林間に妍を競うマメ科植物の花姿に魅せられて! *ヤブマメ & ナンテンハギとの出逢い*
林間にたたずむツリガネニンジン |
ちょっと大きめの帆を立てたような旗弁、花の一番内側にある2枚の舟弁(竜骨弁)、舟弁の左右には翼のように張り出している「翼弁」。そう、花びらは5枚だ。そして、舟弁に守られるように雄蕊と雌蕊がある。
小淵沢の駅から車で10分ほど、山梨県北杜市・小淵沢町上の原辺りにはアカマツ林が広がっている。標高は、ちょうど1,000mくらい。そんなアカマツ林を縫うように、道幅の狭い散策路が走っている。ここで、地元・狭山では見つけることができなかったヤブマメを探してみようという趣向である。
ノハラアザミや男郎花、さらにはツリガネニンジンなどが目を楽しませてくれる。だが、お目当てのヤブマメは見つからない。
ほどなくして、アカマツ林のなかへと続く小径が見つかる。分け入ってみよう。ほら、お出ましになった! 小径の脇にヌスビトハギに絡みつくヤブマメを発見。しばし、撮ることに夢中になる。
15分ほど撮って腰を上げる。「よっこらしょ、っと!」体の動きに伴って、思わず声が出る。いかん、オジンになった証か? ふと、目を少し奥まった藪の中に転じる。ヤブマメより紫の色が濃いマメ科の植物が咲いている。葉を見ると、あの南天のようだ。
「こりゃ~、ヤブマメじゃないよね!」ひとりごちて、撮り始める。誰もいやしないのに、独り言をつぶやく。これも、オジンの証か? 年は取りたくないものだ。
帰宅後、G先生に問い合わせる。「ナンテンハギ」か? いつもの「松江の花図鑑」さんによると、マメ科ソラマメ属だという。「写真で見る八ヶ岳南麓の草木の花」さんにも記載があった。
数日後、あるサイトに投稿してみると、飛騨高山にお住まいの方からコメントを頂く。「小豆菜(あずきな)とも言い、飛騨高山周辺で山菜の一つとして古くから親しまれている」とのこと。茹でる際に、小豆と同様の香りがするからの名とか。
花の写真一枚で、遠方の方々と交流できる。嬉しさがこみ上げてくる。しかし、待てよ! この小豆菜、時期になるとスーパーでも売っているという。まさか、野に咲く花だけでは供給は間に合うまい。ということは、栽培もしてるのかなぁ~? 小さな疑問が残った。。。
ナンテンハギの花 |
別名、小豆菜ともいうらしい |
|
舟弁の間から蕊がのぞいている |
飛騨高山辺りでは貴重な山菜とか |
サングラスができるまで!? *ヌスビトハギの場合*
自然はアーティスト! こんなサングラスがヌスビトハギから生まれるなんて! |
ときには、つる性植物の繫縛に自由を奪われながらも、この林間で必死に生き抜いている。
花もマメ科の特徴をよく反映し、なかなかに可愛い。如何せん、3~4㎜ととても小さい。撮影するには手ごわい相手と言える。
なぜ、サングラス? 奇妙に思った方もいらっしゃるのでは。
果実である。果実! そう、果実がまるでメガネのようなのだ。
ヌスビトハギより少し大き目の花をつけるアレチヌスビトハギの場合、メガネ型というより、メガネを2つつなげた形がもっぱらである。だけど、ヌスビトハギはメガネなのだ。それも、サングラスなのだ。
折よく、そのブラウンのサングラスができるまでを捉えることができたのでご紹介したいと思う。
🌼 花の名前: | ヌスビトハギ(盗人萩) | 📸 撮 影 日: | 2017/9/4 16:57 | |
🌱 科 目 名: | マメ科ヌスビトハギ属の多年草 | 📅 投 稿 日: | 2017/09/12 | |
📝コメント: |
日本全国の平地から山地の薮や路傍、林縁などに生える。 秋になるとできる果実は、ひっつき虫として恐れられている(笑) |
⛺️ 撮 影 地: | 山梨県北杜市 小淵沢町上の原辺り |
妖しいヌスビトハギの姿 |
果実の芽生え |
ほら、サングラスでしょ! |
花の先に棘のようなものがちょこんと | グリーンになった果実が見えますね(◎_◎;) | これがひっつき虫と言われる果実 |