知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

エイミー・チュア「最強国の条件」

2012-07-22 00:56:48 | 読書
学生時代に「ローマ帝国衰亡史」を読んで以来、関心のあるテーマです。 本書は、「大国の興亡」、「21世紀の歴史」に匹敵する名著です。 本書が検討する「最強国」は、アケメネス朝ペルシャ及びアレキサンダー帝国、ローマ帝国、唐、モンゴル帝国、オランダ、明・オスマン・ムガール、イギリス、並びにアメリカです。 本書は、「最強国」といえるための条件(定義)として、①国力全般において既知のライバルをも明らか . . . 本文を読む

スティグリッツ「フリーフォール」

2012-07-21 18:45:59 | 読書
本書は、ノーベル経済学賞受賞者のスティグリッツが、2008年以降の大不況の状況を踏まえて、経済学の論争、危機の原因、学ぶべき教訓について述べたものです。 内容としては、ラジャンの「フォールト・ライン」と重複する側面がありますが、「フォールト・ライン」が政治的問題に力点があるのに対し、本書は経済学的問題に力点があるという相違があります。両者が共通して指摘することとして、「ゆがんだインセンティブ」の . . . 本文を読む

「超」入門 失敗の本質

2012-07-21 12:51:31 | 読書
名著「失敗の本質」のエッセンスをビジネスにおける活用という観点から解説した入門書です。 本書は、「失敗の本質」を7つの視点で読み解いていきますが、その中でも、「戦略性」、「組織運営」、「日本的メンタリティ」が重要と思われます。特に、「日本的メンタリティ」は、日本文化に根ざすものであり、「和を尊ぶ」という良い側面もあるため、克服が困難な問題です。しかし、合理性に裏付けられるべき科学技術を利用してい . . . 本文を読む

Mコナリー「リンカーン弁護士」

2012-07-21 12:20:35 | 読書
「リンカーン弁護士」とは、リンカーンの弁護士時代の逸話を小説家したものではなく、車のリンカーンを事務所代わりにしている刑事専門弁護士マイケル・ハラーのお話です。 Mコナリーと言えば、ボッシュ・サーガが有名ですが、本シリーズの2作目でボッシュも絡んできます。 さて、本作は、映画にもなっていますが、秀悦なリーガルス・スリラーとして仕上がっています。また、一人事務所の弁護士としては、「車を事務所にす . . . 本文を読む

JD「スリーピングドール」

2012-07-21 12:13:01 | 読書
ライムシリーズからのスピンアウト作品です。 主人公は、人間嘘発見器のキャサリンダンス。 職業から、嘘を見抜く手法は興味ありますし、「コールド・ムーン」でのダンスの活躍も印象深かったので、購入しました。 結果は正解。このどんでん返しは脱帽でした。最後のどんでん返しは予想通りでしたが。   スリーピング・ドール クリエーター情報なし 文藝春秋 . . . 本文を読む

吉田修一「太陽は動かない」

2012-07-21 08:57:28 | 読書
「悪人」の吉田修一さんの最新作です。 「この世でもっとも価値があるものは情報だ」という帯に惹かれて購入しましたが、エンタメ小説としては今一つ。 もっとキャラクターと個々のエピソードを掘り下げていけば面白くなりそうな題材ですが。 吉田さんにエンタメは似合わないかも。。。 太陽は動かない クリエーター情報なし 幻冬舎 . . . 本文を読む

ラグラム・ラジャン「フォールト・ラインズ」

2012-07-20 08:14:40 | 読書
世界金融危機を発生の3年前から予想した経済学者として名をあげたラグラム・ラジャン(インド出身)による金融危機の原因の的確な分析と処方箋を学べる一冊です。 サブプライム・ローン問題に端を発する世界金融危機はとどまるところを知りませんが、その原因は、結局のところ、証券化商品、デリバティブなどの新型金融商品のリスクを前線のバンカーが無視・軽視し、銀行等の経営陣が過小評価したことによるようですね(211 . . . 本文を読む

