スマート詩吟は面白い

スマート詩吟及び福祉詩吟は私の造語です。それらの普及を図っていきたいと思います。

「あなたのそばに吟詠を」(連載第33回)

2020-08-14 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

昨日からの続きです。

脳卒中同病会で何回か詩を吟じ・聴いて頂いたことをきっかけにして、

横浜市社会福祉協議会を通じて『福祉吟詠教室』を主宰することが出来た。

この教室は今後社会福祉協議会及び障害者施設で定期的に開催することになる。

中途障害者の社会参加が如何に大事かという典型的な出来事である。

『福祉吟詠』は私の造語であるが、皆さんに次の様にお話している。

『福祉吟詠は自分のできる範囲で、原作をできるだけ理解して、

原作者の気持ちにできるだけ寄り添い、

自分が感じたままの朗詠(朗読・吟詠)を通して、聴く人にその感動を与えることで、

周りを豊かに・幸せにしようとするものです。

だから福祉吟詠は上手・下手を問いません。

朗読そして吟詠に込めた気持ちを大事にしたいと思います。』

 少々の障害を負ったとしても、

加齢に伴う不具合を先取りしてしまったと考えるとたいしたことは無いかもしれない。

返って、身体のどこか一つ不自由があるだけで

他人への優しさ、思いやりが変わるものかということを肌身に感じポジテイブになると思う。

来週に続きます。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第32回)

2020-08-13 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

先週からの続きです。

 

6福祉吟詠

私は2010年12月に脳卒中を発症した。

2年後その顛末を『スマート詩吟は面白い=趣味の詩吟が脳内出血を癒してくれた=』として上梓した。

出版された雑誌帯には、

『四半世紀の間続けてきた唯一の趣味・詩吟。病後、詩吟を通して人と繋がり、

リハビリ、回復をはかるまでの物語』のキャッチフレーズで紹介された。

この単行本を読んだ同朋の参加を得て、

スマート詩吟を一歩進めた『福祉吟詠』が少し広がった。

その後、

この本が地元新聞記者の目に留まりインタビューを受け詩吟大会で聴吟してもらった。

新聞に写真入り記事『定年後の生き方』のテーマで取り上げられたので

福祉吟詠の会員も更に増えることになった。(H27年5月17日神奈川新聞)

明日に続きます。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第31回)

2020-08-12 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

先週からの続きです。

(4)報国吟道

日本吟道学院本部の行事に参加して、

そのたびに垂れ幕に記載された『報国吟道』を目にしていた。

私にとっては、戦中語と思われる『報国』と距離感・疎外感を禁じ得ないが、

詩吟創始者は世俗的な解釈から離れた壮大な思想・理念を持っていたに違いない。

ここでも『中和の徳』の涵養が大切であると説いているが、

その垂れ幕の傍では、

『世界の平和と人類の福祉』という永久不変の理念が憲章として掲げられている訳である。

ここでいう『福祉』とは生活の質の向上・サービスや社会保障の様な狭義ではなく

『全体の幸福』という壮大な意味で使用されている。

明日に続きます。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第30回)

2020-08-11 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

先週からの続きです。

詩吟に誘われた最初から、練習の都度「吟道精神」を唱和させられたが、

その中に『・・・中和の徳を養って気質の偏を救うものなり・・・』とある。

本来人は、『喜ぶ、怒る、哀しむ、恐れる、愛する、憎しむ、欲する』

と呼ばれる七つの情を備えているらしい。

七つの情は人が本来持って生まれた情であり、後天的に学ばなくても良いものとされている。

私は、その七つの感情が一切融合された時、

そこに中和が生じ、生命力が生まれ活力が湧き出でてくると理解している。

また融合とは、どの時点・状態・状況においても

すべての情が自他を含め適宜に作用・合体することと勝手に解釈している。

しかし私は未だその境地に達せず体得できないが、

いつの日でも良いので吟道精神『中和の徳』を会得したいものである。

草木はその位置で動かないが、地中では根が融合し、

空気中にあっては枝葉が気体と融合し交流することにより、

生命を維持し活力を得ていると同じ様に私たちは、

自然や同胞と交流・融合を続けることが当然生命力の源泉となっているのである。

この考えを基本におくことが私の幸せへの第一歩であり、

周りの人を幸せにすることにつながっていく。

このような働きが遮断すると全て反対に作用するので自分を戒めたい。

明日に続きます。

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「あなたのそばに吟詠を」(連載第29回)

2020-08-10 09:00:00 | エッセー「あなたのそばに吟詠を」

先週からの続きです。

(3) 吟道精神

先ず「吟道精神」全文を紹介する。

吟道精神

朗吟は邪穢を投擲し豊満を斟酌し

血脈を動盪して精神を流通し

其の中和の徳を養って

気質の偏を救うものなり

吟道は気を養うの道なり

人の生や気なり 気つくれば死す

気は以って養わざるべからず

正風六合に洽く一声士気高し

吟じ終りて清風起る 一吟天地の心

 

(その意味合い…)

朗吟は心のけがれをうち払い、われわれの怠慢や満ち飽きた心を追放し、

肉体的にも精神的にも、血流の流通を阻害するわだかまりを取り除いて、

『中和』の人徳を養って気質の偏る事を防ぐものである。

吟道は『気』を養うの道である。『気』は生命の言動力であり、

『気』が黄溢すれば人の活力は溢れ、

おとろえれば気抜けの状態となって遂には生命力をも失うに至る。

かくして吟道の栄えるところ、正しい道があまねくみなぎりわたり、

朗吟の声は士氣高く朗々と響きわたるであろう。

吟じ終わった時のすがすがしさ、思わず清風が吹き起ってくる気分

―これが吟道の神髄である。

明日に続きます。

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