Kite.comの花を探して毎日ブラ散歩!

今日もカメラ片手に、日常の中の非日常を探して彷徨ってます。猫の額でも、ほんの少しですが季節の山野草と戯れています。

坪庭で、春に焦がれる草々

2021年12月26日 15時56分16秒 | みんなの花図鑑
 家屋の東側に位置する坪庭、四季を通じてほぼ午前中しか日が差すことはない。
 この環境が良いのか、悪いのか、判断に苦しむところだが、十種ほどの山野草がそこそこ生い立っているのだから良しとしてもいいのだろう。

📷2021年12月25日:例年、ここまでは順調に運ぶのだが・・・

 そんな中の一つが上記のシロバナショウジョウバカマ(白花猩々袴)だ。ご存知の通り、ユリ科ショウジョウバカマ属、常緑の多年草である。
 しかし、である。ご覧のように、白さが際立つ花の卵(?)が見られるようにはなるのだが、一度もその花茎を伸ばすことなく一年を終えてしまう。
 今年こそはと、祈るばかりである。

📷2021年12月25日:不発に終わったアサマリンドウだが・・・

 せっかく通販したのだが、とうとう花を見ることなく年を越えようとしているアサマリンドウ(朝熊竜胆)、二株あったのだが、一つは鉢、もう一つここ坪庭に地植えとした。
 このリンドウ、三重県の朝熊山で発見された固有種で、ぜひとも花が見たかったのだが、その願いは来年へと持ち越しとなってしまった。
 毎朝、毎晩、暇さえあれば観察に怠りないが、この時期、当然のごとくそれほどの変化は見られない。
 それが、それがだよ、その根元に芽らしきものが・・・。
 い~~~やっ、でも、まだこの子の芽とは限らないか。
 しかし、気になって鉢植えの方も覗いてみたら、これほどではないがやはりちょこんと頭を出していたのだよ。

📷2021年12月25日:これは、ムシャリンドウ冬葉。一所懸命本体に栄養を送っているとか・・・
(クリックすると青紫と白の開花画像が開きます。{戻る}ボタンを押すと元のページに戻ります)

「虚飾にまみれた花」である。ムシャリンドウのことである。
「ムシャ」は「武者」ではない。「武佐」と書く(両者を併記している解説も目にするが)。これは、現在の近江八幡市にあった宿場町・武佐にちなむ。
 だが、武佐には自生した痕跡など微塵もないのだ。
「リンドウ」とあるが、「リンドウ」の仲間ではない。シソ科である。シソ科ムシャリンドウ属に属する多年草なのである。
 だいたい、その花はおよそリンドウらしくない。筒状で先は唇形という形状を示す。
 上記の画像をクリックしてみると、お~っ、これは、いかにもシソ科だねという花穂を目の当たりにするだろう。

📷2021年12月25日:決して見栄えのよいものではないのだが・・・

 真冬の山野草園ほど荒涼としたものはない。大方の植物が葉を枯らし、あるいは地上部に姿を留めることなく、長い眠りについている。
 これは、猫の額でも同じこと。そのほとんどが地表を露にして春の日差しを待っている。
 それでも、所々にだが、寒さに震えながら、片意地を張って葉を見せている硬骨漢もいる。
 左に見える特徴のある根生葉はオキナグサのものである。また、右に見える二群れはミヤコワスレだ。
 咲くまでには、まだ一山も、二山も越さねばならない。
 春の日差しが待たれる猫の額なのである。
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野仏の御座します小径 ~狭山・天岑寺でのひととき~

2021年12月24日 14時30分55秒 | みんなの花図鑑
  📷2021年12月23日:時節柄、黄色の花を見ると温もりを感じる
 (クリックすると大きな画像が表示される。
 {戻る}ボタンを押すと元のページに戻る)
 暖か色に染まった菜の花畑(?)を左に見て、菩提寺である天岑寺を詣でてみた。
 画像の左上、かなたにわずかに見える道路が県道126号線だ。
 そう、天岑寺はその道路沿いにある。
 だが、一歩裏に入ると、この辺り、まだまだ畑地が広がっている。
 新宿から電車で1時間ほどだが、それでも狭山はいまだまだら模様に緑を愛でることができる地のようだ。

