家屋の東側に位置する坪庭、四季を通じてほぼ午前中しか日が差すことはない。 この環境が良いのか、悪いのか、判断に苦しむところだが、十種ほどの山野草がそこそこ生い立っているのだから良しとしてもいいのだろう。 📷2021年12月25日:例年、ここまでは順調に運ぶのだが・・・
そんな中の一つが上記のシロバナショウジョウバカマ(白花猩々袴)だ。ご存知の通り、ユリ科ショウジョウバカマ属、常緑の多年草である。 しかし、である。ご覧のように、白さが際立つ花の卵(?)が見られるようにはなるのだが、一度もその花茎を伸ばすことなく一年を終えてしまう。 今年こそはと、祈るばかりである。 📷2021年12月25日:不発に終わったアサマリンドウだが・・・
せっかく通販したのだが、とうとう花を見ることなく年を越えようとしているアサマリンドウ(朝熊竜胆)、二株あったのだが、一つは鉢、もう一つここ坪庭に地植えとした。 このリンドウ、三重県の朝熊山で発見された固有種で、ぜひとも花が見たかったのだが、その願いは来年へと持ち越しとなってしまった。 毎朝、毎晩、暇さえあれば観察に怠りないが、この時期、当然のごとくそれほどの変化は見られない。 それが、それがだよ、その根元に芽らしきものが・・・。 い~~~やっ、でも、まだこの子の芽とは限らないか。 しかし、気になって鉢植えの方も覗いてみたら、これほどではないがやはりちょこんと頭を出していたのだよ。 「虚飾にまみれた花」である。ムシャリンドウのことである。 「ムシャ」は「武者」ではない。「武佐」と書く(両者を併記している解説も目にするが)。これは、現在の近江八幡市にあった宿場町・武佐にちなむ。 だが、武佐には自生した痕跡など微塵もないのだ。 「リンドウ」とあるが、「リンドウ」の仲間ではない。シソ科である。シソ科ムシャリンドウ属に属する多年草なのである。 だいたい、その花はおよそリンドウらしくない。筒状で先は唇形という形状を示す。 上記の画像をクリックしてみると、お~っ、これは、いかにもシソ科だねという花穂を目の当たりにするだろう。 📷2021年12月25日:決して見栄えのよいものではないのだが・・・
真冬の山野草園ほど荒涼としたものはない。大方の植物が葉を枯らし、あるいは地上部に姿を留めることなく、長い眠りについている。 これは、猫の額でも同じこと。そのほとんどが地表を露にして春の日差しを待っている。 それでも、所々にだが、寒さに震えながら、片意地を張って葉を見せている硬骨漢もいる。 左に見える特徴のある根生葉はオキナグサのものである。また、右に見える二群れはミヤコワスレだ。 咲くまでには、まだ一山も、二山も越さねばならない。 春の日差しが待たれる猫の額なのである。 |
2021年12月15日の日記、「うせものを こだはり探す 日短か」において、年が明けると三年目となるクリスマスローズをお目にかけた。 右の画像である。 実は、別のサイトでもこの画像をご紹介させていただいたが、ある方からコメントを頂いた。 「うちにも2~3年目のこぼれ種からのものがあり、どれか咲かないかなと、ひそかに期待しているところです。」 と。そう、実生苗でも、早いものでは2年、遅くとも3年も経てば花がつくと言われている。 数日を経て、改めて鉢の中を覗いてみた。 📷2021年12月20日:この株は花目を抱いていそうだね
まぁ、花芽であったとしても、こんな状態だから花開くのはまだまだ先のことだろう。 先の日記でも記述したが、このクリスマスローズの親株は、クリーム系八重咲きの糸ピコティーで、2018年2月に狭山市都市緑化植物園のクリスマスローズ展で購入したものである。 この親株、昨年末に地植えにしたのが災いしたのか、今年は花を付けてくれなかった。それではと、種を採ってプランターなどに植えておいた苗をこの坪庭の一角に移してみた。 📷2021年12月20日:親株とそのクローン!?
