平成28年4月9日に神奈川県横浜市青葉区の青葉公会堂で
公益社団法人日本吟道学院公認 修神会(会長井上邦神)春季吟道大会が開催されました。
今回、私は3教場6組の独吟、合吟の動画を撮影しました。
その吟の様子をプログラム順に6回連載でお送りします。
第3回目はプログラム番号35番目に登場した
「発声練習五十音と偶成」(ナレーション入り)
吟者 日酸TANAKA教場 指方順龍(このブログの作者)、廣岡幸吟さん、柳田泰吟さんです。
https://youtu.be/vO_UblBugQc
この吟のシナリオは添付の通りです。
これは手元に置いた原稿そのもののファイルですが、下の方にワード文書で貼り付けましたのでご覧下さい。
私たちはこれからも詩吟の世界を探究していくつもりですから、
皆様からの批評をお待ちしております。
少々戸惑ったところもありましたが、ご愛嬌としてお聴き流して下さい。
そんなことがありましたが、観客の方に感動を伝えることが出来ました、と思っています。
柳田泰吟さんの感想です。柳田さんから貰った感想文書をそのまま転記します。
『昨年H27年春から指方教場長の指導により、福祉吟道教室を知り、ご指導を受けることになりました。
脳卒中の後遺症(言葉不明瞭)に悩む自分には、適切な対策(リハビリ)として強く認識し、訓練に励みました。
①特に言葉・発声練習の効果が日々明確になり、自他共に認識するようになりました。
②詩吟訓練も適切で、昨年H27年秋の昇段審査で初段の認定を頂きました。
③春季大会3名の合吟(発声練習五十音と詩吟偶成)は緊張度合いが高く、痺れに負けず頑張りましたが、恥ずかしい限りの出来具合です。
④大変貴重な経験をさせて頂きましたので、今後も更に精進・訓練を継続します。
⑤趣味の俳句・駄句にしますと・・・「吟道や リハビリ指標 春の路」』
1.五十音、詩文、ナレーション等は次の通りです。
柳田 「発声練習五十音と偶成」
廣岡 私たちは突然、脳卒中をわずらって、「片マヒ」とか「言語障害」の後遺症に悩んでおります。
柳田 これを不幸とは思わないで、あるがままを受け入れて、楽しみながら、日常生活を送っています。
指方 でも、健常時の会話に近づく為の、訓練は欠かせないのです。
廣岡 詩吟を練習する前のお口の体操「五十音」は発声訓練に最適なので常に座右に置いて、口ずさんでいます。
全員 五十音 北原白秋
あめんぼ赤いな あいうえお 浮藻に小エビもおよいでる
柿の木栗の木 かきくけこ きつつきこつこつ枯れけやき
ささげに酢をかけ さしすせそ その魚浅瀬で刺しました
立ちましょラッパで たちつてと とてとてたったと飛び立った
なめくじのろのろ なにぬねの 納戸にぬめって何ねばる
鳩ぽっぽほろほろ はひふへほ 日向のお部屋にゃ笛を吹く
まいまいねじまき まみむめも 梅の実落ちても見もしない
焼栗ゆで栗 やいゆえよ 山田に灯のつく宵の家
雷鳥は寒かろ らりるれろ れんげが咲いたら るりの鳥
わいわいわっしょい わいうえを 植木屋 井戸換え お祭だ
柳田 私たちは、発症して五年から十年になります。私たちの日常生活に、リハビリは欠かせません。
廣岡 社会参画もリハビリの一つなのです。怠けない為に、私たちが教訓にしている、戒めの漢詩「偶成」をお聴き下さい。
全員 偶成 朱熹
少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んず可からず
未だ覚めず池塘春草の夢 階前の梧葉巳に秋声
全員 ありがとうございました。
2.詩のこころは次の通りです。
教訓の詩です。前半はそのまま諺として通用し、後半は春秋の変化を端的に叙景しています。作者は世俗の怠け者の気宇を引き締める為にこの詩を作ったのでありましょう。まことに月日の経つのは早いもの、うかうかしていられません。少年老い易く学成り難し、と吟じて気を引き締めましょう。(吟道範典より転載)
おまけ
私(指方順一郎)が実家の長崎県大村市にH28年4月に帰省した折に撮影した大村桜です。
少々長くなりましたが、本日のブログは以上です。
ありがとうございました。