貴志祐介「悪の教典」

2012-07-18 19:27:14 | 読書
単行本時代から気にはなっていたのですが、買いそびれていた「悪の教典」がソフトカバーになったので、購入しました。 学校が安全な場所ではないことは周知でしたが、この本では殺戮の舞台と化しています。この主人公の思考パターンは、「スリーピング・ドール」のダニエル・ペルに類似しています。ここまで極端ではないとしても、こういうタイプの人間が増えていることを作家の直感が告げているのかもしれません。 . . . 本文を読む

奥田英朗「無理」

2012-07-18 10:50:13 | 読書
「寝不足必至」の宣伝文句につられて購入。奥田英朗の本は初めて読んだが、見事にはまりました。これぞ「小説」といえる傑作。何度も「それは無理だよね~」と一人言をしゃべってしまいました。無理難題を押しつける人にお悩みの方は必読です。 日本の作家は、ご無沙汰気味でしたが、奥田英朗は全て読もうと思います。なお、最近話題の生活保護ネタも入っています。世間は、今、騒いでいますが、不正受給は昔からあった問題なん . . . 本文を読む

ケルベロスの肖像

2012-07-16 20:21:14 | 読書
バチスタ・シリーズの最終巻らしいです。 バチスタ・ファンなら必読ですが、単体の小説としては、切れ味・迫力に欠けますし、多数のキャラクターが顔を出すため、ストーリーに深みが感じられません。 もっとも、このページ数では壮大な完結編は難しいのかもしれません。 今後は、スピンアウト作品が独自の世界を創造していくように思います。 個人的には、彦根の今後が最大の関心事です。   . . . 本文を読む

「下町ロケット」を読んで

2012-06-17 22:13:52 | 読書
特許が重要な役割を果たす珍しいエンターティメント小説です。 夢があるイイ話ではありますが、特許弁護士としては、こんな間抜けな顧問弁護士はいないだろうし、こんなに綺麗に返し技が決まることは滅多にないだろうな、という余計なところが気になってしまいました。反訴のイベント(P109)は不要だったのでは?   下町ロケット クリエーター情報なし 小学館 . . . 本文を読む

好きな米国作家ランキング(その1)

2012-06-17 17:55:40 | 読書
1 ジェフリー・ディーヴァー 稀代のストリーテラー 何重にも嘘を重ねて真実を覆い隠した上のどんでん返しが堪らない。 2 スティーブ・ハンター ベトナムで心身に傷を負った天才スナイパーであるボブ・スワガーの生き様に敬服。 3 スティーブ・マルティニ リーガル・サスペンスの天才。どんでん返しがすごすきる。トゥロー・グリシャムより知名度は劣るが実力は上。 心に傷を負ったポールの生き様に共感 . . . 本文を読む

高野和明「ジェノサイド」

2012-06-16 13:56:45 | 読書
絶対におすすめの小説です。単なるエンターテイメントとを超えて、人類の未来について考えさせられます。この小説がオリジナル日本語で読めることとこの作家と同時代を共有できたことに感謝です。英訳等して欲しいですね。 ジェノサイド クリエーター情報なし 角川書店(角川グループパブリッシング) . . . 本文を読む

「おやすみラフマニノフ」を読んで

2012-03-17 19:15:05 | 読書
「さよならドビュッシー」で音楽ミステリーという新しいジャンルを切り開いた中山七里さんの作品です。 (以下、未読の方は注意) メインの事件は密室からのストラティバリウスの盗難ですが、トリック自体は複雑でありません。しかし、僕にとっては未知の世界である音楽界の内幕が詳細に描かれているため、物足りなさは感じません。むしろ、トリックの単純さは本作品の魅力を高めていると思いますし、音楽界の内幕に埋め込ま . . . 本文を読む

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