そうだ、この親株の根元も探索してみようか。 おや、この芽などどうだろう。花芽に見えないかい? 📷2021年12月20日:親株の根元に分け入ってみると・・・
この時期、猫の額の住人たちの動きは鈍い。何から何までが冬という名の帳の中に閉じ籠もり、寒さを恐れ身じろぎもしないといった体。 だからこそ、夢想するしかないのだ。この子たちすべてにつぼみが兆し、花開くときが来たら壮観だろうと。 さて、何年後のこととなるだろう。 あっ、そう言えば、もう一株、クリスマスローズがあったっけ。 名札には原種系クリスマスローズとだけあり、品種名は詳らかではない。 こちらも、あの親株の隣に植えておいたのだが、その威勢華やかならず、これではならじとベランダ横の鰻の寝床状の小庭に移してしまった。 現在では、新芽も兆しており、なんとか持ちこたえてくれたように思う。 そう、この子も、今年ほころんでくれたら嬉しいのだが・・・。 📷2021年12月20日:こちらは、原種系カラーリーフ
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駅方向から西に向かい、入間川三丁目の交差点に出る。 交差点を渡ることなく左手に折れ、国道16号線に沿って南下しながらブラブラと歩く。 しばらくすると、16号沿い右手に「かつや」の大きな看板が見えてくるのだが、その少し手前、鵜の木北の交差点の歩道橋を渡り南方向を遠望する。 今日は、いく分霞んでいるが、それでも富士山がそれとわかるほどに見えている(かつやの看板も・・・)。 こうして見ると、手の届きそうなくらい大きく見えるのだが、当地から河口湖インターまでだと、直線距離で70kmほど、車だと1時間半ほどかかる。 最近、富士周辺でも地震が多く、富士山大爆発などという物騒な記事も散見される。 たまたま目にした記事には、当地辺りでも2~9cm以上の降灰が指摘されている。怖い、怖い。 今日は、入間川小裏辺りから土手に出る。荒涼とした枯れ野原が広がっている。当然、何もないのだよ、花なんぞは。 その土手に上がると、田島屋堰が間近に見える。 この堰の名を検索してみると、どのサイトも通り一遍に、「明治時代に資産家の田島菊次郎氏が灌漑取水を目的に.掘削したとされている」などと記述されている。 ところが、この御仁を検索してみても、一向に詳らかな情報に巡り会えない。都市伝説の類か・・・。 📷2021年12月21日:明治の頃に掘削されたとされる田島屋堰
📷2021年12月21日:下流から見た田島屋堰
📷2021年12月21日:コガモだろうか、群れで羽を休めていた
真っ黒な身体に真っ白な面がトレードマーク、7~8羽のオオバンが鏡面のような堰の水面に浮かんでいた。 ファインダー越しにしばらく眺めていると、仲睦まじく愛を語らう二人連れが。なんとも微笑ましい光景である。 📷2021年12月21日:堰の上流では、仲睦まじげに寄り添うオオバン
おっ、前言を撤回しなければならないかな。なんと、凍えながらたった一茎だけ、アカツメクサが咲いていた。 マメ科シャジクソウ属の多年草で、ムラサキツメクサとも、赤クローバーなどとも呼ばれる。 同じ仲間のシロツメクサも、この時期見かけることがあるが、周囲には枯れ草がほとんど、まさに万緑叢中紅一点の趣があるね。 📷2021年12月21日:ただ一花アカツメクサが咲いていた
しばらく歩くと広瀬橋が見えてくる。橋上には等間隔に街灯が設えられているのだが、近づくにつれ、その街灯の上にナニモノかが整列しているのが知れた。 ファインダーを覗きズームイン。光学50倍/全画素超解像100倍がキャッチフレーズの長年の相棒は、それがドバトであることを捉えた。しかし、なんとも行儀のよいハトたちであることよ。 📷2021年12月21日:広瀬橋の街灯にはドバトが羽を休めていた
広瀬橋を見ながら広瀬橋通りに出、南東に進んで16号線に出る。入間川小の交差点を渡ると、あの稲荷山公園北斜面は目と鼻の先だ。 前回訪れてからわずか1週間ほどだが、モミジバフウはもう大分葉を落としていた。 展望デッキから眺めた遥か北方の山々は、すでに雪化粧を施していたんだよ。
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猫の額で、花らしい花といえばこの一角にしかない。 そのうえ、この子たちは戴き物だ。 葉牡丹とアリッサム、奇妙な取り合わせかも知れないが、こんな寄植えを作ったのは猫の額の庵主だ。決して、お送り頂いた方のアイディアではない。 しかしね、この一鉢がなかったら、随分と寒々しいものになっていたに違いない。 いろいろな意味を込めて、お送り頂いた方には感謝しかない。 かなたの背景に見える小さな玉ボケ崩れは、何度かアップサせて頂いたバイカカラマツの花の化生だ。 花は花としてそこにあるだけではない。それを見たものの心のなかにも宿る。 そういう意味で、僕らが抱く花への印象って、リアルとバーチャルの世界を行ったり来たりしながら感得したものなのかも知れないね。 花後の姿を見るときでさえ、その花の盛りの頃を思い描き、種を孕んでいれば、翌年綻ぶであろう花の姿を夢想する。 ほら、これはウメバチソウの花後の姿だ。 このようにただれた姿を晒していても、 「この一年、よくぞここまで頑張って、種を運んでくれたことよ!」 と、感謝の言葉を投げ掛ける人もいる。 📷2021年12月19日:ウメバチソウの花後。子房がセピア色へと変わり、頭頂部が割けたとき、それが種を採取するサイン。
こんな姿に、見覚えのある方はいらっしゃるだろうか? そう、これがムラサキセンブリの花後なのである。 面影が残るのは左端、萼に囲まれた特徴のある子房がつんと飛び出ている(右上に部分拡大した画像を貼り込んでおいた)。 なかなか印象的でしょ。言わなきゃわからないよね、いや、言われてもわからないかな 笑 📷2021年12月19日:ムラサキセンブリの花後。さて、種は採取できるのだろうか?
だが、何が気に入らなかったのか、花を付けずに年を越そうという輩だっている。 アサマリンドウ(朝熊竜胆)だ。ご存知の通り、リンドウ科リンドウ属に分類される多年草の仲間。 そう、一縷の望みは「多年草」であるということ。であるならば、労りながら年を越してもらえれば、来年、きっと花を付けてくれるだろう。
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