 この畑地の小道を辿ると、「通霄関(つうしょうかん)」と印された扁額が掛かる惣門の脇に出る。

「霄」とは、音では「ショウ」、訓では「みぞれ・そら」と読み、「そら、大空、天空、みぞれ」などの意味を持つ漢字とされている。
 したがって、「通霄関」とは、天に通じる門を意味するのだとか。

 僕はもう、数知れぬほど天空で遊んでいることとなる。



  📷2021年12月23日:この惣門は、天へと通じているらしい

 総門をくぐってすぐ右側にロウバイが植えられている。
 咲くには早いが、ころんとしたつぼみが見る人の目を和ませる。

  📷2021年12月23日:ロウバイにはまだ咲こうという気配は見られない

 ついと上方に目を移すと、モクゲンジの実が、真っ青な空にモビールの如き形象を描き出している。

  📷2021年12月23日:モクゲンジは絶妙な均衡を一に見せつけ空に舞う

 このモクゲンジ(木欒子)、ムクロジ科モクゲンジ属の落葉広葉高木で、栴檀のような葉を持ち、その種子が数珠に使用されることなどからセンダンバノボダイジュ(栴檀葉の菩提樹)とも呼ばれているようだ。
 今回は時機を逸して見ることが出来なかったが、境内にはボダイジュ(菩提樹)の木も植えられている。
 次の左側の画像が菩提樹の木の実だ。
 右側の画像は上述したモクゲンジだが、左手にちょこんと実が見える。
 う~んっ、似て非なるもの。

📷2017/11/25
菩提樹の実、どこから出ているかわかる?
📷2017/11/25
左上にモクゲンジの実が見えている

 この菩提樹は、惣門を入って正面に鎮座する本殿の右側に植えられている。
 おやっ、その本殿の前に、参拝時に名前を記述するために記帳台があるのだが、そこに見慣れぬ物体が。
 これっ、バナナだよね。そんなバナナ・・・!?

📷2021年12月23日
木造の釈迦如来坐像が御座します本殿
📷2021年12月23日
なぜ、ここに? そんなバナナ!?

 この大龍山天岑寺は曹洞宗の寺院である。徳川家康の関東入国に伴い、田中、峯、沢地区を知行した旗本小笠原太郎左衛門安勝が父・小笠原摂津守安元の菩提を弔うために文禄3年(1594年)に開基し、道元禅師から十七世の天海盛呑が開山したといわれ、寺号は安元の法名、天岑院殿紹恩居士から天岑寺と命名されたと伝えられている。

 ここには、僕だけがそう呼んでいる“竹林の小道”ある。なんと、静謐な空間であろう。幾体もの野仏が、小道の片側に鎮座していらっしゃる。
 おい、おい、ここ狭山かよ~。ちょっと異空間だよね。
 まさかの京か、鎌倉かという雰囲気に、しばし己が身を置いてみる。
 いいよねぇ~。不思議なトリップ感覚、何とも言えない瞬間がここにはあった。

📷2021年12月23日
竹林の小径には野仏様がおわします
📷2017年11月13日
あの光の向こうには・・・
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クリスマスローズの芽に揺れ動く

2021年12月23日 14時24分29秒 | みんなの花図鑑
 📷2021年12月9日:実生苗から三年目のクリスマスローズ
 (クリックすると2018年2月21日の開花画像が開きます。{戻る}ボタンを押すと元のページに戻ります)
 2021年12月15日の日記、「うせものを こだはり探す 日短か」において、年が明けると三年目となるクリスマスローズをお目にかけた。
 右の画像である。

