縦30cm、横70cm、高さ12cm、かなり大きな古い桐の箱、
なかからでてきたのは、大小の掛け袱紗、大きい方が縦71cm横64cm、小さい方が縦53cm横48cm、房の長さが大12cm、小10cmです。
綴れ織の地に繊細な日本刺繍がほどこされています。
格調ある織地の部分、
鶴の羽1枚1枚に糸の太さを変えて施された日本刺繍、職人さんの技の冴えが見事です。
思わず見惚れてしまいましたが、実は、掛け袱紗はこちらが裏、
家紋がある方が表です、金糸で家紋の違い矢羽が刺繍されています。
Aさんが実家の整理をしていて出てきたものをどなたかに使ってもらえないかとのことで、我が家にやってきました。
関東大震災(大正12年-1923年9月1日)の前年に結婚式を挙げられたお祖父さまとお祖母さまの結納返しのときに使われたもので、今から87年前のものです。
日本人の美意識の高さというか、粋の文化ですね。
いっしょに入っていた御所人形の染めの掛け袱紗、縦39cm横35cmです。
御所人形は手描き、これもこちらは裏で、
壽の字が染め抜かれたこちらが表です。
天風の落款がある手描きの掛け袱紗は32cm四方の大きさ、裏地は白です。
中村天風は、数奇な人生を歩み、主宰した天風会では、宇野千代、東郷平八郎、原敬、後藤新平、山本五十六、松下幸之助など多くの著名人が彼に師事していますが、Aさんのお祖父さまと気があったらしく、この袱紗が縁の品として残っていたということです。
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掛け袱紗といっしょに、こちらはお父さまの出張のお土産だそうですが、50年前くらい前のドイツ・フィンランドのお人形たちが届きました、明日から24日まで5回シリーズで、25日にやはり50年前のシュタイフのカタログとコリー犬を紹介します。