私は色んな会合で「5分間、時間を頂戴します」と言って、詩吟を紹介することにしています。
吟じる詩吟は雰囲気に合わせて漢詩では、頼山陽作「川中島」、網谷一才作「安宅の関」、
新体詩では、金子みすず「わたしと小鳥とすずと」、樋口一葉「一葉日記抄」
または一茶の俳句あるいは私の友人杉村何彦君の自作俳句から選んでいます。
それ以外には、詩吟前に発声練習で使っている北原白秋作「五十音」を紹介することもあります。
詩吟の紹介はあっという間ですから、会場の皆さんの記憶に残るかどうか、
はなはだ疑問ではありますが、この様なことをいつも繰り返していますと、
いつかは何かの形で実を結ぶこともあろうかと思い続けております。
その際、私の考えている福祉吟詠(私の造語と断りながら)も忘れずに紹介しています。
私が思っている福祉吟詠とは
自分のできる範囲で、
原作をできるだけ理解して
作者の気持ちにできるだけ溶け込み
自分が感じたままの朗詠(朗読・吟詠)を通して
聴く人にその感動を与えることで
周りを豊かに・幸せにしようとするものです。
だから福祉吟詠では、上手下手を問いません。
詩文、朗読そして吟詠に感情をこめた深みを、大事にしたいと思います。
練習順序は、①素読、②作者の気持ち・詩の心、③吟詠の繰り返しです。
ある会合で、質疑応答の時間になって、次の質問を受けました。
「具体的な日本で一番美しい文章」は次号に続きます。