 実は、別のサイトでもこの画像をご紹介させていただいたが、ある方からコメントを頂いた。

「うちにも2~3年目のこぼれ種からのものがあり、どれか咲かないかなと、ひそかに期待しているところです。」

と。そう、実生苗でも、早いものでは2年、遅くとも3年も経てば花がつくと言われている。
 数日を経て、改めて鉢の中を覗いてみた。

📷2021年12月20日:この株は花目を抱いていそうだね

 まぁ、花芽であったとしても、こんな状態だから花開くのはまだまだ先のことだろう。
 先の日記でも記述したが、このクリスマスローズの親株は、クリーム系八重咲きの糸ピコティーで、2018年2月に狭山市都市緑化植物園のクリスマスローズ展で購入したものである。
 この親株、昨年末に地植えにしたのが災いしたのか、今年は花を付けてくれなかった。それではと、種を採ってプランターなどに植えておいた苗をこの坪庭の一角に移してみた。

📷2021年12月20日:親株とそのクローン!?

 そうだ、この親株の根元も探索してみようか。
 おや、この芽などどうだろう。花芽に見えないかい?

📷2021年12月20日:親株の根元に分け入ってみると・・・

 この時期、猫の額の住人たちの動きは鈍い。何から何までが冬という名の帳の中に閉じ籠もり、寒さを恐れ身じろぎもしないといった体。
 だからこそ、夢想するしかないのだ。この子たちすべてにつぼみが兆し、花開くときが来たら壮観だろうと。
 さて、何年後のこととなるだろう。

 あっ、そう言えば、もう一株、クリスマスローズがあったっけ。
 名札には原種系クリスマスローズとだけあり、品種名は詳らかではない。
 こちらも、あの親株の隣に植えておいたのだが、その威勢華やかならず、これではならじとベランダ横の鰻の寝床状の小庭に移してしまった。
 現在では、新芽も兆しており、なんとか持ちこたえてくれたように思う。
 そう、この子も、今年ほころんでくれたら嬉しいのだが・・・。

📷2021年12月20日:こちらは、原種系カラーリーフ

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入間川 田島屋堰辺りを歩く

2021年12月22日 14時40分16秒 | みんなの花図鑑
  📷2021年12月21日:国道16号線右手方向に富士山が見える。
  (クリックすると大きな画像が表示される
  {戻る}ボタンで元のページに戻る。)
 駅方向から西に向かい、入間川三丁目の交差点に出る。
 交差点を渡ることなく左手に折れ、国道16号線に沿って南下しながらブラブラと歩く。
 しばらくすると、16号沿い右手に「かつや」の大きな看板が見えてくるのだが、その少し手前、鵜の木北の交差点の歩道橋を渡り南方向を遠望する。
 今日は、いく分霞んでいるが、それでも富士山がそれとわかるほどに見えている(かつやの看板も・・・)。

 こうして見ると、手の届きそうなくらい大きく見えるのだが、当地から河口湖インターまでだと、直線距離で70kmほど、車だと1時間半ほどかかる。
 最近、富士周辺でも地震が多く、富士山大爆発などという物騒な記事も散見される。
 たまたま目にした記事には、当地辺りでも2~9cm以上の降灰が指摘されている。怖い、怖い。

 今日は、入間川小裏辺りから土手に出る。荒涼とした枯れ野原が広がっている。当然、何もないのだよ、花なんぞは。
 その土手に上がると、田島屋堰が間近に見える。
 この堰の名を検索してみると、どのサイトも通り一遍に、「明治時代に資産家の田島菊次郎氏が灌漑取水を目的に.掘削したとされている」などと記述されている。
 ところが、この御仁を検索してみても、一向に詳らかな情報に巡り会えない。都市伝説の類か・・・。

📷2021年12月21日:明治の頃に掘削されたとされる田島屋堰

📷2021年12月21日:下流から見た田島屋堰

📷2021年12月21日:コガモだろうか、群れで羽を休めていた

 真っ黒な身体に真っ白な面がトレードマーク、7~8羽のオオバンが鏡面のような堰の水面に浮かんでいた。
 ファインダー越しにしばらく眺めていると、仲睦まじく愛を語らう二人連れが。なんとも微笑ましい光景である。

