれながらも、請求棄却という結論は維持された事案です。
本判決においては、①構成要件Bと構成要件Dとが実質的に表裏一体のものとして理解されている点、②構成要件Dの解釈として、「他の操作の余地」という文言を取り込んでいない点に特徴があります。
判例時報のコメントによると、本判決は、クレームの限 . . . 本文を読む
地裁と知財高裁とでクレーム解釈が分かれた事案です。
問題の文言は、「接続信号中の応答メッセージ」です。
判断の分かれ目は、「出願当時の当業者の認識として、電話回線としてアナログ回線のならず、ISDN回線が損すること、ISDN網から応答される情報を取得し、同情報に基づいて電話番号の有効性を判別することが知られていたこと」をクレーム解釈の要素に取り込むか否かではないかと思われます。
要検討です。 . . . 本文を読む
機能的クレームの解釈についての論考です。
日本法上は、米国と異なり、機能的クレームの解釈にも通常の解釈手法が妥当すると述べられており、妥当な解釈です。また、ゴルフクラブ縫合材事件に言及して、機能的クレームについても均等侵害が成立することが指摘されています。
片山還暦記念論文集に収められています。
詳細は後日。 . . . 本文を読む
平成22(ネ)10074号:4部(右:高部判事)
本件は、本訴と反訴とからなります。
本訴は、特許権に基づく差止請求不存在事件と虚偽告知を理由とする不正競争防止法違反事件です。
反訴は、特許権侵害に基づく補償金及び損害賠償請求事件です。
本判決は、引用発明に対する甲18の2の適用に関し、甲18の2の課題である耐トルク強度を高めることは、通常想定される課題であり、引用発明においても内在してい . . . 本文を読む
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