📷2021年12月21日:堰の上流では、仲睦まじげに寄り添うオオバン

 おっ、前言を撤回しなければならないかな。なんと、凍えながらたった一茎だけ、アカツメクサが咲いていた。
 マメ科シャジクソウ属の多年草で、ムラサキツメクサとも、赤クローバーなどとも呼ばれる。
 同じ仲間のシロツメクサも、この時期見かけることがあるが、周囲には枯れ草がほとんど、まさに万緑叢中紅一点の趣があるね。

📷2021年12月21日:ただ一花アカツメクサが咲いていた

 しばらく歩くと広瀬橋が見えてくる。橋上には等間隔に街灯が設えられているのだが、近づくにつれ、その街灯の上にナニモノかが整列しているのが知れた。
 ファインダーを覗きズームイン。光学50倍/全画素超解像100倍がキャッチフレーズの長年の相棒は、それがドバトであることを捉えた。しかし、なんとも行儀のよいハトたちであることよ。

📷2021年12月21日:広瀬橋の街灯にはドバトが羽を休めていた

 広瀬橋を見ながら広瀬橋通りに出、南東に進んで16号線に出る。入間川小の交差点を渡ると、あの稲荷山公園北斜面は目と鼻の先だ。
 前回訪れてからわずか1週間ほどだが、モミジバフウはもう大分葉を落としていた。
 展望デッキから眺めた遥か北方の山々は、すでに雪化粧を施していたんだよ。

📷2021/12/21
モミジバフウはだいぶ葉を落としていた
📷2021/12/21
かすかに見える北の山々は雪化粧
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山野草二種 その花後の姿など

2021年12月19日 16時27分38秒 | みんなの花図鑑
  📷2021年12月19日:葉牡丹とアリッサムの寄植え
  (クリックすると大きな画像が表示される。{戻る}ボタンで元のページに戻る。)
 猫の額で、花らしい花といえばこの一角にしかない。
 そのうえ、この子たちは戴き物だ。
 葉牡丹とアリッサム、奇妙な取り合わせかも知れないが、こんな寄植えを作ったのは猫の額の庵主だ。決して、お送り頂いた方のアイディアではない。
 しかしね、この一鉢がなかったら、随分と寒々しいものになっていたに違いない。
 いろいろな意味を込めて、お送り頂いた方には感謝しかない。

 かなたの背景に見える小さな玉ボケ崩れは、何度かアップサせて頂いたバイカカラマツの花の化生だ。
 花は花としてそこにあるだけではない。それを見たものの心のなかにも宿る。
 そういう意味で、僕らが抱く花への印象って、リアルとバーチャルの世界を行ったり来たりしながら感得したものなのかも知れないね。

 花後の姿を見るときでさえ、その花の盛りの頃を思い描き、種を孕んでいれば、翌年綻ぶであろう花の姿を夢想する。
 ほら、これはウメバチソウの花後の姿だ。
 このようにただれた姿を晒していても、

「この一年、よくぞここまで頑張って、種を運んでくれたことよ!」

と、感謝の言葉を投げ掛ける人もいる。

📷2021年12月19日:ウメバチソウの花後。子房がセピア色へと変わり、頭頂部が割けたとき、それが種を採取するサイン。

 こんな姿に、見覚えのある方はいらっしゃるだろうか?
 そう、これがムラサキセンブリの花後なのである。
 面影が残るのは左端、萼に囲まれた特徴のある子房がつんと飛び出ている(右上に部分拡大した画像を貼り込んでおいた)。
 なかなか印象的でしょ。言わなきゃわからないよね、いや、言われてもわからないかな 笑

📷2021年12月19日:ムラサキセンブリの花後。さて、種は採取できるのだろうか?

 だが、何が気に入らなかったのか、花を付けずに年を越そうという輩だっている。
 アサマリンドウ(朝熊竜胆)だ。ご存知の通り、リンドウ科リンドウ属に分類される多年草の仲間。
 そう、一縷の望みは「多年草」であるということ。であるならば、労りながら年を越してもらえれば、来年、きっと花を付けてくれるだろう。

📷2021年12月19日:こちらは鉢植え組。チビだね。 📷2021年12月19日:こちらは地植え組。草紅葉?
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